Instagram広告

Instagramカルーセル広告とは?効果的な訴求事例や設定方法を解説

Instagram を利用していると、スワイプして複数枚の画像が見られる広告を1度は目にしたことがあると思います。さまざまな洋服や製品の使い方などを複数の画像で見られる「カルーセル広告」は、ユーザーにとっても情報を多く得られるためメリットがあります。

特に画像や動画を中心とした SNS の Instagram では、ストーリーズやフィードでカルーセル広告が表れても、違和感を覚えるユーザーは少ないかと思います。今回の記事では、Instagram のカルーセル広告の特徴や掲載場所から、カルーセル広告だからこそできる訴求方法、実際の設定方法まで紹介します。

Instagram でカルーセル広告を検討中の方はぜひ参考にしてください。

Instagram カルーセル広告とは

Instagram カルーセル広告とは、Instagram 広告のフォーマットの一つです。複数の画像や動画を最大10枚設定できます。さらに、画像や動画ごとに CTA(Call To Action:コールトゥアクション)を表示でき、個別の見出しとランディングページを設定できます。

Instagram 広告は Facebook 広告の管理画面で設定するため、カルーセル広告を配信する際は Facebook 広告の管理画面から入稿作業をおこないます。

複数の画像や動画を組み合わせることができるので、画像や動画を1枚だけで配信するよりも多くの訴求や情報をユーザーに伝えられます

また、画像や動画ごとに CTA ボタンが設定できるため、画像や動画を表示しながらユーザーに行動を促すことができます。各画像や動画に別々の CTA ボタンを設定できませんが、見出しや遷移先(ランディングページ)は画像や動画に合わせてカスタマイズできます。

他媒体と Instagram カルーセル広告の違い

カルーセル広告は Instagram 広告だけでなく、 Twitter 広告や LINE 広告、Google ファインド広告などさまざまな広告媒体で利用できる形式です。

どの広告媒体でも複数の画像や動画を設定できる点は同じですが、細かな違いがあります。各媒体と Instagram カルーセル広告で異なる点を3つ紹介します。

1. 画像ごとに設定できるのは見出しとランディングページ

Instagram カルーセル広告は、画像や動画ごとに個別で設定できるものが「見出し」と「ランディングページ」のみです。そのため、説明文や CTA は共通のものが表示されます。設定する説明文や CTA は、どの画像や動画とセットになっても違和感のないものを考える必要があります。

2. 設定できる画像や動画は10点まで

Instagram カルーセル広告は画像や動画を10点まで設定できます。他の媒体のカルーセル広告の設定可能枚数と同じなので、他の媒体で成果のいカルーセル広告を Instagram 広告でそのまま使うことができます。しかし、Twitter 広告のみ最大枚数が6枚なので、Twitter 広告のカルーセル広告を転用する場合は、注意が必要です。

媒体設定できる枚数
Instagram 広告2~10枚
Facebook 広告2~10枚
Google ファインド広告2~10枚
LINE 広告2~10枚
Twitter 広告2~6枚
各媒体のカルーセル広告で設定できる画像・動画の数

3. 画像や動画の順番が最適化される

Instagram のカルーセル広告の画像や動画の順番は、デフォルトでパフォーマンスがいいものから優先して配信する仕組みになっています。もし任意の順番で配信したい場合(順番で見せることに意味がある場合)は、チェックを外す必要があります。

カルーセルカードの設定画面

一方で、LINE 広告や Twitter 広告では画像や動画の順番を指定する必要があります。指定した順番以外で広告が配信されることはありません。

Instagram カルーセル広告の配信面

Instagram カルーセル広告は下記の4つに配信されます。

  • Instagram フィード
  • Instagram 発見タブ
  • Instagram ストーリーズ
  • Instagram リール

Instagram フィードでは、フォローしている人ユーザーの投稿やアクションに基づく投稿などと同じ形で広告が表示されます。

複数枚の画像や動画を設定しているので、画像や動画の下に青い点が表示され、「Learn More」や「詳しくはこちら」などの CTA もセットで配信されます。

カルーセル形式のフィード広告と遷移先のアプリダウンロード画面

Instagram 発見タブは、Instagram の画面下部にある虫眼鏡マークをクリックすると閲覧できます。キャプチャのようにいろんな投稿が表示されている画面が発見タブです。発見タブでの広告は一覧からではなく、表示されている投稿をクリックし画面を上にスワイプすると他の投稿に混ざって出てきます。

発見タブ内での広告の見え方
画像引用元:発見タブ広告|Instagram

Instagram ストーリーズでのカルーセル広告は、Instagram 上部のフォローしているユーザーの投稿したストーリーズを見ている間に差し込まれて表示されます。

ほかのフィードなどとは仕様が異なり、表示される枚数が最大10枚から3枚に減ることに注意が必要です。一定の時間がたつか、画面をタップすることで次の画像や動画が表示されます。

Instagram リールは Instagram の画面下部にある動画マークをクリックすると閲覧できます。画像を入稿していても、配信時はスライドショーのように動画形式で表示されます。

Instagram ストーリーズ広告でのカルーセル広告の表示例
画像引用元:Meta広告マネージャの目的のアップデート │ Meta 広告

Instagram カルーセル広告の活用シーンと事例

Instagram カルーセル広告は、無形サービスや機能が多い製品、多品種を扱う EC サイトを運営する事業者に向いています。以下では、そういった商品や EC サイトを運営する方のために Instagram カルーセル広告を活用シーンを事例とともに4つ紹介します。

  1. 複数の機能をそれぞれ説明する
  2. 使い方などの手順を順番に説明する
  3. 複数の商品を広告配信する
  4. ユーザーのニーズをもとにストーリーを作って説明する

活用シーン1. 複数の機能をそれぞれ説明する

複数の画像や動画を用いることで、商品の機能を余すところなく紹介することが可能になります。

機能説明は内容が細かくなるほど文字が増えてしまうため、1枚の画像で訴求すると情報量が過多になり、視認性が低くなります。しかし Instagram カルーセル広告を利用すれば、1つの機能を1つの画像や動画で説明できるので、よりわかりやすいクリエイティブを作れます

1枚目の画像や動画でユーザーの興味や関心をひき、2枚目以降でさらに欲しくなる情報を提供できれば、コンバージョンの確率はグッと高まります。

事例:機能紹介をした結果、1枚画像よりもコンバージョン率が約29%良化

特定の趣味がある人向けの SNS アプリのダウンロードを促す広告では、1枚の画像クリエイティブだけでは魅力や機能を説明しきれず、コンバージョン(ダウンロード)に繋がりませんでした。

しかし、Instagram カルーセル広告で画像ごとにアプリの機能を一つずつ説明するクリエイティブを配信したところ、配信当初からコンバージョン(ダウンロード)に繋がり、目標 CPA を下回る結果になり、1枚画像のときと比べると、コンバージョン率は15%から29%まで良化しました。

このようにカルーセル広告であれば、より多くの機能を伝え、ユーザーに利用イメージを持ってもらうことができます。

活用シーン2. 使い方などの手順を順番に説明する

複数の画像や動画を設定できる特徴を生かし、商品の使い方やサービスの利用フローなどを細かく説明するクリエイティブも作成できます。複数の画像や動画で使い方を訴求することで、説明が難しい部分もユーザーに伝えることができます。

また、画像や動画ごとに見出しも変更できるため、使い方の補足を記載してさらに魅力をアピールできます。

事例:ヘアアイロンの使い方を画像1枚ずつで説明

ヘアアイロンの使い方をカルーセル広告で配信することで、商品を使うイメージを伝えた事例の紹介です。複数の画像で商品を使ってできることを順番に伝えました。ユーザーは、自分が使うイメージが湧きやすく、使用後にどんな髪型になるのかもイメージできます。

このように使用前後がわかる写真や動画を用いることが、カルーセル広告を活用するうえでは重要です。

画像引用元:カルーセル広告の7つの活用法 | Meta for Business

活用シーン3. 複数の商品を広告配信する

Instagram カルーセル広告を利用すれば、複数の商品を1つの広告で配信できます。画像や動画ごとに ランディングページを変更できるため、各商品の詳細ページに直接遷移させることも可能です。

Instagram カルーセル広告で複数の商品画像を設定し、ランディングページをそれぞれの商品詳細ページにすることで、コンバージョンまでの導線を最短にできます。

事例:売れ筋の商品画像を複数利用し、カタログのような見せ方で配信

商品数が多いアパレルの EC サイトでは、売れ筋商品を1つのカルーセル広告にまとめて、ページをめくるような広告で配信しました。

この形式にすることで、ユーザーの興味や関心が向かない商品があっても別の商品で気を惹くことができます。

売れ筋商品だけでなく、アイテムごとやコーディネートの系統など、ジャンルごとにカルーセル広告を作成することで、1つの商品に興味を持ったユーザーに類似商品を見せることで、さらに売上に繋がりました。

活用シーン4. ユーザーのニーズをもとにストーリーを作って説明する

カルーセル広告では、ストーリー性のあるクリエイティブを作ることもできます。

ターゲットユーザーが持っているニーズを1枚目に記載し、以降にニーズを満たせるような商品やサービスの訴求を入れることで、より商品やサービスのメリットを感じてもらいやすくなります。

訴求するニーズが共感できるものであれば、ターゲットユーザーに響く広告を配信できます。

事例:1枚目で興味を惹き、2枚目以降で働くメリットを訴求した求人広告

Instagram カルーセル広告で配信した求人広告の事例を紹介します。通常の求人広告は求人媒体や転職サイトに掲載されることが多いですが、珍しい職種だとなかなか応募者が集まりません。

しかしカルーセル広告を使うと、1枚目の画像で職種に興味をもちそうなターゲットの手を止めることができます。そして2枚目以降で働くメリットを訴求し、応募を促せます。

職探しの潜在的なニーズに働きかけることで、Instagram のカルーセル広告でも求人募集を配信できます。

Instagram カルーセル広告の入稿規定を守ってクリエイティブを作成しよう

Instagram の入稿規定はフィードとストーリーズで分かれています。Facebook とは違いストーリーズに配信するときの枚数や画像サイズに制限があるため、注意が必要です。

また、見出しとランディングページ以外の説明文や CTA は画像や動画ごとに個別で設定できないため、どの組み合わせても違和感のないものを設定する必要があります。

入稿規定項目詳細
設定できる画像、動画の最小数2枚
設定できる画像、動画の最大数10枚(ストーリーズの場合は3枚)
アスペクト比1:1(フィード)
9:16(ストーリーズ)
解像度1080 x 1080ピクセル(フィード)
1080 x 1920ピクセル(ストーリーズ)
画像のファイル形式.jpg/.png
画像の最大ファイルサイズ30 MB
動画の長さ60秒以内(フィード)
15秒以内(ストーリーズ)
動画の最大ファイルサイズ4 GB
テキスト125文字以内
ハッシュタグ30件以内
参考:カルーセル広告のデザイン仕様 | Meta ビジネスヘルプセンター

Instagram カルーセル広告の設定方法

Instagram カルーセル広告の配信手順を説明します。通常の Facebook 広告の作成方法とほとんど変わりません。

広告の階層を開き、フォーマットを「シングル画像または動画」から「カルーセル」に変更します。

広告設定

次にクリエイティブのカルーセルカードに設定したい画像や動画、見出し、詳細、ランディングページ を設定します。下記の画像がカルーセルカードです。

カルーセルカード

画像・見出し・ランディングページの組み合わせをここで設定します。

カルーセルカードの下にある「カルーセルの最適化」という項目にチェックを入れることで、パフォーマンスのいいカルーセルカードを最初に配信できます。自分が設定した順番以外に配信したくない場合は必ずチェックを外しておきましょう。

自分が設定した順番以外に配信したくない場合は必ずチェックを外しておきましょう。

広告設定 > カルーセルカード > カルーセルの最適化

後は通常の広告と同じようにメインテキストなどを設定し、公開すると配信可能になります。

また、Instagram だけに広告を配信したいときは広告グループの階層にある配置を確認してください。

手動配置を選択すると、配信するプラットフォームを選択できます。Instagram だけに配信したい場合は、Instagram のチェックボックスのみ選択しましょう。

広告設定 > カルーセルカード > カルーセルの最適化

ただ、広告グループ単位での変更のため、グループの広告全てが Instagram だけに配信されます。広告グループ内に Instagram に配信したい広告と Instagram 以外にも配信したい広告が混ざっている場合は、広告グループを分ける必要があります。

Instagram カルーセル広告の特徴を活用して、新しいクリエイティブ提案に活用しよう

Instagram カルーセル広告は、機能の細かい説明や手順、ストーリー性のある訴求などさまざまな活用方法があります。1枚画像のときよりも、情報量が増える分、ユーザーへの見せ方もこれまで以上に幅が広がります。

新しいクリエイティブの提案に悩んでいる方や、Instagram 広告を配信してみたい方は、この記事を参考にぜひ試してみてください。

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記事を書いた人

あやか
あやか

広告運用 コンサルタント

2020年4月に新卒入社。5月末から広告運用事業部に配属。就職して初めてPhotoshopをさわってから、広告画像を作るのが特に好き。趣味はUSJに行くことと推しを推すこと。

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