運用型広告

検索広告向けリマーケティング(RLSA)とは?設定方法と3つの活用例

ディスプレイ広告では主流のターゲティングであるリマーケティングですが、同じようなターゲティング方法を検索広告でも設定できることはご存知でしょうか。

検索広告向けリマーケティング(RLSA:Remarketing List for Search Ads)と呼ばれるもので、こちらの方が聞き馴染みがあるかもしれません。

とは言え、検索広告向けリマーケティング(以下、RLSA)の機能を知っていても、現在運用しているアカウントにどう活用するか迷ってしまう方もいるかと思います。実際、担当案件を持ってから半年を過ぎたくらいの自分もそうでした。

今回の記事では、RLSA の概要に加えてメリットや設定方法を過去の自分に分かりやすく教える気持ちで解説したいと思います。少しでも皆さんのお役に立てたら光栄です。

検索広告向けリマーケティング(RLSA)の概要

RLSAは、自社サイトを訪問したことがあるユーザー向けに配信内容をカスタマイズできる検索広告の機能です。この機能によって、サイト訪問者に向けて表示させる検索広告をカスタマイズしたり、入札単価を調整したりすることが可能です。

代表的な広告媒体である、Google と Yahoo! の検索広告で配信可能で、設定をするにはサイト訪問履歴を蓄積するリマーケティングリストを使用します。また、Yahoo! では RLSA ではなく、サイトリターゲティングと呼びます。

リマーケティングというとディスプレイ広告のイメージが強いと思いますが、表示形式以外は検索広告と大きく異なる点はなく、サイト訪問者に広告表示させるという大枠は一緒です。

利用可能なユーザーリスト一覧

RLSA で利用できるリストは、以下の6つです。Google ではすべてのリストが使用できますが、Yahoo! で取り扱えるリストは、1の標準と2のアプリのみになります。

  1. 標準のリマーケティング リスト
  2. アプリのリマーケティング リスト
  3. YouTube 動画のリマーケティング リスト(Google のみ)
  4. Google アナリティクスのリマーケティング リスト(Google のみ)
  5. 顧客の連絡先情報にもとづくリマーケティング リスト(Google のみ)
  6. AdWords optimized list(=Google 広告の最適化リスト)(Google のみ)

上記の中でも、6.AdWords optimized list は聞き慣れない方もいるのではないでしょうか。これは、Google 広告において自動で生成されるリマーケティングリストです。

リスト自体が自動生成され、広告アカウントの最適化に利用できると Google 媒体側に判断されたオーディエンスが蓄積されていきます。蓄積されているユーザーの総数はオーディエンスマネージャーの一覧画面で確認することができます。

また、リスト選択後に「オーディエンスインサイト」を選択すると、どのようなユーザーがどれくらい蓄積されているかを確認することができます。

アカウントによって、オーディエンスやサイズは異なりますが、全体的にサイト訪問者に類似していると判断されたオーディエンスが蓄積されやすい傾向があるようです。

Google 広告管理画面 > オーディエンスマネージャー > オーディエンスインサイト

自動作成のリストについて – Google 広告 ヘルプ

リマーケティング リストとは、ウェブサイトにアクセスしたユーザーのリストです。初めてリマーケティング キャンペーンを作成すると、「すべ

RLSA の3つの活用例

RLSA を上手く活用することで、手間をかけることなくパフォーマンス良化できます。今回は RLSA を導入することで可能になることを3つ紹介します。

  • オークションで勝ち上位掲載を狙える
  • 初めてサイト訪問したときと異なる訴求を含めた広告を表示させることができる
  • コンバージョン確度が高いユーザーへの配信量を強化する     

サイト訪問者とサイト未訪問者で配信の強弱をつけられる

RLSA を導入し、入札比率を調整すると、サイト訪問者とサイト未訪問者で配信の強弱をつけられます

サイト訪問者には高めの入札価格を設定し、サイト訪問者が検索をした際には上位に広告が掲載されるように入札調整をします。

例えば、入札単価を100円に設定しているキーワードで、サイト訪問あり/なしで入札比率の調整をした場合、以下のように入札価格を引き上げることができます。

配信対象
(ターゲット)
キーワードの入札額入札比率実際の入札額
サイト訪問なし100円100円
サイト訪問あり100円+50%150円

サイト訪問者は、検索ユーザーの中でも潜在的ニーズがあるので、RLSA を導入し、入札調整をすることでコンバージョン確度が高いユーザーに対して、限定的なアプローチができます。

ユーザーが以前サイト訪問した時と、異なる訴求の広告を見せられる

以前サイト訪問をしたユーザーの中でも、コンバージョンの直前まで至ったユーザーへ対して、異なるアプローチができます。コンバージョンの直前とは、具体的に「商品のカート追加」や「サービスのお問い合わせフォーム閲覧」などが挙げられます。

検索広告やディスプレイ広告に限らず、同じ広告文ばかり表示させると広告自体に飽きられ、サイトへ流入させることすら難しくなってしまうこともあります。

そこで RLSA を導入し、広告をカスタマイズすることで、以前サイト訪問を促したときと異なる訴求を含めた広告を表示させることができます。

例えば、サイト未訪問者が検索した際には自社がどのような商品・サービスを提供しているのか伝わるような広告文を設定します。そして、サイト訪問者に対しては自社の強みを打ち出した広告文を設定します。

サイト訪問者は関連語句で繰り返し検索をしており、複数社で比較検討している可能性が高いと考えられます。そのため、期間限定で実施しているキャンペーンや初回のお客様限定のサービスなど、自社の強みを含めることでコンバージョンへの後押しをすると効果的です。

まずはサイト未訪問者向けの広告で自社を知ってもらい、サイト訪問者には自社の強みを訴求することでコンバージョンへと繋げることができるようになります。

以下は、リスティング広告の運用代行サービスを検索しているユーザーに向けて弊社が広告を出す想定で作成したイメージです。

サイト未訪問者には「リスティング広告の運用代行をしている企業」と「弊社がどのような企業なのか」という内容を含んだ、自己紹介のような広告文を設定しました。この広告によって弊社サイトに興味を持ってもらい、広告のクリック、サイト流入を促します。

サイト訪問なしのユーザーに向けた検索広告

続いて、サイト訪問者には「弊社が提供している期間限定のサービス」を含んだ、コンバージョンの後押しをする広告文を設定しました。前提として弊社の場合、広告アカウントの診断をコンバージョンポイントの1つにしています。

サイト訪問ありのユーザーに向けた検索広告

コンバージョンポイントを広告文でも記載して、無料アカウント診断への申込み(=コンバージョン)への導線を作ります。また、「8月末まで」という期間限定訴求を含むことで、他社に流れる前にコンバージョンするよう促します。

上記の例では見出し2を変更していますが、サイト訪問者向け広告の「8月末まで無料でアカウント診断」は見出し1に設定する選択肢もあります。理由として、ユーザーが検索語句に関連した商品・サービスの広告が掲載されることは想定できている可能性があるからです。

例えば、「リスティング広告 運用代行」という検索語句で運用代理店の広告が掲載されることは把握しているということです。

その中でどの代理店が依頼する上でメリットがあるかを考えているので、自社の強みを先頭に配置することも効果的な場合もあるでしょう。

また、見出し2はテキストの途中までしか表示されない場合もあるので、必ず全文表示させるのであれば見出し1に設定することをおすすめします。どのような見出しの配置が効果的か検証したい場合は、見出しの位置を変更した2パターンを設定すると良いでしょう。

また、遷移先も変更することができるので比較検討ユーザー向けのページや通常のランディングページとは異なるページへ遷移することも可能です。

コンバージョン確度が高いユーザーへ配信量を強化できる

RLSA では、広告文と同様にキーワードをカスタマイズすることも可能です。

例としては、サイト訪問したユーザーや購入履歴のあるユーザーに対しては、一般名詞の中で競争率が高くなりがちなビッグキーワードにも入札する設定などがあります。

普段では予算があまり確保できず出稿を抑えていたキーワードでも、コンバージョン確度が高い可能性のあるユーザーに絞って配信量を強化することが可能です。

リピート客に対して広告文を変更する設定例

一例として、リピート客に対して広告文を変更する例を紹介します。設定手順は、以下の通りです。

  1. リマーケティングタグの設定
  2. リマーケティングリストの作成
  3. 対象の広告グループの複製
  4. リマーケティングリストの紐づけ
  5. 広告の差し替え

1.リマーケティングタグの設定と2.オーディエンスリストの作成の説明については、以下の記事を参考にしてください。

リターゲティングとリマーケティングって何が違うの?設定方法とポイントを詳しく紹介

リターゲティング、リマーケティングとは、サイト訪問・自社アプリのインストール・YouTube チャンネル登録や動画の視聴など、自社サイトを利用したことがあるユーザーに対して広告を配信し、再訪問を促す広告の配信手法です。Yahoo!やGoogleなど媒体によって呼び方は様々。配信実績と広告配信時の2つの懸念点、誰でも始められるようにキャプチャ付きで設定方法を解説してます。

今回の記事では、リマーケティングリストを作成後、どのようにリピート客に対して広告文を変更する設定にするかを説明します。

まず、対象とする広告グループを複製します。その後、任意のリマーケティングリストを「ターゲティング」で紐づけをおこないます。最後に設定したリストのユーザーに配信したい広告に差し替えをおこない完了です。

具体的な設定の前に、リストのターゲティング設定について説明します。オーディエンスリストの紐づけ方法には「ターゲティング」「モニタリング」の2種類があります。

「ターゲティング」は設定した人だけに配信する方法で、「モニタリング」はターゲティング設定した人も含む全ての人へ配信する方法です。

例えば、以下の図はサイト訪問者をターゲティングした場合と、モニタリングした場合の違いを図説したものです。モニタリングの設定でリマーゲティングリスト(サイト訪問者のリスト)を使用してもリスト外のユーザーにも配信されることになります。

ターゲティングは、設定したユーザーのみに配信
モニタリングは、配信対象の絞り込みはしないが、モニタリングしたセグメントのみの配信結果を取り出せる

前述した RLSA における入札比率調整は、「ターゲティング」と「モニタリング」のどちらでも可能です。ただ、今回紹介する広告の出し分けは「ターゲティング」設定で実施可能なのでターゲティング設定が意図通りの設定になっているか必ず確認しましょう。

Google の場合

RLSA を設定したい広告グループを選択し、「オーディエンス」タブを開きます。画面中央に表示される「オーディエンスを追加」ボタンか青色の鉛筆マークを選択し、オーディエンスの編集画面を開きます。

Google 広告管理画面 > 広告グループを選択 > オーディエンス

追加先が対象の広告グループになっていることと、「ターゲティング」にチェックが付いていることを確認します。そして、紐づけるリマーケティングリストを検索し、チェックを付けます。右枠に選択済のリスト名が表示されるので、リストに間違いがないか確認しましょう。

Google 広告管理画面 > 広告グループを選択 > オーディエンス > オーディエンスの編集

最後に、保存ボタンをクリックして完了です。

Yahoo! の場合

ツールから「ターゲットリスト管理」を開きます。

Yahoo!広告 > ターゲティングリスト管理

オーディエンスリストの一覧から、紐づけたいリマーケティングリストにチェックを付けます。次に、「関連付けの設定」から「広告グループに設定(配信)」を選択します。

Yahoo!広告 > ターゲティングリスト管理 > リマーケティングリストへチェック > 関連付け設定 > 広告グループに設定(配信)

対象のキャンペーンと広告グループを選択し、設定ボタンをクリックして完了です。

広告グループに設定(配信)> 関連付ける広告グループの選択 > 設定

リマーケティングリストを紐づけてみよう!

今回の記事で RLSA の機能だけではなく、自分が運用しているアカウントでの活用方法もイメージできたでしょうか。

RLSA の実装に悩んでいる場合、まずは成果を伸ばしたいキャンペーンや広告グループに「モニタリング」でリマーケティングリストを紐づけてみましょう。

紐づけた状態で配信することで、サイト訪問者の検索広告における実績を確認できるようになります。紐づけたオーディエンスにおける配信実績が良い場合、入札比率の調整や広告文の出し分けなどを検討してみましょう。

また、RLSA やリマーケティング配信を実施する方針ではなくても、いつでも配信できるように、タグの設定とリスト作成をおこなっておくと、すぐに活用できるので準備しておくと良いでしょう。

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この記事を書いた人

秋元 航平

秋元 航平

広告運用 コンサルタント

2019年4月に新卒で入社後、研修を経て運用チームに配属。配属後はtoB、toC等の案件を担当。常にクライアントニーズを察知するアンテナを張り、広告パフォーマンスで応えるよう尽力する運用者。趣味はお笑いと観賞(研究?)と謎解き。特に好きな芸人は東京03とバナナマン。

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