広告を運用する際に、必要なのはノウハウやスキルだけではありません。広告アカウントの操作方法を把握しておくことで、ノウハウやスキルを活かしてスムーズに広告運用ができます。
この記事では、Meta 広告を始めることになった運用初心者向けに、Meta 広告マネージャについて操作方法を画像付きでわかりやすくお伝えします。また、混同しやすい Meta Business Suite との違いも解説します。
Meta 広告マネージャは、Facebook や Instagram、Messenger の広告運用に使われるツールです。
広告の作成から掲載場所や掲載期間の管理、配信した結果のパフォーマンス確認がこれ一つでできるため、広告配信の振り返りや成果改善のためのアクションを検討する判断材料としても活用できます。
iOS、Android それぞれに対応した専用のモバイルアプリもあるため、外出先でも配信状況のチェックができ、広告テキストの修正が必要になった場合もすぐに編集できます。
Meta 社が提供するプロモーション関連ツールとして、Meta Business Suite(メタビジネススイート)と Meta ビジネスマネージャがあります。
Meta 広告マネージャと名称が似ているため混同されやすいですが、それぞれ役割が異なります。
項目 | Meta 広告マネージャ | Meta Business Suite | Meta ビジネスマネージャ |
---|---|---|---|
概要 |
Meta 広告の作成、 管理、分析ができる |
Facebook とInstagram を一括管理できる | 複数アカウントを管理できる |
主な 用途 |
作成 |
管理 ジの一括管理 分析 |
権限管理 |
対象 | 広告運用担当者 |
|
扱う広告担当者 |
主な 機能 |
|
管理 マンス確認 |
整理 |
画面の 特徴 |
広告作成、編集に特化した画面 | 投稿管理やインサイト確認がしやすいダッシュボード形式 |
権限管理や設定に重点を置いたシンプルな 管理画面 |
Meta Business Suite については、以下の記事もあわせてご覧ください。
Meta Business Suiteとは?使い方とビジネスマネージャとの違い、ログイン方法を紹介|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング
Meta Business Suite は、Meta 社が提供している Facebook と Instagram を一括管理できる無料のツールです。
Meta 広告マネージャでできることは以下の6つです。
ここではそれぞれの詳細を1つずつ解説していきます。
Meta 広告マネージャでは、Facebook や Instagram などに配信できる広告の作成(入稿)や編集ができます。
広告を構成する要素には、画像や動画などのメディア、見出し、メインテキスト、説明文、コールトゥアクション、リンク先があります。
認知、獲得などいずれの目的で広告配信する場合でもユーザーとの最初の接点となるため、ターゲットを踏まえて適切な内容で構成しましょう。
また、配信中の広告でもリアルタイムで編集ができます。そのため、配信内容に誤りがあったり、更新が必要な箇所があったりした場合はすぐに修正して配信することも可能です。
広告の掲載場所には Facebook と Instagram、Messenger、Audience network の4つがありますが、Meta 広告マネージャを使うと広告セットごとに広告の掲載場所を設定できます。
Facebook だけや Instagram だけなどプラットフォームごとに選択したり、Facebook フィード、Instagram ストーリーズなどの細かい配信枠の指定もできます。配信後でも変更できるため、成果を踏まえて配信先をしぼってみるのもおすすめです。
また、広告セット単位での配信スケジュールも設定できます。配信期間が決まっている場合は開始日時と終了日時を設定しておくと意図しない配信を防げます。
特に配信期間が決まってない場合は、終了日時は設定不要です。
Meta 広告マネージャ内の「イベントマネージャ」では、広告の成果を判断するために設定するコンバージョンを設定できます。
Meta 広告では「ピクセル」というベースコードをランディングページ内に設置することで、あらゆる成果を計測できるようになります。
ベースコードを設置したら、あとはイベントマネージャ内の「カスタムコンバージョン」欄で計測ポイントを指定するだけです。この設定をおこなうことで、広告経由の各コンバージョン数を計測できるようになります。
広告配信の目的は認知や獲得などのケースによって異なりますが、いずれの場合も数値の変化を追うことには変わりません。配信目的を踏まえてコンバージョンポイントを定めて計測しましょう。
Meta ピクセルの設定方法などに関する詳しい解説は、こちらの記事も参考にしてみてください。
【初心者必見】Meta(Facebook)ピクセルとは?設置方法と動作確認まで徹底解説|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング
Meta ピクセル(旧:Facebook ピクセル)とは、商品の購入や問い合わせのような Web サイト内でユーザーが取った行動を計測するため、サイトに設置する JavaScript コードです。
Meta 広告マネージャでは、実際に配信した広告の成果も確認できます。確認できる項目はインプレッション、クリック数、広告費、コンバージョン数などさまざまです。
成果の確認だけではなく、パフォーマンスが悪化した際に改善点を見つける分析としても活用できます。
キャンペーンや広告セット、広告単位で数値を確認できるため、慣れてきたら配信先や時間別など細かく分けて見てみましょう。
「アカウント概要」からざっくりとした傾向だけ確認するのもおすすめです。ここでは過去7日間のコンバージョンや広告費の確認、配信中の広告に関する推奨事項が表示されます。
ここで確認できる情報は、現在の広告アカウントの課題感の把握や改善アクションの検討材料として参考になるので、活用していきましょう。
配信結果などを資料にまとめる際には、Meta 広告マネージャのレポート機能を活用してカスタマイズするのがオススメです。
レポート機能の画面をキャプチャすれば他の人に共有もできます。ただし、広告マネージャに慣れていないと重要なポイントが分からないため、分かりやすいデータに調整してから共有するようにしましょう。
レポート画面では複数のレポートテンプレートを作成できるため、定期的に使用するフォーマットはテンプレート化しておくと便利です。
Meta で使用した広告費の支払いに関しても、広告マネージャ内の「請求と支払い」から設定できます。
日本で選べる支払方法はクレジットカードとデビットカード、PayPal の3つです。カードによっては取引できる上限金額があるため、広告費を通常より多く投下した月などがあれば、請求日とともにカードの上限金額も確認しておきましょう。
また、カードの有効期限が切れている場合も支払いできません。カードを更新したらアカウントの支払い設定の更新も忘れずにしておきましょう。
Meta 広告マネージャは、広告主側で開設作業をおこなう必要があります。初めて作業する方だと操作に迷うところも多いと思うので、以下の手順に沿って開設してみてください。
まずは、広告マネージャのタブから「設定」を選択します。
次に、左側のタブ「アカウント」内の項目から「広告アカウント」を選択し、「追加」をクリックします。あとは、画面の表示に従って新しい広告マネージャ(広告アカウント)を作成していきましょう。
広告マネージャには、広告の入稿・配信管理以外にもいくつか機能があります。Meta 広告を効率的に運用するために覚えておいた方がよい機能もあるので、まずはそれを簡単に紹介します。
まず、広告マネージャには、設定した広告の管理状態を確認するメニューとして「アカウント概要」や「キャンペーン」、「広告レポート」、「オーディエンス」、「請求と支払い」、「広告設定」、「イベントマネージャ」があります。それぞれのメニューでできることは以下の通りです。
メニュー | 内容 |
---|---|
アカウント概要 |
広告パフォーマンスに関する推奨、配信キャンペーンのトレンド (過去7日間の傾向)が確認できるため、アカウントの健康状態を ざっくり把握できる |
キャンペーン |
広告パフォーマンスをキャンペーン別、配信面別など細かく確認 できるため、配信結果の分析に活用できる |
広告レポート |
配信結果を Excel 形式などで出力できるため、社内外への報告や 共有の際に活用できる |
オーディエンス |
サイト訪問ユーザー、顧客リストなど広告の配信先を絞るために 利用するユーザーリストを作成・管理できる |
請求と支払い | 広告費用の支払い方法の設定、支払い履歴の確認などができます |
広告設定 |
広告作成に関する設定を確認・設定できる項目で、 「Advantage+クリエイティブ」「オーディエンスのセグメント」「データセットとピクセル」などにアクセスできる |
イベントマネージャ | 広告パフォーマンスを図る指標のイベントに関する設定を管理でき、任意の成果計測であるカスタムコンバージョンも設定できる |
広告運用に携わる方は、広告を入稿したり配信パフォーマンスを確認できたりするキャンペーン画面を触る機会が多いため、ここからはキャンペーン画面の操作方法を紹介します。
以下の画面はキャンペーン画面を開くと最初に表示されます。閲覧したい項目を選択することで、自分好みにカスタマイズすることも可能です。
今回は、この画面で操作できる項目を番号に沿って紹介します。
表示するキャンペーンや項目の絞り込みができます。停止しているキャンペーンを非表示にしたり、共通する文言を含むキャンペーンだけを表示したりできます。
「検索とフィルター」と書いてある検索窓をクリックすれば、フィルタリングの設定もできます。
キャンペーンや広告セット、広告の3つから表示する階層を選択できます。入稿する際には、最初にこの階層のボタンを押して作業を進めていきましょう。
配信する広告の作成や内容の編集ができます。新規で広告を作成したい場合は、緑色の「作成」を押すと作成できるようになります。
すでに作成した広告を複製し、一部を変更して新しい広告を配信したい場合は「複製」を押しましょう。作成した広告の内容はそのままで、編集したい部分のみ変更できるのでオススメです。
広告を複製したくない場合は、編集したい広告にチェックボタンを押して「編集」を押しましょう。
フィルターなどで指定した内容が実際に表示されます。各項目にあるプルダウンや空いている箇所を押すと、キャンペーン名や配信量での並び替えもできます。
列の編集では、表示する項目の変更や追加が可能です。カスタマイズした表示列をプリセットとして保存できるため、よく使う表示はカスタムして設定しておきましょう。
「内訳」では特定の指標を細かく分割できます。日にちや配信面、年齢など細かい単位で配信パフォーマンスを確認できるので、ぜひ活用してみてください。
配信結果や設定を出力する際に利用する機能です。レポートはあらかじめ用意されているテンプレートだけでなく、自分でカスタマイズしたものも使えます。
レポートは csv もしくは Excel 形式で出力できるので、用途に合わせて出力時に選びましょう。
表示している期間における指定した指標の推移をチャート形式で表示できます。各階層ごとにまとめて表示や一部のみ選択して表示もできます。
確認したいキャンペーンや広告セット、広告にチェックを入れることで、チャートが表示されます。
配信結果を表示する期間を指定できます。
今日や先週、過去30日間など選択できますが、「カスタム」から任意の日時で期間指定もできます。配信したすべての累計を確認したい場合は「最大」を選択しましょう。
現在表示している画面を保存できる機能です。フィルタリングや項目、期間などを細かく設定していて他の表示にしたあと、また同じ表示に戻る可能性があれば、ビューの保存をオススメします。
ビューを保存しておくと、一回一回表示設定の細かい作業をしなくてもいいので、作業時間が短縮されて効率的に分析できます。
最新の状況を確認したい場合は、キャンペーン情報を更新しましょう。
操作せずにしばらく同じ表示にしていると、その間に更新された情報が反映されていない可能性があります。配信パフォーマンスの数値を正確に把握するためにも、作業時間が開いた場合は更新しておきましょう。
広告の入稿や編集、設定変更の内容を反映させるためには必ず「公開」ボタンを押しましょう。
広告マネージャ上での操作はすぐに反映されないため、誤った内容で配信されるまえに確認できるメリットがあります。一方で、公開のための操作を忘れてしまうと配信内容には反映されないため注意しましょう。
広告マネージャは、権限がないとアクセスできないため、アクセス権がない場合は管理者権限を持つユーザーに以下の方法で権限を付与してもらいましょう。
権限付与は、Meta 広告の「設定」から「広告アカウント」を選択します。表示が運用している広告アカウント名であることを確認して、右上の追加ボタンをクリックします。
画面の指示にしたがって操作を進めると、付与対象のユーザー宛てに招待リクエストが届きます。リクエストを承認すると広告マネージャへアクセスできるようになります。
権限の種類は以下の5つがあり、管理者によって付与できる権限も違うので確認しておきましょう。
役割 | 管理者 | 広告管理者 | アナリスト |
---|---|---|---|
広告の表示 | 〇 | 〇 | 〇 |
レポートの表示 | 〇 | 〇 | 〇 |
広告の作成と編集 | 〇 | 〇 | |
支払い方法の編集 | 〇 | ||
管理者権限の管理 | 〇 |
最後に、Meta 広告マネージャまわりでよくあるトラブル3つとその対処法を紹介します。
Meta 広告マネージャにログインできない理由として挙げられるのは以下の3つです。
パスワードが分からない場合は、ログイン画面にある「パスワードを忘れた場合」から再設定しましょう。
アカウント制限については Meta のサポートへの問い合わせ、キャッシュや Cookie は一度クリアにし、ブラウザの更新をおこなって再度アクセスしてみましょう。
広告マネージャ上で確認したい広告が見当たらない場合は、前に広告マネージャを開いたときのフィルタリングが掛かっていないかチェックしましょう。
一度、フィルタリングをすべて解除し、すべて表示された状態から確認したい項目を選択することで確認ができるようになります。
また、他のユーザーによって該当のキャンペーンや広告が削除された可能性もあります。どうしても該当の広告が見当たらない場合は、削除済みのものが表示されるようにフィルタリングして確認してみましょう。
Meta アカウントは持っているものの、広告マネージャにアクセスできない場合はそもそもアクセス権を付与されていない可能性があります。
これまでアクセスできていて、急に入れなくなってしまった場合は他のユーザーによって誤って権限を削除されてしまったかもしれません。
本記事の「権限付与のやり方」を参考に、管理者権限のあるユーザーにアクセス権を付与してもらいましょう。
Meta 広告マネージャは、入稿以外の機能や操作箇所が多く、使いこなすのが難しいと感じてしまう方もいると思います。しかし、各機能を理解し上手く活用することで広告の成果向上に繋げられるため、まずは何ができるのかという視点で広告マネージャに触れてみましょう。
この記事を読みながら、実際に広告の入稿や配信チェックをしながら、各機能を活用できそうなシーンを考えてみてください。
また、キーワードマーケティングでは Meta 広告について解説している記事がほかにもあります。もっと詳しく Meta 広告について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
Facebook広告|キーマケのブログ|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング
Meta 広告の Audience Network(オーディエンスネットワーク) は、Facebook や Instagram 以外の、Meta 社が連携しているモバイルアプリの広告枠を指します。管理画面上では「Audience Network」、公式ヘルプでは「Meta Audience Network」と記されています。
マーケティング
2019年4月に新卒で入社後、研修を経て運用チームに配属。toB、toC等の案件を担当した後、セールスチームに異動となる。趣味はお笑いと観賞(研究?)と謎解き。特に好きな芸人は東京03とバナナマン。
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