Meta 社が提供するテキスト中心の SNS アプリ「Threads(スレッズ)」は、Instagram と連携し始められる手軽さから、2023年7月のサービス開始から一気にユーザー数を拡大しました。
また Threads 上に表示されている「Threads 広告」も、特に Web マーケターの方は関心を寄せているのではないでしょうか。ただ、「未だに見たことがないけど本当に配信されるのか?」「そもそも、X(旧 Twitter)と似ているけど何が違うんだろう」という声を聞きます。
この記事では、Threads 広告の仕様から配信手順を紹介します。新たな広告チャネルを検討している方はぜひご覧ください。
目次
Threads は、2023年7月に Meta 社の Instagram チームが開発してリリースした最大500文字のテキストを投稿できる SNS アプリです。Meta 社によると、月間アクティブユーザー数がおよそ3億人に達していることが明らかになっています。
Threads は X(旧 Twitter)と仕様が似ており、自由な内容を投稿したり、ほかのユーザーと会話できたりします。投稿に対して返信するとスレッド形式で繋がる仕様となっており、ほかのユーザーだけではなく自分の投稿にも返信できます。
また Instagram アカウントを使ってログインできるため、すでに Instagram アカウントがある方はすぐに利用できます。Instagram は画像や動画などが中心の SNS アプリなのに対して、Threads はテキストにフォーカスした使用感となっています。投稿はテキストとあわせて、写真や動画、リンクなどを組み合わせられるため、自由にカスタマイズができます。
日本における Threads のユーザー層は、10代から20代の Z 世代と呼ばれる層がメインではないかと推測されます。
公式からの情報はないですが、NTT ドコモがおこなった全国の15歳から79歳を対象とした SNS 利用動向に関する調査によると、全体における利用率としては5%程度だったものの、10代では Threads 利用率が17.9%となっており、Facebook の13.4%よりも多かった結果となっています。
また、20代でも11.0%の利用率となっており、ほかの年齢層と比べると若年層の利用率が高いといえます。
Threads では、自身の投稿にトピックを関連付けられます。
トピックを使う際には、投稿画面においてユーザー名の横にある「トピックを追加」をタップして表示される検索窓に任意のテキストを入力すると、トピック名がサジェスト形式で表示されます。その中から関連付けたいものを選ぶと投稿に付与できます。
また、投稿のトピックをタップすると、同じトピックで投稿されたほかの投稿を閲覧できます。使用する際には、スペースを挿入できたり、一部の特殊文字が使用できたりします。Instagram のハッシュタグ機能と似ていますが、Threads はトピックが1つだけしか付与できません。
トピック機能を活用することで、ユーザーは興味関心がある投稿を見つけやすくなり、リアルタイムで見たい投稿や会話を探しやすくなります。
Threads 広告とは、以下の画像のように Threads の投稿の間に表示できる広告を指します。
Threads は SNS アプリの1つですが、Threads 広告は Meta 広告の中で指定できる配信の1つです。最初に紹介したように Threads は3.5億人もの月間アクティブユーザーにリーチできるため、Facebook や Instagram での広告パフォーマンスをさらに伸ばしたい方におすすめです。
アイコンやテキスト、画像などはオーガニック投稿と変わらない見た目です。ただし、広告の場合だとアカウント名の横に「広告」という表示され、画像のすぐ下に表示されるページのドメインや見出しのようなテキストも表示されます。
広告もオーガニック投稿と同じく、いいねや返信、引用、DM の機能もあります。
Threads は Facebook や Instagram、X と比較するとまだユーザー数が少ないですが、今後もユーザー数やサービス拡大が予想されるからこそメリットがあります。
Threads で広告を配信するか迷っている方はぜひ確認してみてください。
Threads は Meta が提供するサービスのため、広告も Meta 広告マネージャから配信面を追加することで配信でき、ターゲティングも Meta 広告マネージャで使用しているものが使えます。
また Meta は、実名登録が必須の Facebook アプリを提供しており、その特性からほかの広告媒体よりもターゲティング精度が高い点が大きな特長といわれています。したがって、Threads 広告も Meta の高いターゲティング制度の恩恵を受けられるため、配信開始直後でも成果が期待できます。
▼Meta 広告のターゲティングや詳細についてはこちら!
Meta広告とは?配信面やターゲティング、成果を出すためのポイントなどの基本を凝縮|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング
Meta 広告は Facebook や Instagram、Messenger などに配信される広告です。以前は「Facebook 広告」や「Instagram 広告」と呼ばれていましたが、2021年に Facebook の社名が「Meta Platforms, Inc(メタ・プラットフォームズ)」に変わったことを受け、広告も Meta 広告という名称に変わりました。変わったのは名称のみで、広告配信先に変更はありません。
Instagram アカウントを持っているユーザーなら、Threadsですぐにアカウント作成できる点から Instagram と Threads を並行して利用、もしくは Instagram から移行して利用している可能性が考えられます。
Instagram に限らず、ほかのアプリと Threads を並行して利用しているユーザーに対してはリーチできる面が増えたと捉えられ、広告自体のリーチ数拡大が図れます。
そのため、設定する際に Threads を配信範囲に加えるだけで、配信対象を確保しつつリーチ数を拡大できる見込みもあるというわけです。
Threads を使用したことがなくあまり馴染みがない方だと、実際にどういったコンテンツが表示されているのかイメージがつきづらいため、自社の広告配信を躊躇しているケースもあるのではないでしょうか。
そういった場合は Meta のインベントリーフィルターという機能を使えば、広告の周囲に表示されるコンテンツの健全性をコントロールでき、ブランド毀損を防ぐのに役立ちます。インベントリーフィルターは Threads にも適用されるほか、フィード広告とコンテンツ内広告、Audience Network 広告にも適用されます。
すでに Meta 広告を配信している方でも、Threads での広告表示に不安がある場合は、一度インベントリーフィルターの活用を検討してみることをオススメします。インベントリーフィルターの使用に関する詳細は Meta 広告の公式ヘルプを参考にしてみてください。
実際にキーワードマーケティングが運用している Meta 広告アカウントで、Instagram と Threads 面へ配信した事例を紹介します。
toC 商材で、リマーケティングと類似ターゲティング+興味関心ターゲティングで配信したところ、どちらのターゲティングでも Instagram と比べて Threads は半分以下のインプレッション数となりました。一方で、Threads の CPM(表示1,000回あたりの単価) は、Instagram の20%程度となっています。
ターゲティング | プラット フォーム |
インプレッション | リーチ | CPM |
---|---|---|---|---|
リマーケティング | 100,000 | 20,000 | ¥2,000 | |
Threads | 40,000 | 26,000 | ¥350 | |
類似+興味関心 | 600,000 | 444,000 | ¥833 | |
Threads | 200,000 | 152,000 | ¥175 |
この事例から配信量は Instagram よりも伸びづらいものの、CPM は検索広告並みに安い金額となる傾向です。ただ、まだ出稿量がそこまで多くない状況だからかもしれないので、テスト配信を考えている場合は早めに配信してみた方が良いかもしれません。
Threads 広告は、Meta 広告のプラットフォームの一部として提供されています。すでに Meta 広告を配信している方はなんとなくイメージしやすいかもしれませんが、配信面やターゲティング、入稿規定についてまとめていますので、一緒におさらいしましょう。
広告キャンペーン内の広告セットにおける設定で配信面を選択する際、以下のいずれかの方法を選ぶと Threads 広告が配信されるようになります。ただし現時点では、Threads のみでの配信はできず、Instagram と組み合わせて選択する必要があります。
配置名 | 詳細 |
---|---|
Advantage+ 配置 | Meta の機械学習がパフォーマンスを最適化し、Meta が提供するすべてのプラットフォームに対して自動で配信 |
手動配置 | Meta のプラットフォームから任意の配信先を選択 |
Meta 広告マネージャを活用した配信のため、Threads 広告に特化した独自のターゲティングはありません。現時点では、Threads 広告のターゲティングは Facebook 広告や Instagram 広告で使用しているターゲティングを同じように使用します。
Meta 広告のターゲティングは大きく分けて以下の3つに分類されます。
ターゲティング | 特徴 |
---|---|
コアオーディエンス | 以下をターゲティング |
カスタムオーディエンス | 以下の行動履歴をターゲティング |
類似オーディエンス | ユーザーをターゲティング |
Threads は比較的新しいプラットフォームですが、Meta が持つ膨大なユーザーデータの活用により、配信開始当初から確度の高いターゲティングができます。
Threads ユーザーに限定したターゲティングはできないものの、キャンペーン全体のパフォーマンスを見ながら、Threads での広告効果を分析していきましょう。
Threads 広告は、画像広告と動画広告を配信できます。それぞれクリエイティブの仕様がありますが、ファイルタイプと解像度以外は同じ規定内容です。
新規でクリエイティブ制作を検討している場合は、入稿前に確認し準備しましょう。
項目 | 画像 | 動画 |
---|---|---|
ファイルタイプ | JPG、PNG(推奨) | MP4、MOV、GIF |
アスペクト比 | 1.91:1~9:16 ※1:1より縦長の画像、動画は自動でトリミング ※16:9~1:1の画像、動画はそのまま配信可能 |
|
解像度 | 1440 x 1440pixel(推奨) ※解像度の上限、下限なし |
1440 x 1800pixel(推奨) ※解像度の上限、下限なし |
メインテキスト | 対応文字数:1文字から500文字 推奨: 80文字から160文字 ※200文字以上はデバイスによって切り詰める可能性あり |
|
見出し | 対応文字数:1文字から250文字 推奨:40文字 ※40文字以上はデバイスによって切り詰める可能性あり |
|
コールトゥアクション | 一部の CTA ボタンはサポートなし ※ハッシュタグ、URL をメインテキストに含むのは不可 ※動画キャプションもサポートなし |
Threads フィードへの広告を出稿するには、広告セットの編集画面にて Advantage+ 配置または手動配置を選択しましょう。
Advantage+ 配置の場合、まずは Threads 広告を配信したい広告セットを選択し「編集」を押します。下にスクロールして「配置」の項目まで進み、「Advantage+ 配置」を押すと Threads に広告を配信できるようになります。
手動配置で選択する場合、Threads フィードのみは選択できない仕様で、Threads フィードと Instagram フィード の両方を選択しましょう。
その際には、Advantage+ 配置の設定方法と同じように、広告セットの編集画面に入ります。そして「配置」の項目で「手動配置」を選択し、「プラットフォーム」で Instagram と Threads にチェックを入れると、配信できるようになります。
Instagram と併用して配信しないといけない理由は、推測にはなりますが現時点で Threads フィードで設けている広告枠はまだ少ない状況で、Threads だけ配信しようとしても配信量が伸びないため、Instagram とセットで配信量を担保していると考えています。
Threads への配信実績は Meta 広告マネージャで確認できます。キャンペーンや広告セット、広告のどの階層でも確認でき、管理画面右上にある「内訳」 のプルダウンから「プラットフォーム」もしくは「配置」を選択すると、配信面別の実績が表示されます。
プラットフォーム別での配信傾向を確認したい場合や細かい配信面別の実績を確認したい場合はぜひ試してみてください。
配信できない場合、以下の3つのようにキャンペーン目的があっていなかったり、設定項目と内容が合致していなかったりする場合があります。
ここからは Threads 広告を配信できてない場合の対処法を紹介するので、設定内容と照らし合わせながら確認していきましょう。
Threads へ広告配信するには、広告キャンペーンの目的が認知、トラフィック、売上のいずれかでなければなりません。配置設定で Threads が選択できない、Threads の選択項目が表示されないといった状況であれば、キャンペーン設定の目的を見直してみましょう。
キャンペーン目的の詳細については以下の表のとおりです。
キャンペーン目的 | リーチ | 向いているシーン |
---|---|---|
認知 | リーチ | ビジネスに対する認知度を高めたい |
トラフィック | 広告のリンククリック | Web サイトなどのリンク先への トラフィックを増加したい |
売上 | コンバージョン | 商品やサービスを購入する 可能性が高いユーザーの発見 |
以下を使用する場合には広告が配信されません。配信面に Threads を追加できない場合は、もしかしたら以下の項目に、設定不可のメニューを設定してしまっている可能性があるので、見直しておきましょう。
項目 | 設定不可のメニュー |
---|---|
広告オプション | |
広告のタイプ | |
広告設定 | |
広告フォーマット | |
広告のリンク先 | Web サイトのみサポート |
そして、これは定かではありませんが、一部のアカウントではまだ実装されていない可能性もありそうです。
私個人の広告アカウントで認知目的の新規キャンペーンを作成し広告セット編集まで進んでみましたが、配置設定で Threads の項目が表示されませんでした。
これまで実際に広告配信したことがない個人アカウントのため、項目が表示されない理由はいろいろと考えられますが、すべてのアカウントで必ず Threads 広告を出稿できるというわけではなさそうです。
この記事を読んでいただいた方は、Threads 広告がどのような広告か、広告配信のやり方などについて理解を深まったのではないかと思います。
ただ配信するか、もう少し検討してみようと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方はぜひ、実際に Threads を触ってみることをオススメします。フィードを眺めてみたり、テスト的に投稿をしてみることで使用感に加えて新しい気づきもあるかもしれません。
まだまだ発展途上のアプリである Threads の今後の動向にも注目しつつ、自社の広告施策に役立ててみましょう。
マーケティング
2019年4月に新卒で入社後、研修を経て運用チームに配属。toB、toC等の案件を担当した後、セールスチームに異動となる。趣味はお笑いと観賞(研究?)と謎解き。特に好きな芸人は東京03とバナナマン。
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