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広告運用マネージャーが教えるミス予防術。広告配信時やタスク管理、クライアント対応時に確認したい10のこと

キーマケ編集部

編集部

キーマケ編集部

2023.09.08

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「人間誰しもミスはつきもの」ですが、わかっていても発生してしまうのがミスです。事前に防げた些細なミスも、クライアントを巻き込んでしまう大きなミスも、発生してしまうと追加の対応に追われ余計な時間がかかってしまいます。また、時間的なコストを要するだけでなく、落ち込んで気持ち沈むと、立ち直って本来のパフォーマンスを発揮できるまで時間がかかってしまうこともあります。

広告運用の世界にも「よくあるミス」は存在します。1~2年目の不慣れな若い広告運用のスタッフはもちろん、経験をある程度積んだ3年目以降のスタッフでも、部下の教育や何件もの案件を同時進行で担当する中で、忙しさに追われ全てを確認しきれずにミスにつながってしまうことも珍しくありません。

気持ちが落ち込む要因には、他にも「広告のパフォーマンスが悪化したとき」や「解約連絡が来たとき」も考えられますが、パフォーマンスや解約の都合には、仮説と配信結果のズレや先方の都合など一概に「自分のせい」にはできない外的要因も考えられます。一方で、確認漏れや注意不足などの未然に防ぐことができたであろう「ミス」は、自分次第でゼロにすることも可能です。

そこで今回は、日々の広告運用業務で得た知見を社内で共有する弊社のイベント「社内カンファレンス」にて、「ミスをしないために心がけていること」というテーマで発表された内容の一部をお伝えします。発表をした広告運用歴10年を数えるスタッフでもいまだに、ミスを防ぐための最大限の確認努力をおこなっているそうです。広告運用者視点の「ミスを防ぐ方法」ですが、業種を問わず参考にできる内容になっています。

ミスが起きやすい3つの状況

ミスを防止する方法を紹介する前に、ミスの種類を確認しましょう。大きく分けると以下の3つに分類できます。

  • 広告配信時
  • タスク管理
  • クライアントワーク

広告配信時のミスとは、管理画面を操作して広告配信を設定するときに発生しやすいミスを指します。具体的には、予算設定やターゲティング、配信地域、スケジュールといったものから広告のテキストや画像内の誤字脱字まであります。

次にタスク管理のミスは、自分が担当するタスクに関するもののことです。社内やクライアントとのミーティングでの決定事項の対応漏れや期限の確認など、実際に手を動かす前の段階で発生しやすいミスがあります。

クライアントとのコミュニケーションのミスは、広告配信の目標や予算、期日といったクライアントとの合意事項の確認をするときに発生しやすいもののことです。タスク通りの業務をこなせていても、クライアントとの合意事項に齟齬があるとせっかくの業務が無駄になってしまいます。

広告運用マネージャーが教えるミスが起きやすい状況での10個の予防術

ミスが起きやすい状況を確認したら、それぞれの状況でミスを防ぐ方法を解説します。広告配信時、タスク管理、クライアントワークでチェックしたいことは以下の10個です。

  1. キャンペーン予算金額の設定
  2. Google 検索広告の「ディスプレイネットワーク」の設定がオフになっているか
  3. Google ディスプレイ広告のターゲティングがモニタリングになっていないか
  4. GDN(Google Display Network)の「最適化されたターゲティング」がオフになっているか
  5. 広告テキスト・クリエイティブの誤字脱字、リンク先 URL、配信地域とスケジュール
  6. 社内ミーティングでの決定事項や、クライアントからの依頼をすぐに Todo リストに入れる
  7. 帰る前に必ずやり忘れがないか確認
  8. 配信期間が決まっている広告はカレンダーのリマインドで管理
  9. 期日や予算、目標をあいまいにせず、テキスト化して合意をとる
  10. 作成したクリエイティブはクライアントに直接確認してもらう

初歩的なものも含みますが、広告配信時はダブルチェックや確認する習慣を身に付けることが大事です。タスク管理での注意事項は、広告配信に限らない内容ですが、今一度おさらいしましょう。タスク管理へと落とし込む前にクライアントとの認識を合わせることも、後で大きなミスにつながるリスクを回避するための大事な作業です。忘れずに確認しましょう。

1.キャンペーン予算金額の設定

まずは、決められたキャンペーンの予算の設定に間違いがないか確認しましょう。予算設定のミスとして、桁違いや思い違いや入力ミスによる過多や過少などが考えられます。

想定予算を超えて使ってしまう予算超過はもちろん避けたいですが、予算以下の金額設定により十分に広告が配信されないことも防ぎたいです。

そのためキャンペーンの予算設定は必ず確認してから配信を開始しましょう。

2.Google 検索広告の「ディスプレイネットワーク」の設定がオフになっているか

Google の検索広告を配信するときは、「ディスプレイネットワーク」がオフになっているか確認しましょう。「検索ネットワーク」の設定の際に、「ディスプレイネットワーク」はオン/オフの切り替えができます。

「ディスプレイネットワーク」がオンのまま広告を配信すると、検索広告だけでなくディスプレイ広告の掲載面にも広告が配信されてしまいます。

商材によっては検索広告のほうが CPA がいいケースもあるため、意図しないディスプレイ広告も配信してしまうとパフォーマンスが悪化してしまう懸念があります。余計な広告を配信して成果を悪化させてはもったいないです。

「検索広告と同時にディスプレイ広告も配信したい」という明確な意図がない限り、意図しないネットワークがオンの状態になっていないか確認しましょう

3.Google ディスプレイ広告のターゲティングがモニタリングになっていないか

他にも、ディスプレイ広告の配信時には、ターゲティング設定が「モニタリング」になっていないか確認しましょう。

Google ディスプレイ広告でリマーケティング広告を配信する場合、設定したユーザーにのみ配信する「ターゲティング」か、指定したユーザーの動向を観察する「モニタリング」かを選択して配信します。

「モニタリング」は、今後の施策を考えたいときに役立つ機能でデータ分析に役立ちますが、「モニタリング」設定したユーザーを含む全てのユーザーに配信されてしまいます。

管理画面 > ターゲット設定(クリックで画像拡大)

ターゲティングしたいユーザー層が明確な場合に、「モニタリング」設定で広告配信をしてしまうと、ユーザーの母数が増え余分な広告費を使ってしまい、リターゲティング設定のない配信になります。リターゲティングで配信をしたい場合は配信設定が「ターゲティング」になっているか確認しましょう。

ターゲティングとモニタリングのイメージ図

4.GDN(Google Display Network)の「最適化されたターゲティング」がオフになっているか

Google ディスプレイ広告を配信する場合は、「最適化されたオーディエンス」がオフになっているかも確認しましょう。

「最適化されたオーディエンス」とは、Google のシグナルがコンバージョンに至る可能性が高いと判断したユーザーへ向けて、広告グループで設定したターゲットよりもリーチの幅を広げて配信するターゲティング方法です。

シグナルとは、個々のユーザーやオークション時の背景を特定するための属性のことです。

参考元:スマート自動入札について │ Google 広告ヘルプ

リマーケティング目的の広告配信時に「最適化されたターゲティング」がオンになっていると、リーチするオーディエンスの幅が広がってしまい、無駄に予算を消化してしまうことに繋がります。

明確な目的があってオンにする場合を除いて、「最適化されたオーディエンス」がオフになっているか確認しましょう。

▼最適化されたオーディエンスの詳細はこちら

Google広告の最適化されたターゲティングとは?オーディエンス拡張との違いや使用時の注意点

Google広告の最適化されたターゲティングとは、Google 側のシグナルによりコンバージョンに至る可能性が高いユーザーに対して、広告グループで設定しているターゲティングよりもリーチを広げ配信をおこなうターゲティング手法です。ディスプレイ キャンペーンやファインド キャンペーン、目標で「販売促進」、「見込み顧客の獲得」、「ウェブサイトのトラフィック」を使用している動画キャンペーンで使用できます。

5.広告テキスト・クリエイティブの誤字脱字、リンク先 URL、配信地域とスケジュール

広告配信の設定と合わせて、広告のテキストやクリエイティブに誤字脱字がないか、リンク先の URL は正しいページがきちんと表示されるか、そして、配信地域とスケジュールにも設定間違いはないか確認しましょう。

これらのケアレスミスも広告のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。誤植や誤った URL を含むクリエイティブの質は悪くなり、パフォーマンスに影響します。想定スケジュールを過ぎてしまうなどのスケジュールの管理ミスは、予算を集中的に投下できなかったり、予算超過につながる可能性があります。手を抜かずに確認しましょう。

6.社内ミーティングでの決定事項や、クライアントからの依頼をすぐ Todo リストに入れる

毎日おこなうルーティンやイレギュラーな対応にかかわらず、抜けや漏れがないようタスクは Todo リストに追加しましょう。

納期や締め切りに合わせて1日のスケジュールがきまることもありますが、社内でのミーティングやクライアントとの打ち合わせの中で、新たなタスクや業務依頼が発生することもあります。

そんなときは、タスクの抜けや漏れがないよう、その場で Todo リストに追加しましょう。後回しにすると、「Todo リストにタスクを追加する」という余分なタスクが生まれてしまい効率が悪くなってしまいます。

7.帰る前に必ずやり忘れがないか確認

タスクを全て Todo リストで管理しても、作業を忘れてしまったら意味がありません。作業にやり忘れがないか帰る前に Todo リスト をチェックする習慣をつけましょう。

Todo リストはやることが一覧化でき便利ですが、タスクの量が増えると見落としてしまうこともあるかもしれません。せっかく Todo リストに全てのタスクを追加できても作業しなければ、追加した意味がなくなってしまいます。

終業前の15分など毎日同じ時間にリマインダーをカレンダーに設定し、日々のタスクをダブルチェックして、Todo リスト内のタスクを無事に全て終えることができたか確認しましょう。

8.配信期間が決まっている広告はカレンダーのリマインドで管理

日々のタスク管理と合わせて、配信期間が決まっている広告のオンオフの切り替えも忘れずに確認しましょう。配信期間が決まっている場合は、スケジュールを管理しているカレンダーのリマインダーを設定しましょう。設定することで、忘れずに配信停止の対応ができます。

9.期日や予算、目標をあいまいにせず、テキスト化して合意をとる

クライアントから依頼された期日や予算、目標はあいまいにせずミーティングの場で明確にすることを心がけましょう。

「後ほど共有します」と言われたものの、返事がないままに配信が始まってしまうことも少なくはありません。後から言質を確認しても、「言った/言わない」問題はキリがなく関係が悪化してしまうことも考えられます。

広告配信の前提条件であり、重要な要素になる「期日や予算、目標」は明確にして、後で見返して確認できるようにテキスト化して残しておきましょう。

10.作成したクリエイティブはクライアントに直接確認してもらう

作成した広告文やクリエイティブはクライアントに直接確認してもらいましょう。配信開始直前になって「イメージと違う」と言われてしまっては、費やした時間やコストが無駄になってしまいます。

クライアントが NG 表現を設定している場合はクリエイティブ作成前に確認したり、作成したクリティブは配信前にクライアントに問題がないか確認を依頼して二度手間にならない効率のいい方法で作業をすすめましょう。

ミスを未然に防いで、心身ともに気持ちよく仕事を!

ミスを防ぐための項目をまとめてみました。上記の項目を意識するだけでもミスが発生するリスクを回避できます。

案件を任されるようになったばかりで不安な人も、部下を持つようになり思うように自分の案件に時間をさけない人にも参考になれば幸いです。ミスを最大限減らして前向きな気持ちで毎日の業務に向きあいましょう。

記事を書いた人

キーマケ編集部

モットーは、分かりにくいを分かりやすく。Web広告の知識に長けた編集陣が、リスティング広告やSNS広告などの運用型広告の最新情報、Webマーケティングのノウハウを分かりやすく解説します。

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