運用型広告

検索履歴から広告を配信する「サーチターゲティング」とは?仕組みや掲載先・成果が出る5つの守るべきこと

インターネット広告には、検索結果画面に広告を配信するリスティング広告や広告枠を設けている Web サイトやアプリ上に掲載できるディスプレイ広告があります。

その中でもユーザーの検索履歴をもとにディスプレイ広告を配信できる、サーチターゲティングの定義から設定方法、成果を出すコツを解説します。

サーチターゲティングとは

サーチターゲティングとは、指定したキーワードを検索した人をターゲティングして配信できるディスプレイ広告を指します。検索した回数やどれぐらい前に検索したかの期間で絞り込み、より確度の高いユーザーのみを対象とすることも可能です。

Yahoo! ディスプレイ広告(通称 YDA、旧 YDN )特有の広告メニューで、参照される検索キーワードデータは Yahoo! JAPAN のものです。「サーチキーワードターゲティング」と呼ばれることもあります。

画像引用元:Yahoo!広告 公式 ラーニングポータル|「サーチターゲティング」とは

混同されやすい広告メニューに「サイトリターゲティング」と「リスティング(検索広告)」があります。違いが分かりやすいように表にしてまとめました。

広告メニュー ターゲティング方法 掲載先(表示場所) 広告タイプ
サーチターゲティング 検索履歴 ディスプレイ枠 テキストと画像
サイトリターゲティング サイト訪問履歴 ディスプレイ枠 テキストと画像
リスティング 検索キーワード 検索結果 テキストのみ

このサーチターゲティングとサイトリターゲティングを用いて弊社で広告を配信した結果が以下の表です。

表示回数 クリック数 クリック率 クリック単価 消化金額 CV数 CV率 CPA
サイトリターゲティング 4,253,335 7,851 0.18% ¥21 ¥165,032 143 1.82% ¥1,154
サーチターゲティング 146,403 630 0.43% ¥16 ¥10,265 8 1.27% ¥1,283
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サイトリターゲティングよりもクリック率は高く、コンバージョンもしっかりと獲得できていることが分かると思います。

広告の掲載先

広告の掲載先は、Yahoo! の提携パートナーサイトやブログといったコンテンツページが掲載先になります。

Yahoo! 提携の COOKPAD に掲載されたディスプレイ広告

他 Yahoo! ディスプレイ広告と同様に、Yahoo! ニュースや Yahoo! 知恵袋などの各種コンテンツページにも掲載可能で、「Yahoo! PC ブランドパネル広告(通称:ブラパネ)」と呼ばれる PC 版の Yahoo!トップページの一番目立つ広告枠に配信することもできます。

Yahoo!トップページのブランドパネル広告

なお、ディスプレイ広告になるので、テキストだけでなく画像や写真を使うことができます。アパレルや食品など、テキストよりも視覚要素の強い商品では大きなメリットになるでしょう。

Yahoo! だけでなく Google でも一部利用可

先ほど Yahoo! 特有の広告メニューと言いましたが、Google でも似たような配信をすることが一部可能です。

具体的には「ファインド広告利用時のカスタムインテント」と「 TrueView アクション 利用時のカスタムインテント」の2つです。これらは Google 検索で使用した検索語句に基づいてターゲティングすることができます。

サーチターゲティングのデメリット&メリット

ここからはサーチターゲティングを用いた広告配信におけるデメリットとメリットをご紹介いたします。

デメリット1.設定できるキーワードは検索ボリュームが一定数あるもののみ

サーチターゲティングで使用できるキーワードは自由に選べるわけではありません。過去30日間の検索数が1,000回以上あるものが原則対象となっています。

中には1,000回に満たなくても設定できるものもありますが、広告配信量が少なくなるケースが多いです。
 
実際にどういったキーワードが選べるのかは、以下の Yahoo! ディスプレイのサーチキーワードリスト作成画面で事前に確認することが可能です。

キーワード検索と選択画面

デメリット2.使えなくなるキーワードが出てくる場合がある

配信当初は検索ボリュームが多く、問題なく配信できていても、数年後には検索ボリュームが減ってサーチキーワードとして無効になることがあります。

この場合は、新たにキーワードを追加し、配信量を保つ必要があります。キーワードが無効になって配信量が減っていないかを確認するようにしましょう。

メリット1.リタゲ同等の単価でコンバージョンが獲得できる

サイトリターゲティング以外のディスプレイ広告だと、コンバージョンが獲れない、獲れたとしてもコンバージョン単価が高いというケースが多いです。

しかし、サーチターゲティングではリターゲティングと同じぐらいの単価で、きちんとコンバージョンを獲得していくことが可能となっています。

以下は弊社で配信したサイトリターゲティングとサーチターゲティングの実績です。

表示回数 クリック数 クリック率 クリック単価 消化金額 CV数 CV率 CPA
サイトリターゲティング 6,848,523 3,538 0.05% ¥23 ¥82,733 11 0.31% ¥7,521
サーチターゲティング 4,793,043 1,417 0.03% ¥58 ¥81,891 11 0.78% ¥7,445
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比べてみて分かる通り、CPA の差はそこまでないのにもかかわらず、コンバージョンは11件と同じ件数を獲得することができています。

メリット2.クリック単価が低い

ディスプレイ広告なので、広告在庫が豊富(=掲載先が多い)です。したがって、検索広告のようにオークションによって数少ない広告枠を争うことがないため、クリック単価が低く推移します。

たとえば、検索広告でクリック単価が1,000円を超えるキーワードでも、サーチターゲティングを使うと80円前後で済む場合も多いです。

検索広告でクリック単価が高い商品・サービスでは、積極的にサーチターゲティングを導入することをおすすめします。

メリット3.検索広告でクリックしてくれなかったユーザーにアプローチできる

検索広告を出していても、掲載順位が低い場合やテキストだけでは魅力が伝えにくい商品の場合、ユーザーは広告をスルーして、クリックしてくれないかもしれません。

そのような場合でも、サーチターゲティングであれば、目立つ場所への広告掲載や画像を使うことで一瞬でユーザーを魅了することが可能です。

左:検索広告、右:ディスプレイ広告

メリット4:期間や検索回数を細かく設定できる

サーチターゲティングでは、検索したどれぐらい前か、何回検索したかでリストを細分化することができます。具体的には以下の設定が可能となっています。

検索期間 過去1日以内、3日以内、7日以内、14日以内、30日以内
検索回数 1回以上、2回以上、3回以上

実際に配信してみてコンバージョン単価が高い場合には、検索期間を短くしたり、回数を増やしたりすることで、より確度の高いユーザーに絞って配信が可能です。

以下は、ユーザーの検索回数を1回と3回で絞り込みを変えて配信した結果です。配信量こそ減りますが、検索を3回おこなっているユーザーのほうがパフォーマンスは良い傾向があります。

検索回数の差によるパフォーマンスの比較

【注意】緊急性の高い商材は向いてない

基本的にはどんな商品・サービスでも成果が見込めますが、コンバージョンまでの検討期間が極端に短い(検索広告でどこかのサイトをクリックして、そのままコンバージョンする)商品・サービスでは失敗するケースが多いです。

具体的に不向きなのは、水道管修理や鍵開けなどの緊急性が高い商材です。こういったユーザーにディスプレイ広告を表示する頃には他企業でだいたいコンバージョンしていて、問題も解決済みだったりするので、効果が出ないでしょう。

これを踏まえ、一つの基準として、サイトリターゲティングで成果が出ていれば、サーチターゲティングでも成果がでると考えてよいでしょう。

サーチターゲティングのはじめ方

2020年6月に「 Yahoo! ディスプレイアドネットワーク( YDN )」が「 Yahoo! ディスプレイ広告(運用型)」にリニューアルされ、一部の配信ロジックの変更や管理画面の刷新が行われています。

しかしサーチターゲティングに関係した部分の変化はないので、Yahoo! ディスプレイ広告の新しい管理画面をもとに説明させていただきます。

1.サーチキーワードリスト作成

Yahoo! ディスプレイ広告にログインして、管理画面を開きます。

画面右上の「ツール」をクリックします。ポップアップが表示されるので、「共有ライブラリ―」にある「サーチキーワードリスト」をクリックします。

さらに「サーチキーワードリスト作成」をクリックします。

サーチキーワードリストページ

サーチキーワード候補は「キーワードから探す」と「 URL から探す」の2つから選べます。

検索広告を配信している場合には、検索広告でコンバージョンしている検索語句がサーチターゲティングでも使えないか入力し確認してみましょう。

サーチキーワードリスト作成

検索広告でコンバージョンしているキーワードは、サーチターゲティングにおいても成果を出しやすいです。

検索広告を配信していなく、キーワードも良い案が浮かばない場合、「URL から探す」を選択し、ランディングページの URL を入力してキーワードを抽出するのがいいでしょう。

以下は弊社の公式サイトの URL を入力してみたものです。全く見当違いなキーワードもいくつか挙がっていますが「リスティング」などのズバリなキーワードも候補として挙がっています。

弊社公式サイトの URL から出したキーワード候補

あいにくサーチキーワード候補に表示されないキーワードは登録できません。

ただ、土日祝日や年末年始を除いて、1週間に数回程度の更新はされているようなので、直近で話題になったキーワードなどに配信したい場合は、数日おいてから再確認してみると設定できるようになっているかもしれません。

また、検索ボリュームがあれば一般名詞だけでなく企業名やサービス名などで配信することも可能です。

検索広告にあるマッチタイプという概念は、サーチターゲティングにはありませんが、以下のように、設定したキーワードのテキストを含む検索語句に対しては反応し、広告配信がされます。

設定したサーチキーワード 反応する検索語句 反応しない検索語句
不動産 不動産、赤坂 不動産、不動産 赤坂
赤坂 不動産 赤坂 不動産、不動産 赤坂 不動産、家
不動産 赤坂 赤坂 不動産、不動産 赤坂 不動産、家

参考:Yahoo!広告ヘルプ|サーチキーワードターゲティングの仕組みと設定

「赤坂 不動産」のサーチキーワードでは、順番が入れ替わった「不動産 赤坂」にも広告が表示されますが、「不動産」のように一部しか含まれていない場合には広告は表示されません。

送り仮名や全角・半角、大文字・小文字などの一部表記ゆれは含まれるようです。

サーチキーワードを選んだら、画面下部の「作成」を押して保存しましょう。

ステップ2:キャンペーン作成

Yahoo! ディスプレイ広告の管理画面 TOP からキャンペーン作成をクリックして作成します。キャンペーンの目的は、コンバージョンを選択します。

キャンペーンの作成 > 目的はコンバージョンを選択

入札戦略は初めは「手動入札」を選択してください。配信してコンバージョン実績がたまってきたら、自動入札への移行を検討しましょう。

実績の目安としては、媒体が推奨している、直近30日の期間のうち広告グループ単位で50件のコンバージョンになります。

広告グループの箇所に「サーチキーワード」という項目があります。ここで先ほど作成したサーチキーワードリストを選択してください。

私の過去5年間の広告運用経験を踏まえると、広告グループの入札価格は30円から50円あたりがおすすめです。そして、広告はサイトリターゲティングで使っているものと同じもので OK です。

3.審査の確認

キャンペーンを作成し終わったら、広告や画像が審査に入ります。審査が通ったら配信を開始しましょう。審査期間は代理店経由での広告配信かによっても異なります。

成果を出すコツ

サーチターゲティングの設定は簡単ですが、いくつかコツを押さえることで成果を高めることができます。ディスプレイ広告全体にも言えることを含みますが、ここでは5つのコツをご紹介いたします。

  1. 検索広告でコンバージョン数の多い検索語句をサーチキーワードで設定する
  2. 類似・言い換えキーワードも設定する
  3. サーチキーワードはひとつにまとめずにリストを分ける
  4. 不安を払しょくするコンテンツをランディングページに入れる
  5. 運用開始後はこまめに入札価格を調整する

1.検索広告でコンバージョン数の多い検索語句をサーチキーワードで設定する

先述の通り、検索広告でコンバージョンしているキーワードは、サーチターゲティングにおいても成果を出しやすいです。もし検索広告を配信していたのであれば、そのデータを活かして配信しましょう。

2.類似・言い換えキーワードも設定する

検索広告でコンバージョンが多く獲れたキーワードの他、その言い換え語句や、検討段階の人が検索する語句も設定してみましょう。

あまり思いつかない場合には、Yahoo! 知恵袋の投稿などを見て、ユーザーの悩みをもとにキーワードを探してみましょう。

さらに、低いクリック単価でコンバージョンが見込めるかもしれません。注意点としては、確度の高いサーチキーワードとは別のサーチキーワードリスト、別の広告グループで設定することです。

こうすることで、広告グループ単位の入札価格を使って、配信強弱を設定できます。周辺キーワードはコンバージョン率がやや低めになるので、入札価格も10円などかなり低めに設定しておきましょう。

3.サーチキーワードはひとつにまとめずにリストを分ける

1つのサーチキーワードリストに登録できるキーワード数は500個なので、かなりのキーワードをまとめて登録することが可能です。

しかし、すべてを一括登録してしまうと、パフォーマンスを細分化できず、改善がしにくいです。

キーワードはある程度分類しておくことをおすすめします。なお、検索ボリュームが1,000を切るような低ボリュームキーワードはまとめてもOKです。

4.不安を払しょくするコンテンツをランディングページに入れる

ユーザーは検索行動を起こしていろいろとサイトを見たのに、どこの商品サービスでもコンバージョンしていない可能性があります。

そういった方々は何か不安が残っているから、コンバージョンしていない訳です。

ランディングページにはユーザーの不安を払しょくするようなコンテンツをしっかり入れてあげることで、よりコンバージョンに繋がりやすくなります。

5.運用開始後はこまめに入札価格を調整する

運用型広告の基本ですが、配信開始はゴールではなくスタートです。特に初期段階では、入札価格が高すぎて過剰に配信されていたり、逆に入札価格が低すぎてまったく配信されていないことがあります。

運用開始から数日の間は入札価格をこまめに調整して、予算に合わせた配信ペースに乗せましょう。

サーチターゲティングで確度の高いユーザーへ広告配信を!

サーチターゲティングは、ディスプレイ広告なのでクリック単価が低く収まります。

そして、検索行動に連動したターゲティングなのでコンバージョンもしっかり獲れるおいしい広告メニューです。この記事を参考にぜひ配信してみてください。

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「わかりにくいこと」を「わかりやすく」をモットーに、すべての記事を実際に広告運用に関わるメンバー自身が執筆しています。ぜひ無料のメールマガジンに登録して更新情報を見逃さないようにしてください!

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この記事を書いた人

瀬畑 輝

瀬畑 輝

広告運用 コンサルタント

2016年4月に新卒入社。入社10カ月で代表滝井直属の広告運用チームに異動。 入札調整や広告文作成から、サイト改善提案まで代表から直接指導を受ける。 toB/toC比率は半々で、アプリ広告も担当。特に好きな媒体はFacebook広告。 海外旅行が好きで、アメリカ横断経験あり。趣味は服映画ヨガアート猫もろもろ。

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