運用型広告

ベテランが解説!Amazon広告とは?種類と運用開始に必要な3つのこと

2008年からキーワードマーケティングに在籍し、以降10年以上広告運用に携わっている小島です。今回は Amazon 広告について基本的なことを説明いたします。

2020年、Amazon の日本事業の円建て売上は2兆円を超えています。まさに破竹の勢いです。

この売上には、EC 以外の売上も含まれたりしていますので、楽天など他の EC プラットフォームとは単純に比較はできません。

しかし、時系列で比較しても2019年から27.9%も増加しており、他の EC プラットフォームを寄せ付けない勢いです。

画像引用元:アマゾン日本事業の売上高は約2.2兆円【Amazonの2020年実績まとめ】| ネットショップ担当者フォーラム

このような状況にあると、 EC 事業者にとって Amazon への出品はもはや無視できない存在になっています。流れに乗って、すでに Amazon に出品されている方も多いのではないでしょうか。

一方で出品はしているものの「Amazon 広告は出稿していない」という話もよく聞きます。しかし設定などは難しくなく、Yahoo! や Google で検索広告を設定・運用した経験が少しでもあれば、すぐに始めることができるのです。

Amazon というプラットホームが全体的にうなぎ上りの勢いなので、Amazon に出店・出品するだけで、この波に乗って売上を伸ばせるはずです。

出品しているのに売上が伸びていないのであれば「商品がお客さまに見つかっていない」可能性もあります。チャンスの中で機会損失を起こしていたら非常にもったいないですよね。

チャンスを最大限に活かし、お客さまに自社の商品を見つけていただくためにも、広告出稿を検討してみてはいかがでしょうか。この記事では、まずは Amazon 広告の概要をお伝えしたいと思います。

Amazon 広告とは?

Amazon 広告とは、Amazon が提供している広告などを含んだプロモーションに関するツールの総称です。

その中で、いわゆる「広告」といえるものは6種類です。ただし、現時点では「音声広告」というメニューは日本では使えませんので、日本国内で使える「広告」メニューは5種類となります。

Amazon 広告(広告を含むプロモーションツール)

上記の Amazon 広告は、基本的に Amazon に出店・出品されていることが前提であるため、Google 広告や Yahoo! 広告のように広告代理店が簡単に出稿提案できないのが現状です。

そのため代理店は具体的提案がしづらい、もしくは運用できる担当者を育てづらいという問題を抱えているかもしれません。しかし、Amazon 広告の出稿自体はけっしてハードルの高いものではありません。

技術的には、Google や Yahoo! で検索広告を設定、運用した経験が少しでもあれば、すぐに始めることができます。

Amazon 広告の種類

純粋に広告といえるもの、いえないものを含めて、Amazon 広告のメニューとして載っているものは12種類あります。以下、これらをまとめたものです。(2021年3月時点)

広告分類 種類 日本での出稿可否 内容 課金方式 掲載場所 出品の必要 フォーマット 始め方 運用方法(制作) ターゲティング方法
広告といえるもの スポンサープロダクト広告 検索広告 クリック課金 Amazon検索結果、商品詳細ページ 必要 商品詳細からの自動作成 広告キャンペーンマネージャーから 自社(セルフサービス) キーワードによるターゲティング(マニュアル/オート)
スポンサーディスプレイ広告
(FireTV向けは不可)
ディスプレイ広告 クリック課金 Amazon内外(ただし、日本ではAmazon内のみ) 必要(ブランド登録も必要) 商品詳細からの自動作成 広告キャンペーンマネージャーから 自社(セルフサービス) ・商品ターゲティング
・オーディエンス(興味・関心)
・リマーケティング
スポンサーブランド広告 ディスプレイ広告 クリック課金 Amazon検索結果 必要(ブランド登録も必要) テキストと商品数点 広告キャンペーンマネージャーから 自社(セルフサービス キーワードによるターゲティング(マニュアル/オート)
Amazon DSP ディスプレイ広告 インプレッション課金 Amazon内外問わず色々な場所 不要 動画、音声、画像とテキスト Amazonに問い合わせ> Amazonのエキスパートが運用
動画広告(Amazon OTTとオンライン動画) 動画広告 形式と掲載枠によって異なる Amazon内外 不要 動画 Amazonに問い合わせ 自社/Amazon
音声広告(β版) 音声広告 インプレッション課金
※最低予算あり
Amazon Musicの無料サービス 不要 音声 Amazonに問い合わせ 自社/Amazon
広告といえないもの
(ツールやサービスなど)
ストア Amazon内のWebページ 無料 (Amazon内) 必要 ブランド申請後、セラーセントラルなどから 自社
カスタム広告ソリューション プロモーション全般のコンサルティングサービス 不明
問い合わせ必須
Amazon内外 不要 動画など Amazonに問い合わせ Amazonのエキスパートが構築
Amazonアトリビューション(β版) 効果測定ソリューション 無料 (Amazon外のプロモーションの効果測定) 必要 専用コンソールから 自社(代理店)
Amazon Live ライブストリームでのプロモーション 無料(製作費は別)
詳細は要問い合わせ)
Amazon内 必要 ストリーム動画、チャット Amazonに問い合わせ 自社/Amazon
Posts(β版) SNSのような投稿 無料 Amazon内の関連、内容と関連の高い場所 必要 画像とテキスト 不明 自社
Sizmek Ad Suite 広告の作成・運用を統合したツール 不明
要問い合わせ
不明
(広告そのものではないため)
不明 不明 Amazonに問い合わせ 不明

参考:Amazon Advertising

これらのうち「スポンサープロダクト広告」、「スポンサーディスプレイ広告」、「スポンサーブランド広告」の3種類は、まとめて「スポンサー広告」と呼ばれています。

スポンサー広告

「スポンサー広告」(スポンサープロダクト広告、スポンサーディスプレイ広告、スポンサーブランド広告)は「セルフサービス広告」と位置付けられています。

セルフサービス広告とは、広告キャンペーンマネージャーから広告主が自分で広告出稿できるメニューを指します。

セルフサービスと言われるだけあって、スポンサー広告は簡単に広告出稿が可能です。なので Amazon 広告を始める際は、まずはスポンサー広告から始めるのが良いでしょう。

またスポンサー広告は全てクリック課金です。 Yahoo!広告や Google 広告などでおなじみの課金方式ですので、始めやすいかと思います。

まずはこれら3種類のスポンサー広告の詳しく紹介します。

スポンサープロダクト広告

スポンサープロダクト広告は、Yahoo!広告、Google 広告の検索広告同様、設定したキーワードが検索されると表示される広告です。以下のページ以外にも、検索結果の横や下部など、また場合によっては商品詳細ページなどにも表示されます。

Amazon 広告「スポンサープロダクト広告」:左 PC 、右 モバイル

広告は商品詳細ページに入力されている情報を基に作成されます。表示された広告をクリックすると、その商品詳細ページに飛ぶ仕組みになっています。

Amazon 商品詳細ページ

Amazon に出品だけしている場合でも出稿できますが、小口出品の場合には出稿できません。

画像引用元:出品にかかる費用|Amazon より一部加工

小口出品とは、成立した取引ごとに商品1点ごとに100円の基本成約料とその他手数料(販売手数料とカテゴリー成約料)が発生する出品形態です

大量出品のためのツールや Amazon マーケットプレイス Webサービス(Amazon MWS)の API 機能を利用する必要性がないのが特徴です。詳細は以下の Amazon のページで確認してください。

参考 : 料金プラン|Amazon

スポンサープロダクト広告のターゲティング方法

ターゲティングはキーワードを用いた以下の2種類です。

  • マニュアルターゲティング
  • オートターゲティング

「マニュアルターゲティング」では、 Yahoo!広告や Google 広告の検索広告と同じように、広告を表示したいキーワードを個々に設定できます。

「オートターゲティング」では、明示的にキーワードを設定しなくても広告を表示できるターゲティング方法です。商品詳細ページの情報(特に商品名)に関連するキーワードが検索された時に広告を表示します。

スポンサーディスプレイ広告

次に紹介する、スポンサーディスプレイ広告は、一般的なディスプレイ広告同様、設定したターゲティングに基づき様々な場所に表示される広告です。

Amazon 広告「スポンサーディスプレイ広告」:左 PC 、右 モバイル

スポンサーディスプレイ広告も商品詳細ページに入力されている情報を基に作成されます。また広告をクリックすると、その商品詳細ページに飛びます。

スポンサーディスプレイ広告は、「ブランド」登録が必須になります。Amazon に出品している場合でも出稿できますが、小口出品の場合には出稿できません。

また、出品だけしている場合には出稿できないターゲティング方式もあります。ターゲティング方法については、後ほど詳しく説明します。

スポンサーディスプレイ広告のターゲティング方法

スポンサーディスプレイ広告では、以下の2種類のターゲティングが利用できます。

  • 商品ターゲティング
  • オーディエンス(興味・関心)

「商品ターゲティング」は自社商品と類似した商品やカテゴリーに広告を表示するターゲティング方法です。

「オーディエンス(興味・関心)」は Amazon 内の行動履歴により、特定の興味や関心を持っていると推移される方をターゲティングする広告です。こちらはブランドの登録の他に、Amazon に販売まで委託する取引会社である必要があります。

なお、日本とインド以外では、自社の商品詳細ページや関連する競合の商品詳細ページを見た方に広告を表示する、いわゆるリマーゲティングも使えます。

2021年5月より日本でもオーディエンス(リマーケティング)が使用可能になりました。

スポンサーブランド広告

最後に紹介するスポンサーブランド広告は、ブランドや複数の商品の認知度を上げるための広告で、商品検索結果の上部に掲載されます。広告をクリックすると、登録したストアか複数商品のページに飛びます。

広告は Amazon のストアもしくは複数商品の登録、ブランド名とロゴ画像、見出しを登録して作成します。

Amazon 広告「スポンサーブランド広告」:左 PC、右 モバイル

ストアとは、Amazon 内で作成できるランディングページのようなブランド独自のページで、商品や特集ページなどを表示することができます。

参考:Amazon ストア | Amazon Advertising

Amazon ストア例:IRIS OHYAMA ストアページ

またスポンサーブランド広告は、「ブランド」登録が必須です。Amazon に出品している場合でも出稿できますが、小口出品の場合には出稿できません。

スポンサーブランド広告のターゲティング方式

スポンサーブランド広告では、スポンサープロダクト広告同様、以下の2種類のターゲティングが利用できます。各ターゲティング方法は前述したのでここでは割愛します。

  • マニュアルターゲティング
  • オートターゲティング

3つのスポンサー広告の内「スポンサープロダクト広告」から始めるのが吉

前述のように、これら3種類のスポンサー広告は簡単に出稿開始できます。3種類の中で何から始めるか迷ったら1番簡単で、売上に直結する広告であるスポンサープロダクト広告から始めましょう。

もちろん Amazon には、他にも手を付けたい施策が多くあります。しかし、まずは管理画面に慣れるという意味でも、手軽に始められるスポンサープロダクト広告を始めるのが良いでしょう。

ブランド登録不要で、キーワードの登録だけなので簡単!

3種のスポンサー広告はどれも簡単に設定できるのですが、その中でもスポンサープロダクト広告は群を抜いて簡単に出稿できます。

というのも、スポンサーディスプレイ広告やスポンサーブランド広告は、前提として「ブランド」登録などの手続きが必要となります。しかし、スポンサープロダクト広告は「ブランド」登録の必要がありません。

そして、誰に広告を見せるかのターゲティングも、どんなキーワードで検索されるかを考えるだけなのでシンプルです。

これらの理由により、スポンサープロダクト広告は他の広告より簡単に出稿できるわけです。

Amazon 内の検索結果上位に表示されるので購入可能性が高い

Amazon には膨大な数の商品が出品されています。Amazon のサイト利用者は商品を購入する目的でサイトを訪問し、高い確率で検索をします。

Yahoo! や Google 同様、掲載順位上位の商品が人の目につきやすく、上位にあればあるほど売上が伸びます。スポンサープロダクト広告は、その検索結果の上部にも表示されるため、購入に繋がりやすいのです。

Amazon スポンサープロダクト広告

Amazon 広告を始めるためにする3つのこと

ここまで、Amazon 広告の種類について述べてまいりました。一番最初に手を出すべき Amazon 広告はスポンサープロダクト広告ということはお分かりいただけたかと思います。

広告の具体的な設定方法については別の機会に分かりやすく説明する予定ですが、ここでは主にスポンサープロダクト広告を始めるために必要な前提と準備をお伝えします。

1.Amazon への出店・出品

当然ですが、まずは Amazon への出店・出品していることが必須となります。前述のように、スポンサープロダクト広告を出稿したい場合、小口出品ですと広告が出せないので注意してください。

画像引用元:出品にかかる費用|Amazon より一部加工

2.広告の管理者にログイン権限の付与

当然ですが、 広告出稿する Amazon アカウントに運用を担当する方がログインできるようにしなければなりません。

Amazon の店舗管理をしている方と別の方が広告出稿する場合(代理店なども含め)、その方にログインする権限を付与する必要があります。

出品だけしている場合、「Amazon セラーセントラル」の「設定」から権限管理ができます。

Amazon セラーセントラル > 設定 > ユーザー種類

3.商品詳細ページの拡充

スポンサープロダクト広告はじめ、Amazon 広告の多くは商品を宣伝するための広告です。商品詳細ページが広告のランディングページとして使われ、広告そのものが商品詳細ページから自動で作られる広告もあります。

広告出稿する商品詳細ページは商品紹介コンテンツも含めて、しっかり入力しましょう。商品詳細ページの中でも、特に「商品名」は重要です。

「商品名」に入力された情報は、検索の際にもっとも重要視されるため、「商品名」の部分には商品の名称以外にもメーカー名やスペックなども詳細に入力すべきです。

Amazon > 商品詳細ページ

また、Yahoo!広告や Google 広告とは異なり、スポンサープロダクト広告では、広告が商品詳細ページから抜粋される形で作られます。広告でも「商品名」は一番目立つので、できる限りわかりやすく詳細に入力しましょう。

売上を上げるために Amazon 広告(スポンサープロダクト広告)で意識する点と注意点

簡単に出稿できるスポンサープロダクト広告ですが、漠然と広告出稿するのではなく、しっかりと売上アップを意識する必要があります。ここでは「どう意識するか」と注意点についてお伝えします。

広告で売上アップし、Amazon 内の好循環を狙う

Amazon 内の商品検索結果は、売上高やレビューを中心に掲載順位が決まってきます。この売上高には広告経由の売上も含まれるので、広告を積極利用し、売上をあげることで結果的に商品検索結果の掲載順位があがることに繋がります。

また商品が売れればレビューも付きやすくなり、さらに掲載順位が上がるという好循環に入ります。この点も考慮して、できる限り積極的に入札していくべきです。

Amazon 検索結果画面

Yahoo!・Google の検索結果とは違い、Amazon 内はお客様を中心に考えた、売上至上主義の世界です。積極的に広告投資や純粋な販売で売上を伸ばした会社が上位に表示される、シンプルな世界観です。

早く広告出稿を開始すればするほど、売上やレビューも増え、掲載順位も上がりやすくなります。お客様にいい商品を届けることを考え、他の企業よりも先に、売上をあげて Amazon 内の地位を確立することが攻略のポイントです。

広告を出せないケースもある

スポンサープロダクト広告であれば、小口出品でない限り、広告出稿することができます。

しかし、商品によっては広告出稿できない場合もあります。例えば「おすすめ商品」になっていない商品が該当します。おすすめ商品についてはこちらのページをご覧ください。

おすすめ商品に入っていない場合、広告を出していなくても、自社出品商品の商品詳細ページでお客様が一番上の商品を選んでも、カートに入る商品は違う会社のものになってしまいます。

Amazon ではお客様を完全に第一に考えるため、他社より価格が高い場合や評価が低い場合には、たとえ自社で製造販売している商品だとしても「おすすめ商品」から外れてしまいます。

そして、そのような商品は広告を出すことができません。この場合、どうしても広告出稿したいのであれば、販売価格を下げるなどの対策が必要です。

Amazon 広告、未出稿なら検討を!

Amazon に出店していても、広告出稿はまだできていない企業が多い印象があります。それが影響してか、スポンサープロダクト広告は Yahoo!広告や Google 広告と比較して、クリック単価が安い傾向にあります。

また SNS などもそうですが、媒体ごとに固有の「多くの時間をそこで過ごしている」方がいます。検索広告や色々なディスプレイ広告を大量に出しても、そういった「媒体の壁」を超えられないことが多いです。

Amazon でも一定数のお客様が常にいるので、Amazon 広告を活用することで、そのお客様に対して簡単かつ確実に商品の情報をお伝えすることができます。これを機に Amazon に出店・出品されている方は、広告の出稿を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

小島 元

小島 元

広告運用 コンサルタント

慶應義塾大学経済学部卒業。2008年からキーワードマーケティングに在籍、 以降10年以上、広告運用に携わる。離脱率の低さに定評があり2008年から 運用を続けているクライアントも多い。趣味は音楽、楽器演奏。依頼を受けて プロのバックを務めることもある。愛知県犬山市出身。

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