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広告運用で「機会損失を防ぐ」ことがなぜ重要か?予算の効率化以外でコンバージョン数を大幅UPさせた事例

Web 広告の運用をしていると「CPA(コンバージョン単価)が高騰しているが、極限まで効率化しているため、これ以上の効率化は難しい」や「CV(コンバージョン)が頭打ちになっている」といった悩むケースが多くあると思います。また効率化ばかりに目を向けすぎて配信量が減ってしまったなどと思う方もいるのではないでしょうか?

こうした悩みを抱えている人に向けて、機械損失を防ぎながら、CV 数を増加させた具体的な方法や CV 数が増え、効率も UP した事例を紹介します。

また記事の最後には広告運用で使える機会損失をチェックできるシートもあるため、「効率化」や「CV 数の増加」で悩みがある方は最後まで見ていただけるとうれしいです。

機会損失を防ぐことのメリットと難しさ

広告運用における最適化には大きく「無駄の削減」と「機会損失を防ぐ」という2つの視点があります。「無駄の削減」と「機会損失を防ぐ」、それぞれの視点には下記の違いがあります。

観点 メリット 難しさ
無駄の削減
  • 広告費を効率化できる
  • データで判断しやすい
  • やりすぎるとビジネスが
      縮小する
  • 特定の媒体や訴求に一極化
      するリスクがある
  • 機会損失を
    防ぐ
  • 小さな発見や簡単な取り組みで
      CPAが大きく改善することがある
  • ビジネスの拡大につながる
  • 集客手法を分散できる
  • 無駄が発生するリスクがある
  • 目に見えないので気が付き
      にくい
  • 意識的に取り組まないと
      実現できない
  • 上記のような特性上、目に見えにくい「機会損失を防ぐ」のは難易度が高いと思いますが、ビジネスが拡大するので、その分リターンが大きいです。ただ、広告運用では、目に見えやすい「無駄」を削減し、効率化をするという意識が強く働いてしまい、「機会損失を防ぐ」を後回しにしてしまうことはありませんか?

    また、代理店だとクライアントのニーズ、自社運用だと社内の意見で広告配信直後から配信をしていない領域があると思います。

    はじめは難しいかもしれませんが、こうした目に見えにくい「機会損失」に気づけるだけでも、運用者の価値を示す第一歩になります

    機会損失を防ぐことの重要性

    機会損失とは以下の2つの例のように「本来得られる利益を逃したことで発生した損失」のことです。

    • CV する可能性が高いキーワードを登録していなかったため、登録していたら発生していた CV を逃してしまう
    • ディスプレイ広告を配信せず、検索広告のみで配信している。リーチできた CV ユーザーを配信をしていないことによって逃してしまう

    広告運用において上記2つのような機会損失を防ぐと、以下3つの成果を見込むことができます。

    1. CV 数を増やすことができる
    2. CPA 低下につながる可能性がある
    3. リスクを分散できる

    ここからは3つの成果について具体的に紹介します。あまり機会損失を意識したことがない方やできていないなと感じている方はぜひ参考にしてください。

    1.CV 数を増やすことができる

    特に今まで配信していなかった媒体で配信すると、今までの配信では発生することのなかった CV が発生します。もちろん、CV 数が増加すれば、売り上げ UP につながり、ビジネスも大きくなります。

    2.CPA 低下につながる可能性がある

    CPA が低くとれるユーザーにリーチができれば、全体の CPA を低下させることができ、全体の広告費用を抑えつつ、より多くの成果を得ることもあります。

    特に低い CPA で CV が発生するキーワードで配信ができていない場合はキーワードの配信を強化していきましょう。

    3.リスクを分散できる

    機会損失を防ぐために、幅広い広告媒体で配信すると、どこかの箇所が悪化してもほかの媒体で補完する余地があります。

    逆に範囲をしぼって配信をすると悪化したときにほかの部分に配信を寄せることができないため、悪化の影響をダイレクトに受けてしまいます。

    機会損失を防ぎ、コンバージョン数を大幅アップした事例

    それでは実際に機会損失を防ぎ、CV 数を増加させた事例をご紹介します。自分のアカウントは現状どうなっているかを思い出しながら読み進めていってください。

    1. PC のみから PC とスマートフォンでも配信
    2. スマートフォンのみからスマートフォンと PC でも配信
    3. 配信媒体を追加
    4. スケジュール設定を緩和

    事例1.PC のみから PC とスマートフォンでも配信

    toB 商材ということもあり、PC のみで配信をしていました。

    ただ、本当に PC 以外での CV が付かないのかを疑問に思い、Google アナリティクスでオーガニック経由の CV 数を確認しました。するとそこそこのCVが発生していたため、広告でもスマートフォンへの配信に挑戦してみました。 

    デバイスCVCPA
    スマートフォン40¥17,500
    PC35¥14,285
    PC とスマートフォンでも配信した結果
    ※顧客情報保護のため、実際の運用結果に一部改変を加えたうえで掲載しています。

    結果、PC より多くの CV を発生させることができています。またスマートフォンでは、PC 程の CPA で獲得ができなかったものの、許容 CPA 以内で CV が獲得でき、CV 数増加に大きく貢献しました。

    ▼Googleアナリティクスの使い方はこちらから

    【画像で解説】Googleアナリティクス4の設定方法。広告運用者であれば最低限知っておきたいこと|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    2020年10月に生まれ変わったGoogleアナリティクス。通称GAは、Googleが提供する無料のWebサイト解析ツールとして多くの方が使用しています。広告運用者でも最低限知っておきたいことや基本的な設定方法を画像つきで解説したので、入門編として記事を読んでもらえたら幸いです。基本的な設定や使い方を理解したら、応用として自分の欲しいデータを見れるように設定をカスタマイズしていきましょう。

    事例2.スマートフォンのみからスマートフォンと PC でも配信

    事例1と逆のパターンで、toC 商材でかつ LP(ランディングページ)もスマートフォン向けだったのもあり、スマートフォンのみで配信していたアカウントがありました。こちらに関してもデバイスの制限を緩和して、PC へ配信しました。

    配信結果として、許容 CPA 内で CV 数を増加させることに成功しています。

    デバイス広告費CVCPA
    スマートフォン¥200,00025¥8,000
    PC¥50,0005¥10,000
    スマートフォンのみからスマートフォンと PC でも配信した結果
    ※顧客情報保護のため、実際の運用結果に一部改変を加えたうえで掲載しています。

    ちなみに今回の事例の場合は50代以上がターゲット層だったため、老眼などの影響でスマートフォンではなく、画面の大きな PC で見るケースがあると予想して PC への拡張を実施しました。

    このように実際に目には見えないユーザーの心理や行動を想像することも、機会損失を発見する手がかりになります

    ▼シニアマーケティングの記事はこちらから

    これだけで分かるシニア層向けマーケティング 広告やサイト制作の7つのポイントも解説|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    シニア層向けマーケティングは、65歳以上の高齢者層(シニア世代)を主な対象として、製品やサービスの開発、プロモーション活動などをおこなうマーケティング手法です。

    事例3.配信媒体を追加

    検索広告のみで配信をしていると、検索広告だけでは CV 数が頭打ちになってしまうというケースもあります。そのような場合、媒体を追加して、今アプローチできていないユーザーに広告配信をするのもおすすめです

    今回の事例では予算を伸ばして CV を伸ばしていきたいものの、検索広告にこれ以上予算を投下しても CV が見込めず頭打ちしていると考えました。そのため、Meta 広告を活用して、今アプローチできていないユーザーに広告配信をしました。

    メニュー広告費CVCPA
    検索広告¥2,100,000180¥11,667
    Meta 広告¥500,00040¥12,500
    配信媒体を追加した結果
    ※顧客情報保護のため、実際の運用結果に一部改変を加えたうえで掲載しています。

    今回のケースだと検索広告とほぼ同等の CPA 感で CV を獲得できており、全体的な CPA を悪化させずに広告費を増加できています。

    ▼Google 広告の種類や選び方はこちらから

    Google広告の種類と賢い選び方をプロが解説!5段階の目的に合わせて選択しましょう|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    Google には8つの広告の種類がありますが、どれか1つを配信しておけばよいという訳ではありません。それぞれの特徴を理解したうえで、自社の状況に最も適している広告から始めましょう。

    ▼Meta広告の基本はこちらで記載

    Meta広告の基本を凝縮!配信面やターゲティング、成果を出すポイントまで|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    Meta 広告は Facebook や Instagram、Messenger などに配信される広告です。以前は「Facebook 広告」や「Instagram 広告」と呼ばれていましたが、2021年に Facebook の社名が「Meta Platforms, Inc(メタ・プラットフォームズ)」に変わったことを受け、広告も Meta 広告という名称に変わりました。変わったのは名称のみで、広告配信先に変更はありません。

    事例4.スケジュール設定を緩和

    toB 商材だと人が働いている時間のみにしぼって広告配信をするケースも多いと思います。この事例でも toB 商材のため、9:00~18:00のみと時間を制限していたアカウントがありました。

    しかし、残業しているときに情報収集をしたり、人によっては家に帰ってから仕事をするやフルフレックスなど働き方が多様していると考え、スケジュールを緩和してフルタイムで配信しました

    時間別で見てみると、9:00~18:00以外でも CV が発生しており、今までの配信では取れなかった CV が発生しています。

    時間帯広告費CVCPA
    9:00~18:00¥300,00020¥15,000
    9:00~18:00以外¥100,0005¥20,000
    スケジュール設定を緩和した結果
    ※顧客情報保護のため、実際の運用結果に一部改変を加えたうえで掲載しています。

    ▼スケジュール設定の方法についてはこちらから

    リスティング広告で曜日や時間帯別にオン/オフや入札単価調整をする方法|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    リスティング広告で任意の日時に広告を配信したい場合、スケジュール設定(Google 広告)/曜日・時間帯ターゲティング(Yahoo!広告)を使用します。曜日・時間帯(15分)ごとの配信/停止の設定や入札の強弱ができる機能です。

    ここまで 4つの事例をご紹介しましたが、機会損失を防ぐことで以前の配信では獲得できなかった CV がこれだけあります。この CV 数を半年、1年そして3年と長期で考えるとかなりインパクトは大きいことがわかると思います。

    機会損失チェックリスト

    先ほど述べたように目には見えないので、機会損失が発生していないか考えながら運用するのははじめは難しいと思います。

    広告運用をこれから始める方やより効率的な運用をしたい方に向けて機会損失が発生しやすい内容のチェックリストを作成しました。

    この表を見ながら機会損失がないか確認して、機会損失が発生していそうな箇所があればアクションを打っていきましょう

    チェック項目 チェック内容 具体的な調査内容
    キーワード
  • 成果のでそうなキーワードの
      登録が漏れていないか
  • 検索ボリュームが多い
      キーワードの登録が漏れて
      いないか
  • お問い合わせ内容やレビューを
      参考にユーザーが持っている
      ニーズや悩みを調査して、
      検索ワードを考える
  • ラッコキーワードや
      キーワードプランナーで有効な
      キーワードを探す
  • 時間帯 時間帯を絞りすぎていないか
  • Google アナリティクスで
      広告で配信していない時間帯で
      CV が発生していないか
  • 実際のお問い合わせや購入の
      時間帯を集計する
  • デバイス
  • 現在配信していないデバイス
      では CV が発生するか
  • 特定のデバイスに配信量が
      偏りすぎていないか
  • Google アナリティクスで広告で
    配信していないデバイスでCVが
    発生していないか
    地域 地域を極端に絞りすぎていないか Google アナリティクスで広告で
    配信していない地域で CV が
    発生していないか
    除外キーワード 過去に除外登録したキーワードで CV につながりそうなワードが
    ないか
    媒体/
    配信メニュー
    今配信していない媒体や
    配信メニューで CV 見込みは
    ないか
    メイン顧客がよく使う検索エンジンや SNS などをヒアリングする
    オーディエンス
    ターゲティング
    性別や年齢などを絞りすぎて
    いないか
    広告対象外の性別や年齢で実際の
    お問い合わせや購入がないか
    予算 CV見込みがあるにも関わらず、予算キャップがかかってしまっているキャンペーンがないか

    機会損失を防げる運用者は価値のある運用者になれる!

    本記事では「機会損失を防ぐ」ことの価値や実際の事例までご紹介しました。

    「機会損失」に意識が向いているのと向いていないとでは「機会損失」に気づける可能性が大きく変わってきます。

    ついついどう無駄の削減し、効率化していくかということに意識が向いてしまう人も今後は意識的に「現在の配信では機会損失が発生していないか」「もっと効率の良いキーワードやターゲティングがあるのではないか」と考えるようにしていきましょう。

    ぜひ今回の記事だけでなく、キーマケのブログでは分析の仕方や分析の際に使うツールの使い方に関する記事もあります。あわせて確認しながら機会損失を防いで CV 数を最大化していきましょう。

    ▼機会損失と無駄を見抜くときに使いたい!分析4原則についてはこちら

    Web広告の分析で身につけたい「分析4原則」とは?陥りがちなミスと分析の具体例を解説|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    未経験でも一定以上の質の分析ができる「分析4原則」は、ざっくり把握・最小単位・比較・時系列の4つがポイントです。

    ▼サーチコンソールの使い方についてはこちらから

    ▼Google 広告のオークション分析についてはこちらから

    競合他社の出稿状況を手軽に知れる「Google広告オークション分析」とは?|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    Googleのオークション分析とは、Google の検索広告とショッピング広告における競合企業との掲載結果の比較ができるデータを指します。表示 URL ドメインやインプレッションシェア、広告の重複率、上位掲載率、ページ上部表示率、ページ最上部表示率、優位表示シェアの7つの指標が確認できます。

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    記事を書いた人

    岡野 央暉
    岡野 央暉

    広告事業部 マネージャー

    2021 年に新卒入社。中学生の時から理系科目が得意で、そのまま理系大学に入学。今までは「できること」を優先してきたが、仕事は「やりたいこと」を優先したいと思い、Web 広告業界を目指すことに。そろばんを習っていたことから計算が得意。趣味はゲームで、誘われたら必ずやる。

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