コールアウトアセット(旧:コールアウト表示オプション)を使用すると、ユーザーに訴求できる情報量が増えるので、使っている方も多いのではないでしょうか。もしくは、機能の存在は知っているけれど使ったことがないという方もいると思います。
この記事では、コールアウトアセットの特徴や活用方法、使用時の注意点を紹介します。無料で使える機能なので、この記事を参考に、ぜひ自分の管理している広告でも取り入れてみてください。
コールアウトアセット(旧:コールアウト表示オプション)は、広告の見出しと説明文のあとに表示される、短い中黒点で区切られたテキスト形式のオプションです。見出しや説明分と別枠で、商品やサービスに関する情報を表示し、ユーザーに訴求することができます。文字数は半角25文字、全角だと12文字までで、最大で10個まで設定できます。
見出しや説明文と違い、コールアウトアセットは表示されることは保証されていません。広告ランクが一定の値に達していなかったり、広告の掲載順位が低かったりした場合はアセットが表示されません。
Google 広告では、次のようなさまざまな要因に基づいてアセットが表示されます。
・広告ランク。入札単価、広告とランディング ページの質、広告ランクの下限値、検索時のユーザーの状況、アセットや他の広告フォーマットの見込み効果に基づいて算出されます。広告ランクが一定以上の値でなければ、追加のアセットは表示されません。よって、アセットを表示するために、入札単価の引き上げか広告品質(またはその両方)の改善が必要となることもあります。
・Google 検索結果ページにおける広告の掲載順位。アセットは、Google 検索結果上部の限られたスペースに表示されます。その際、掲載順位の高い広告が優先されます。掲載順位の低い広告のアセットが、掲載順位の高い広告のものより多く表示されることは通常ありません。また、Google 広告システムでは、アセットによる増分クリック数が掲載順位上昇による増分クリック数を上回ることも、原則として許可されない仕組みになっています。広告の掲載順位を上げるには通常、広告の品質または入札単価、あるいはその両方を引き上げる必要があります。
・有効にしたその他のアセット。表示されるアセットとフォーマットの組み合わせは、オークションごとに決定されます(通常は最も成果が良く、利便性が高くなるものが選ばれます)。推定クリック率が掲載順位の高い広告よりも高くなるような組み合わせでアセットが表示されることはありません。
引用元:アセットについて | Google広告ヘルプ
そのため、ユーザーに強く訴求したい内容はコールアウトアセットではなく見出しや説明文内に記載しましょう。
Yahoo!検索広告では、コールアウトアセットと同様の機能として「テキスト補足オプション」があります。表示のされ方や文字数の制限も同じで、 Google 広告と Yahoo!検索広告、どちらの媒体で配信する場合も同じ内容を設定できます。ただし、Yahoo! の場合は同じ記号を2つ使うことや、半角カタカナを使うこともできないため注意が必要です。
コールアウトアセットはアカウント全体とキャンペーンごと、広告グループごとに設定できます。設定する際に、どの階層のどの要素にコールアウトアセットを設定するのか選択してください。
アカウントにあるキャンペーン全てに共通する訴求をコールアウトアセットで設定する場合は、アカウント全体に設定します。アカウント全体で設定すると、その配下で新たに作ったキャンペーンにも自動的に同じコールアウトアセットが適用されます。
キャンペーンごとに違う商品やサービス内容を訴求する場合は、キャンペーン単位や広告グループ単位でコールアウトアセットを設定するのがおすすめです。
アカウント全体でコールアウトアセットを設定する場合は、キャンペーンや広告グループ単位で訴求している内容と矛盾しないよう注意が必要です。
コールアウトアセットと似ているものに、サイトリンクアセットと構造化スニペットアセットがあります。
サイトリンクアセットを使うと、広告に指定したページの URL とそのページに関する説明を記載できます。見出しや説明文の下に青文字で表示され、サイトリンクアセットをクリックすると指定したページに遷移します。
サイトリンクアセットとコールアウトアセットの大きな違いは、URL へのリンクを設定できるかできないかです。サイトリンクは URL を設定するため、ユーザーの直接流入が期待できます。コールアウトアセットは URL を設定しないため、遷移先のページを用意していない内容も訴求できます。
構造化スニペットアセットは、商品やサービスの特定の部分を強調して訴求できるアセットです。サービスのコースや商品のブランドなどを羅列したいときに活用できます。コールアウトアセットと同様、説明文の後ろに表示されます。
構造化スニペットアセットとコールアウトアセットの大きな違いは利用目的にあります。構造化スニペットアセットは、商品の情報や直接的なサービス内容について訴求する際に使用します。そのため入力できる内容もある程度決まっており、以下に該当する項目(管理画面上では「ヘッダー」と呼ばれるもの)を選んだうえで、それに該当するテキストを入力します。以下は広告管理画面で用意されているヘッダーです。
そのため、コールアウトアセットで設定するような「送料無料」や「土日も対応可」などは設定できません。
コールアウトアセットを設定することで、見出しや説明文で訴求できなかった内容を広告に追加できます。コールアウトアセットの主な活用方法は以下の2つです。
1つ目はサービスの特色や競合優位性を簡単に説明できる点です。コールアウトアセットは短い文言を並べることができるため、サービスの特色や競合優位性をシンプルなテキストでユーザーに訴求することができます。
広告文と同時に表示されるため、広告文に入れられなかった訴求や KBF(Key Buying Factor:購買決定要因)と呼ばれるような「商品やサービスを購入する際に重視する要素」ではない要素を設定することが多いです。 KBF については以下の記事で詳しく解説しています。
KBF(購買決定要因)とは?決め方やKSFとの違い、Web 広告での活用方法
KBF(Key Buying Factor:購買決定要因)は、顧客が商品やサービスを購入する際に重視する要素のことを意味します。洗濯機の場合は、「値段」や「サイズ」、「機能」、「洗浄力」、「音の大きさ」、「電気代・水道代」などが KBF として考えられます。
コールアウトアセットは広告と同様、期間や曜日、時間帯を指定するスケジュール設定が可能です。
セール中だけ配信したい場合や、特定の曜日や時間だけ送料無料になる場合などは、配信するタイミングを指定することで無駄な配信をなくすことができます。
コールアウトアセットは多くの訴求をユーザーに表示できますが、どんな内容でも設定できるわけではありません。設定できない内容があるため、設定した文言が配信できるか確認する必要があります。コールアウトアセットを設定するときに気を付けることを3つ紹介します。
ユーザーの注意をひくためだけに句読点や記号を用いている場合は配信できません。句読点や記号は、本来の用途と違う方法で利用しないようにしましょう。例えば、以下のように感嘆符(!)を使うことや、文頭に句読点を置くことなどは禁止されています。
本来の用途と異なる形で句読点や記号を使ってユーザーの気をひくのではなく、ユーザーが興味を持つような魅力的な訴求を設定しましょう。
コールアウトアセットとサイトリンク、広告文などで同じ単語やフレーズを繰り返すことはできません。例えば「送料無料」を広告文内とコールアウトアセットのどちらにも入れた場合は不承認になります。
コールアウトアセット内で商標を利用している場合、商標所持者の申請によってアセットが削除される可能性があります。
コールアウトアセットも、広告文と同様に不適切な商標利用は禁止されています。 他社のブランド名を自社のものとして誤解させるような表現をすること、自社と比較して貶める意図で他社の商標を利用することなどがその例です。
例えば、弊社(キーワードマーケティング)ではない企業が以下のような文言を使用していた場合は、コールアウトアセットの利用ができない可能性が高いです。
コールアウトアセットを設定するときは、商標を使っていないか、使っている場合は不適切な利用をしていないかを確認しましょう。
弊社の広告運用者がどんなコールアウトアセットを設定しているのかヒアリングしてみました。中でもこれは効果があったと感じるものや、複数の運用者が使っている方法を3つに絞って解説します。
前提として、コールアウトアセットは毎回表示されると確約されたものではありません。そのため KBF になる要素は含めず、表示されなくても成果に大きく影響を与えない訴求を設定しましょう。
おすすめのコールアウトアセットの使い方1つ目は、一定のユーザーにとって魅力になるポイントを記載することです。
KBF(購買決定要因)にならない訴求であっても、一部のユーザーにとっては魅力的な訴求があります。例えば「無料査定」や「年中無休」、「離島でも送料無料」などをコールアウトアセットに追加することで、より興味を持ってもらえる可能性が高まります。
この使い方はどんな商材にも応用でき、特に訴求できるポイントが多く広告文で説明しきれない場合に有効です。文字数や文章の構成上、見出しや説明文に追加できなかった訴求をコールアウトアセットで設定し、ユーザーにより多くの情報を伝えてみましょう。
2つ目に紹介するおすすめの使い方は、商品やサービスで解決できる課題や悩みを端的に記載することです。
例えば、広告代理店であれば「費用対効果改善の提案」や「LP改善提案」などが挙げられます。ユーザーに対して、自社ができることを伝えられます。
この使い方は、業務管理ツールやクリエイティブツールなど、機能がたくさんあるサービスの広告と相性がいいといえます。ユーザーはツールに搭載された全ての機能を理解することよりも、ツールで何が解決できるかが知りたいはずなので、コールアウトアセットを使って情報を届けましょう。
多くの機能を持っている場合は文字数が多くなり、説明文や見出しだけで説明をすることは難しいので、コールアウトアセットを活用するのがよいでしょう。
最後に紹介する使い方は、セールや特典の情報を記載することです。
この使い方は、EC サイトのようにセールや特典が発生する商材と組み合わせるのがおすすめです。コールアウトアセットは配信タイミングを指定できるため、特定の期間だけ配信したい場合でも使用できます。簡単に設定でき、すぐに切り替えられる点も、セールや特典が発生する商材と相性がよいといえます。広告文を編集せずにセール情報を記載したい場合などに活用しましょう。
ここからはコールアウトアセットを設定する方法を紹介します。
まず Google 広告管理画面の左側にあるメニューから「広告とアセット」をクリックし、「広告」と「アセット」を表示させます。
次に「アセット」を選択し、その中から「コールアウト」を選択します。選択後「+」マークの青いボタンをクリックすることで、コールアウトアセットの編集画面に移ります。
設定先を選択し、「アセット」に作成したいコールアウトアセットを入力して「保存」ボタンを押すと作成完了です。作成したコールアウトアセットの表示は、右側のプレビューで確認できます。
コールアウトアセットは簡単に設定することができ、より多くの情報をユーザーに伝えられます。記事の中で紹介したように、広告文に利用できなかった訴求や機能、セール情報などを、商品やサービスに合わせて使い分けてみてください。
広告運用 コンサルタント
2020年4月に新卒入社。5月末から広告運用事業部に配属。就職して初めてPhotoshopをさわってから、広告画像を作るのが特に好き。趣味はUSJに行くことと推しを推すこと。
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