Instagram(インスタグラム)の「投稿の宣伝」は、オーガニックの投稿を広告として配信できる機能です。広告管理画面を使わなくても Instagram アプリから広告を出せるため、企業のInstagram アカウントを運用されている方にとって便利な機能といえます。
この記事では、 Instagram で利用できる「投稿の宣伝」機能のメリットや設定手順を紹介します。記事の最後では Meta 広告(Facebook、Messenger、Instagram、Meta Audience Network 上の広告)との違いも解説します。
Instagram の「投稿の宣伝」は、Instagram のアカウントで過去に投稿した内容をそのまま広告として配信できる機能です。
この機能の特徴は過去に投稿した「いいね」が多い投稿をそのまま広告として利用できる点です。一から自分で広告用のテキストや画像クリエイティブを作成する必要がないため、Instagram 広告を気軽に始められます。
「投稿の宣伝」には、以下のようなメリットがあります。
ここでは、それぞれについて具体的に解説します。
「投稿の宣伝」を使えば、以下の設定をするだけで広告配信ができます。
「投稿の宣伝」は Instagram アプリで上記の設定をするだけで広告を配信できるため、広告出稿が初めての方でも手間取ることなく設定がしやすいです。
以下は「投稿の宣伝」を使った実際の設定画面を左から手順に沿って並べたものです。わずか4項目で設定が完了するだけでなく、選択式の項目も多いため、初心者でも迷わず設定できることが分かります。
「投稿の宣伝」を使うことで、反応のよい投稿を広告に活用できるため、最初から成果が期待できる投稿を広告として配信できます。
例えば、投稿のいいね数や保存数が多い投稿はユーザーから関心が寄せられていると判断できます。そのため、ユーザーからのリアクションが多い投稿を広告として使用することにより、効果的な配信が見込めます。
また、「Instagram で広告を出したいけど、広告用クリエイティブの作り方が分からない」という悩みを持った方でも成果が見込める広告を配信できるため、広告配信を始めるハードルが低いことも特徴です。
投稿の宣伝は過去の投稿をそのまま広告として活用できるため、クリエイティブを一から作成することなく配信できます。
例えば、これまでに広告を作成したことがない場合、デザイナーに作成を依頼するなどでクリエイティブを用意する必要があります。この場合、作成指示書を書いたり、依頼から完成までに時間がかかったりと配信までの工程やコストが多くなります。
しかし、「投稿の宣伝」は過去の投稿を使用するためクリエイティブを一から作成する必要がなく、デザイナーへの発注も不要です。そのためコストや時間がかからず、スムーズに広告を配信できます。
さらにクリエイティブを入れ替える際にも、新たなクリエイティブを作らなくてよいため、複数パターンの広告を高い頻度で入れ替えて PDCA を早く回すこともできます。
「投稿の宣伝」は多くのメリットがある一方で、注意すべきこともあります。
注意すべきことは以下の2点です。配信前によく確認しトラブルが起きないようにしましょう。
ここでは、それぞれについて具体的に説明します。
投稿を広告として配信する場合は、配信した広告の量に応じて費用が発生します。
配信直前で予算の承認が取れず、広告が配信できなかった・・・といったトラブルを防ぐためにも、事前に社内での承認を得て広告予算を確保しておきましょう。
「投稿の宣伝」は1日150円程度の広告費でも配信できるものの、広告費が少なければリーチできるユーザー数も少なくなります。どの程度のユーザーへ配信したいかによって最適な予算を決めることが重要です。
また、予算設定画面では1日の広告費に応じた想定リーチ数が確認できるため、参考にしながら運用しましょう。
広告に用いる投稿に商品タグが付いている場合は、その商品タグが正常に機能しているかをこまめに確認しましょう。投稿内の商品タグにも媒体の審査が入るため、広告が審査落ちしていなくても広告に使用する商品タグが審査落ちしていると、広告も配信されなくなります。
商品タグとは、Instagram ショッピングで活用できるもので、画像に設置することで投稿内の画像から商品の EC ページに誘導できる機能です。
以下は、商品タグが付いた投稿のイメージです。
商品タグが審査落ちする理由として、そもそも規約に違反した商品であることや登録した商品の在庫がなくなっているなどがあります。
例えば、配信開始時は商品タグと投稿の宣伝を活用した広告が承認されていたにもかかわらず、途中で在庫がなくなり商品タグが審査落ちしたことで、気づかないうちに広告が配信されていないというケースもあり得ます。
広告の誤配信を防ぐためにも、商品タグを付けた投稿を広告に用いるときは、広告だけでなく商品タグが正しく機能しているかも注意しましょう。
「投稿の宣伝」を設定するには、ビジネスアカウントを使用する必要があります。ビジネスアカウントを持っていない場合は、先に作成しておきましょう。
ビジネスアカウントを作成する手順は以下の通りで、3分程度で完了します。
1. プロフィールから右上のハンバーガーメニューをタップ
2. 設定とプライバシー > アカウントの種類とツール > プロアカウントに切り替える
3. 宣伝したい商材に当てはまるビジネスカテゴリを選択し完了
「投稿の宣伝」の設定は Instagram アプリ内で完結します。ここからは具体的な設定方法を紹介します。
まずビジネスアカウントのプロフィールから宣伝に使いたい投稿を選択します。
投稿を選択すると、画像右下に「投稿を宣伝」ボタンがあるため、それをタップしましょう。
宣伝するための目標は「プロフィールへのアクセスを増やす」と「ウェブサイトへのアクセスを増やす」、「問い合わせを増やす」のうち、広告配信の目的に合ったものを選びましょう。ここでは「ウェブサイトへのアクセスを増やす」を例として進めます。
目標を選んだら、遷移させたいウェブサイトの URL を投稿に表示させる CTA ボタンを選択します。
次にオーディエンス設定です。女性向け商品などターゲットが元々決まっている商材であれば、「カスタムオーディエンスを作成」から対象となる性別や年齢を指定しましょう。ターゲットが明確にない場合は、自動を選択し最適化を図るのがおすすめです。
オーディエンス設定まで完了したら、最後に予算と広告の掲載期間を設定し、「投稿を宣伝」ボタンをタップすれば配信ができます。
ここまで解説した「投稿の宣伝」は Instagram アプリ内で完結する広告配信方法です。ただし、ターゲティングや広告の種類は限られており、より高度な広告配信となる Meta 広告と比較すると、利用できる機能が限られています。
「投稿の宣伝」と Meta 広告では異なる点は、大きく分けて以下の4つです。
Meta 広告との違いを以下の表にまとめました。
項目 | 投稿の宣伝 | Meta 広告 |
---|---|---|
設定できる ターゲティングの種類 |
・自動ターゲティング ・特定の趣味、関心 ・年齢、性別 ・地域 ※顧客リストを使った類似 オーディエンスなどは設定不可 |
・自動ターゲティング ・特定の趣味、関心 ・年齢、性別 ・地域 ・類似ユーザーや訪問ユーザーなどの カスタムオーディエンス |
選択できる広告の目的 | ・プロフィールへのアクセスを 増やす ・ウェブサイトへのアクセスを 増やす ・問い合わせを増やす |
・認知度 ・トラフィック ・エンゲージメント ・リード ・アプリの宣伝 ・売上 |
配信できる広告の配置 | ・Instagram ・Messenger ・Meta Audience Network ※さらにフィードやストーリーズなどの 表示面も選択可能 | |
配信できる広告の種類 | オーガニック投稿と同じ形式 (画像、動画、カルーセル) |
・シングル画像 ・シングル動画 ・カルーセル ・コレクション ・カタログ |
「投稿の宣伝」は、シンプルな設定で広告配信可能ですが、より細かく設定し広告配信したい場合は広告マネージャを使った Meta 広告での配信が適していると言えます。Meta 広告については下記の記事で解説していますのでこちらもご覧ください。
Meta広告の基本を凝縮!配信面やターゲティング、成果を出すポイントまで|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング
Meta 広告は Facebook や Instagram、Messenger などに配信される広告です。以前は「Facebook 広告」や「Instagram 広告」と呼ばれていましたが、2021年に Facebook の社名が「Meta Platforms, Inc(メタ・プラットフォームズ)」に変わったことを受け、広告も Meta 広告という名称に変わりました。変わったのは名称のみで、広告配信先に変更はありません。
投稿の宣伝は、広告用のテキストや画像などの準備が少なく始められることや、配信前から成果傾向を把握しやすいといったメリットがある便利な機能です。
一方で、広告として使いたい投稿の商品タグなど、配信するときに確認すべき内容もあります。
メリットや注意点、設定手順が分かれば、工数をかけずに気軽に広告配信できます。投稿の宣伝を正しく理解し、広告配信にチャレンジしましょう!
広告運用 コンサルタント
2020入社。大学でマーケティングを専攻→キーマケに入社し広告事業部に配属される。配属後2ヶ月で動画広告作成に携わる等、検索やディスプレイ広告以外も勉強中。趣味はギターと温泉。特に冬の露天風呂は至高。
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