数ある Twitter 広告の中でも、設定したユーザーのフォロワーに似ているアカウントへ広告を配信することができる「フォロワーターゲティング」の事例とそれをおこなった際のユーザー設定方法や効果測定の方法をまとめました。
フォロワーターゲティングは、ハンドルターゲティングとも呼ばれていて、Twitter のハンドル名がその由来になっています。
Twitter の公式ヘルプページでは簡単なアドバイス程度になっているので、事例をもとに広告を出す際にやるべきことを解説させていただきます。まずはフォロワーターゲティングとはなにかをみていきましょう。
Twitter 広告の一つフォロワーターゲティングとは、任意で設定したユーザーをフォローしているもしくは、そのフォロワーと似ているユーザーに向けて広告を配信できるメニューです。Twitter 広告以外ではない独自の広告メニューになります。
広告を配信したい層がフォローしているユーザーを設定するだけで、ターゲティングできるので、自社にターゲットに関するデータを多く持っていない場合でも活用することができる特徴をもっています。
あなたが選んだユーザー名のフォロワーに似ている利用者にTwitter広告キャンペーンを表示します。
引用元:Twitter公式|Twitter上でのフォロワーターゲティング
フォロワーターゲティングは、任意のユーザーを複数登録し、類似のユーザーへ広告を表示することになるので設定するユーザー(アカウント)の精査が成果の良し悪しを決める重要なポイントになってきます。設定するユーザーのフォロワー層がぶれている場合、効果的な広告運用にならないので注意が必要です。
ここからは、フォロワーターゲティングをおこなった際の事例を紹介させていただきます。前提条件として商品やサービス、ターゲットは以下のようになっています。
商品・サービス | 採用関連サービス |
---|---|
ターゲット | 大企業の人事担当、中小企業の経営者層 |
本コンバージョン前の、マイクロコンバージョンの成果良かったフォロワーターゲティングに予算をかけて広告配信をおこないましたが、マイクロコンバージョン同様、一番コンバージョンを発生させたのはフォロワーターゲティングによる広告配信でした。
ターゲティング種類 | コスト | コンバージョン | コンバージョン率 | CPA |
---|---|---|---|---|
フォロワーターゲティング | 1,533,278円 | 57件 | 1.05% | 26,900円 |
キーワードターゲティングやリマーケティング、興味関心ターゲティングも同様の広告クリエイティブで配信しましたが、フォロワーターゲティングほどのコンバージョンは獲得できませんでした。よって広告クリエイティブの差ではないものと考えられます。
フォロワー数(当時) | アカウント説明 |
---|---|
33,725 | 起業家・エンジェル投資家 |
14,444 | HR 関連で有名な上場企業の取締役 |
13,932 | 人材/組織開発サービスを提供する会社の取締役 |
3,181 | 中小企業基盤整備機構 公式アカウント |
1,407 | SaaS 系サービス提供会社の取締役 |
採用関連のサービスであったので、HR 系で有名な一部上場企業の取締役を起点にユーザー設定するアカウントを探しました。
またそれ以外にもエンジェル投資をおこなっている方や中小企業向けの情報発信している「中小企業基盤整備機構」の公式アカウントも設定しました。
上記のような選定で、いくつかのユーザーを設定しましたが、結果としてパフォーマンスが良いアカウントもあればそうでないものもあったので、配信後に徐々に厳選していきました。
仮説が実際に正したかったかは次の見出しで後述しますが、大企業の人事担当や中小企業の経営者というターゲットは、大きく外れていない設定だったのではないかと考えています。
フォロワー数は多ければ多いほど、フォロワーターゲティングでの表示回数が増えます。ただし、その分広告のパフォーマンスは、そのユーザーに左右されることになります。
したがって、1アカウントで多くのフォロワーをもつユーザーを設定したい場合は、パフォーマンスが良いユーザーとは広告グループなどを分けてテストすることをお勧めいたします。
フォロワーターゲティング自体に上限や下限はないため正解はないですが、コンバージョンが生まれてかつフォロワーの質が高いのは、およそ1,000人から30,000人でした。
僕は、ひたすらこのボリュームのユーザーを探して追加を繰り返していきました。ある程度すると、その広告グループのフォロワーの総数が増えていくためリーチが増え、予算を増やしても CPA があまり上がらずにコンバージョン数をきちんと増やせる傾向にあります。
フォロワー総数とは、設定したユーザーのフォロワーの数を合計した数値です。
先述のように、フォロワーの総数が多いほどが配信量が増えて、パフォーマンスも安定します。逆にここが少ないと、毎月安定したコンバージョン数が発生しなかったり、配信の拡大が見込めません。
まずはフォロワー総数100,000人を目標にユーザーを探してみてください。フォロワー総数について注意すべき点ですが、Twitter 広告の管理画面で確認できる下記の「オーディエンスの概要」にあるオーディエンスの推定総数とフォロワー総数は異なるので注意が必要です。
上記3つのことは最低限押さえておきたいポイントです。配信後には、効果測定と設定するユーザーの調整をおこない更にパフォーマンスを伸ばしていきましょう。次は効果測定の方法についてです。
Twitter広告の管理画面から見れます。見たいキャンペーンをクリックし、「オーディエンス」タブへ移動、画面左の「ユーザー名」をクリック。キャンペーンを指定しないと、ユーザー名別に見ることができません。
ユーザー別データでは重複があります。A のフォロワーでもあり、B のフォロワーでもあるケースがこれに該当します。
したがって、その広告グループ全体で発生しているコンバージョン数は1件なのに、ユーザー別にみると、ユーザー A でもユーザー B でもコンバージョンが1件ずつ発生しているような見え方になり、コンバージョン数を単純に足すと2件に発生しているようにみえてしまいます。
パフォーマンスの悪いものを設定から外して、パフォーマンスの良いものだけ残していきましょう。
同時に、パフォーマンスも良いものだけに絞って広告配信を行なうとコンバージョン数が減ってしまうので、ある程度のユーザー総数を保てるように新たに追加していく必要があります。
ある程度の期間、フォロワーターゲティングで配信するとパフォーマンスの良いユーザーがわかってきます。パフォーマンスの良いユーザーを以下の方法で分析すると傾向がみえ、追加のユーザーのヒントになったり、他の広告メニューに応用できる情報がみえてきます。
また上記の分析以外にも、配信した Twitter 広告に「いいね」したユーザーをそのまま追加する方法もあります。一概には正しいとは言えませんが、「いいね」は商材自体にポジティブな印象を持っているという意思表示であることが多いため追加し、効果をみるのもいいでしょう。
2019年に総務省情報通信政策研究所が発表した「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、全年代における Twitter の利用率は、2013年時点で15.7%だったものが、2019年には37.3%まで成長しています。
近年、若い世代を中心に人気の Instagram でも2019年の利用率は35.5%となっているので、Twitter 需要はまだ衰えていないと言えるでしょう。
フォロワーターゲティングを用いた広告運用は、指定アカウントの精査を十分におこなえば成果に繋がりやすくなってきます。今回紹介した事例をもとに運用のご検討をしてみてはいかがでしょうか。
広告事業部 マネージャー
2016年4月に新卒入社。入社10カ月で代表滝井直属の広告運用チームに異動。 入札調整や広告文作成から、サイト改善提案まで代表から直接指導を受ける。 toB/toC比率は半々で、アプリ広告も担当。特に好きな媒体はFacebook広告。 海外旅行が好きで、アメリカ横断経験あり。趣味は服映画ヨガアート猫もろもろ。
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