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CVR(コンバージョン率)とは?業界別平均と改善の6つのチェックポイント

未経験で Web マーケティング業界に入った方や、突然自社のマーケティング担当になった方が、まず始めに直面する課題が「用語の多さ」ではないでしょうか。同じ意味の言葉でもカタカナ表記と英語表記があった場合はさらに混乱しますよね。

わたしも入社してすぐはなかなか覚えられず、主な用語をまとめた付箋をデスクに貼っていました。

覚えるべき用語はたくさんありますが、今回は CVR(Conversion Rate=コンバージョン率)について、意味や計算方法、CVR の改善方法まで紹介していきます。

CVR(Conversion Rate)とは

CVR とは Conversion Rate の略で、広告のクリック数やサイト訪問者数のうち何件がコンバージョンしたかの割合のことを指します。CV 率やコンバージョン率などと記載されることもあります。

コンバージョン(Conversion)は元々、変換・転換という意味を持ちます。Web マーケティング業界では、自社の目標としているものへ対して、ユーザーが行動(アクション)を起こして、売上に繋がる見込み客へ転換したことをコンバージョンと呼んでいます。

EC サイトであれば購入、toB 向けのサービスであればお問い合わせや資料請求、メルマガ登録、ホワイトペーパーのダウンロードなどがありますが、業種やサイトによってコンバージョンの定義は異なります。

CVR の計算方法

CVR は以下の計算式で求めることができます。

CVR(%)=コンバージョン数÷広告のクリック数×100

例えば、広告が100回クリックされた時にお問い合わせが1件発生すると、CVRは1%(=1÷100×100)と表されます。

Google 検索広告と Facebook 広告の業界別 CVR 平均

Google 検索広告と Facebook 広告の業界ごとの CVR の平均値を、Word Stream のデータをもとにまとめました。広告出稿の際や、配信している広告の CVR が良いのか気になる方は参考にしてください。

ビジネスカテゴリGoogle 検索広告の平均 CVR
アート&エンターテインメント5.9%
動物とペット19.1%
アパレル/ファッション&ジュエリー3.6%
弁護士および法務サービス11.5%
自動車—販売中6.5%
自動車—修理、サービス、部品15.2%
美容&パーソナルケア7.7%
ビジネスサービス6.7%
キャリアと雇用5.3%
歯科医&歯科サービス13.8%
教育と指導6.1%
金融と保険5.5%
家具3.2%
ヘルス&フィットネス10.3%
ホーム&リノベーション13.2%
インダストリアル&コマーシャル9.3%
パーソナルサービス10.5%
医師と外科医19.15%
不動産3.9%
レストラン&フード6.8%
ショッピング、収集品、ギフト6.7%
スポーツ&レクリエーション6.1%
トラベル6.0%
参考:New Data! 2021 Paid Search Advertising Benchmarks for Every Industry|Word Stream
業界Facebook 広告の平均 CVR
美容とフィットネス11.6%
ビジネス&インダストリアル10.6%
ファイナンス8.9%
食べ物飲み物3.9%
趣味とレジャー2.9%
ホーム&ガーデン7.0%
インターネット&テレコム10.0%
仕事と教育12.8%
ニュース2.1%
人と社会5.6%
ペットと動物3.2%
不動産10.6%
化学11.0%
参考:Facebook Ad Benchmarks for YOUR Industry [2019]|Word Stream

CVR 改善のためのチェックポイント

先ほどの表を見て、平均よりも低かったという方や、最近 CVR が下がってきていてどうにかしたいとお困りの方もいるかもしれません。続いてどうすれば CVR が改善するのかを説明していきます。

CVR を改善するにはランディングページの改善広告の改善でそれぞれやるべきことが異なります。

改善をおこなう前提として、コンバージョンポイントに近いところから着手します。そのため、まずは広告ランディングページの改善から始めます。また、コスト(費用や工数)が少なく、改善インパクトが大きいと思われる箇所からおこなっていくのが基本です。

ランディングページの改善

まずはランディングページ側で改善できるポイントから着手します。ユーザーはランディングページ(=サイト)を見て、コンバージョン(購入や問い合わせなど)を決めるため、CVR はサイトの影響を大きく受けます。

そしてランディングページの中でも、フォーム入力やカートページといったコンバージョンに近い箇所から手を付けることをおすすめします。コンバージョン手前まで進んだのにも関わらず、コンバージョンしなかったユーザーは、確度が高いユーザーだと考えられるためです。

サイトの構造によってコンバージョンまでの動線が多少異なりますが、コンバージョンしなかったユーザーを大きく3つのパターンに分けて改善策を考えてみましょう。

  1. サイトに遷移し、フォームまで進んでいるのに問い合わせをしない
  2. サイトに遷移し、いくつかのページやコンテンツを閲覧したが、フォームに遷移しない
  3. サイトに遷移したが、すぐに離脱してしまった

今回は toB 商材でよくある「お問い合わせ」をコンバージョンポイントにしているサイトを例に説明していきます。

1. フォームまで進んでいるのにコンバージョンしない場合は、フォームの内容を見直す

フォームに遷移しているのに、コンバージョンしない場合は、フォームの内容を見直しましょう。

サービスを利用したかったのに、問い合わせをしようとしたら必須項目が多くて途中で入力をあきらめてしまったり、限られた決済方法しかなくて購入の意思が消えてしまったりした経験が、みなさんもあるのではないでしょうか。

フォームを入力するハードルが高いと、せっかくのコンバージョンを逃してしまう可能性があります。そんな理由でコンバージョンを逃すのはもったいないですよね。

実際に自分で操作して入力しづらい項目や不要な項目を探したり、日常生活で「このフォームは入力しやすくていいな」と思ったものを取り入れてみたりして改善を進めてみましょう。

なお、下記にフォーム離脱原因になりがちな項目と対処法を記載しますのでよければ参考にしてください。

課題改善例
必須項目が多い本当に必要な項目だけ必須項目にする
メールアドレスや電話番号などが自動で英数入力に切り替わらない自動で切り替わるよう設定する
郵便番号を入力したのにはじめから住所を記入しないといけない郵便番号で自動取得できるようにする
英数字の全角・半角を強制されるユーザーに全角・半角を強制しない
メールアドレスをドメイン前後で分けて入力させられるメールアドレスの入力箇所は1つにまとめる
パスワードの条件が分かりづらい例や条件を入力箇所の上下どちらかに書いておく
送信ボタンを押したあとにエラーの警告が出てくるエラーは都度表示させる

2. フォームに遷移しない場合は、ページの体裁や中身を修正する

次にサイトに流入したもののフォームに遷移しなかったユーザーに対するアプローチです。この場合は、ページの体裁と中身の両軸での改善が必要です。

まずは、比較的工数が少なく、すぐに手をつけやすいページの体裁から改善を進めます。ページの体裁を改善すると言っても、いきなりサイトのデザインを変えるという話ではなく、フォーム入力画面へ遷移するボタンの配置や色、サイズなどの工数が少なく済むものから着手します。

フォームボタン以外にも、ユーザーが購入や契約するまでの動線が分かりやすくなっているかや、文字サイズが適切かなども改善ポイントとして挙げられます。サイト全体をユーザー視点で見て、どこが問題になっているかをピックアップして改善に努めましょう。

商品やサービスに興味をもったのに、どこから問い合わせ(または購入)したらいいのかわからなかったユーザーがいるとしたら、フォームボタンを目立たせて改善できないかを検討してみます。

目立たせる方法として、ボタンを大きくしたり、色を変えたり、フッターやヘッダーに固定をして、いつでもフォームボタンをクリックできるようにするなどがあります。いきなりフォームボタンを真っ赤にするといったことはせずに、サイト全体のトンマナにあわせて調整します。

フォームボタンの改善や購入・契約までの動線、文字サイズなどの体裁の面で問題がないと思われる場合は、次にページの中身の見直しをおこないましょう。

なぜなら、ユーザーがコンバージョンするための十分な情報がなかったり、商品・サービスが欲しいと思えなかったりして、フォームに遷移していない可能性が考えられるからです。ユーザーにコンバージョンしてもらうためには情報量や伝える順番が重要になってきます。

たとえば広告の運用代行を検討しているユーザーであれば、成果を出してくれるのか/どれくらい実績があるのか/料金形態がどうなっているのかなどは最低限知りたい情報だと思います。

もしそれらの情報がサイトに載っていなければ、その場ですぐに問い合わせをすることはおそらくないでしょう。

どんなユーザーが流入してくるのか想定し、ユーザーの悩みや疑問を解消できるコンテンツが必要になります。どんな情報が必要になるのかは、商品やサービスによって異なります。もし悩まれる場合は、弊社が使っている購買決定要因(Key Buy Factor:KBF)をまとめたものを参考にしてみてください。

購買決定要因(Key Buy Factor:KBF)

3. サイト訪問したがすぐに離脱している場合は、ファーストビューを見直す

サイトに訪れてすぐ離脱してしまうユーザーの中には、誤タップにより間違ってサイトに訪問してしまった、パッと見て自分のニーズとマッチしないことが分かった、パッと見て何のサイトかわからなかったなどに分類されるのではないでしょうか。

1つ目と2つ目の場合は、狙っているお客様ではないので契約や購入に繋げるのは難しいですが、3つ目のパターンの場合は、ファーストビューを分かりやすくすることで改善できます。

分かりやすくするためには、意味が通りづらいかっこいいコピーを並べない、英語表記にしないなど凄くシンプルです。

ファーストビューでは、端的に何のサービスなのか、どんなメリットがあるのかを見せることが重要です。その結果ユーザーはページ内で用意している他の情報を読み進めてくれます。

▼ランディングページの改善方法の詳細はコチラ

広告の改善

ランディングページによって CVR は大きく変わると説明してきましたが、広告で呼び込んだユーザー次第で CVR が変わることもあります。

1. 配信しているキーワードを見直す

前提として、検索しているキーワードによって、ユーザーの意図は異なります。例えば、お茶の通販サイトを運営している場合、「お茶」と「お茶 通販」2つのキーワードの CVR を比較すると、おそらく後者のキーワードの方が CVR が高いはずです。

なぜなら「お茶」という検索語句には購入を検討する以外に、習い事のお茶やお茶の種類、効能を調べているなど、多くの検索意図が含まれているからです。

そのため、様々な検索意図を含む「お茶」と、ある程度検索意図が絞られる「お茶 通販」では、サイトに流入するユーザー層に違いがあるため CVR に差が生じます。

現在、配信しているキーワードの中で、どのキーワードの CVR が高いのか、どんなキーワードでコンバージョンしているのかを確認して、削除や追加を検討しましょう。

2. 広告とランディングページの組み合わせを見直す

ユーザーが興味を持って広告をクリックしたものの、ランディングページの内容が思い描いていたものと違うと CVR が下がることがあります。

極端な例ですが、りんご通販の広告をクリックした先でぶどうを売っていたとしたら「りんごがほしいのに…」と思って離脱しますよね。

ここまで極端でなくとも、広告とランディングページがマッチしていないと自分向けのサービスではないと感じて離脱してしまう可能性があります。以下のような組み合わせに心当たりがあれば見直しを検討してください。

  • 広告の運用代行を探している人向けの広告なのに、インハウスマーケター向けの講座紹介のランディングページ
  • 男性向け化粧品のバナー広告なのに、ランディングページでは女性が化粧品を紹介している

3. サイトに流入しているユーザーがターゲットかを確認する

最後に、広告でサイトに呼び込んでいるユーザーと自社がお客様としたいユーザー(ターゲット)と一致しているかを確認してみましょう。検索広告の場合は、検索語句から、ディスプレイ広告の場合は、年齢や性別などからある程度ターゲットを予測することができます。

たとえば、競合他社と比べると品質重視で価格帯が高めな商品なのに「格安」や「激安」含む検索語句のクリック数が多ければ、安さを重視したユーザーがサイトに流入してしまっていると考えられます。

この場合、「格安」や「激安」の検索語句を除外登録したり、もしくは広告文で高品質であることを訴求して安さを重視するユーザーのクリックを減らしたりするなどの対応が必要です。

ただし、除外をおこなうことで機会損失が発生する可能性もあるため、それらの検索語句でコンバージョンに繋がっていないのか確認し、十分に検討してから実施するのがよいでしょう。

また広告文で高品質を謳っても、全てのユーザーがしっかり広告を読んでクリックしているわけではないため、安さを重視するユーザーが必ずしも入ってこなくなることはありません。除外キーワード登録も、広告文の追加もそれぞれの影響を理解したうえで対策を取るようにしてください。

▼除外キーワード選定のコツはコチラ

広告運用フェーズ別の「除外キーワードの考え方」とは?マッチタイプの使い分けや4つの注意点を解説

除外キーワードとは、特定のキーワードで検索された時に広告を表示されないようにする機能です。除外キーワードを活用すると無駄な広告配信を減らすことができ、結果的にCPAをさげることができます。自社の商品・サービスのフェーズによって異なる考え方があるので、あわせて確認してみてくだい。

言葉の意味をさくっと覚えて、CVR の改善までできるようになろう!

CVR の言葉の意味から、改善方法までを説明しました。Web マーケティング業界では覚えることが多く、横文字が覚えられない身としては最初かなり苦労した記憶があります。ぜひこの記事で CVR を覚え、改善方法まで活用していただければうれしいです。

今回、説明した CVR も含めた広告用語と略語は下記の記事にまとまっているので、ぜひこちらもご覧ください。

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記事を書いた人

そのはた
そのはた

広告運用 コンサルタント

2016年12月に九州の佐賀支社に入社。市役所でアルバイトしてたのに、気が付いたら広告運用を始めて、気が付いたら東京にいた人。新しい施策考えるのがすき、広告作成はもっとすき。絵心皆無のクリエイティブ担当。すきなものはカロリーと寝ること。

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