マーケティング

未成年者へWeb広告を配信するには?媒体選定や運用のポイントを紹介

未成年者への Web 広告配信は青少年保護の観点から、世界的に規制が厳しい状況です。Web 広告業界でも、2022年と2023年に Google 広告と Meta 広告それぞれで13歳以上の未成年者に対するターゲティング規制が施行され、未成年に向けた Web 広告配信にお悩みの方もいるのではないでしょうか?

今回の記事では、未成年者へのアプローチ方法と未成年に対する Web 広告配信に対するおすすめの媒体や推奨の設定などをご紹介します。

さらに、広告を運用する際のポイントも紹介するため、未成年への広告を試したことがなかったり、頭打ちを感じている方はぜひ参考にしてください。

未成年へのターゲティング規制は、”リスク発生を防ぐ”ため

そもそも、なぜ未成年に対して、広告のみならずインターネットや SNS 上で規制や制限がおこなわれているのでしょうか?それは、ネットの情報による経済的、心理的なリスク発生を防ぐためです。

実際、総務省の「青少年保護の取組状況等について」の資料によるとネット上でトラブルに巻き込まれた経験のある未成年者は一定数見受けられます。また、本人へのトラブルだけでなく、事業者側も未成年者による購入や契約の取り消しといった被害が起こっています。

そういったトラブルから未成年者本人だけでなく事業者側も守るために、各広告媒体で未成年者へのターゲティング規制が厳しくなっています。

媒体ガイドラインだけじゃない!”国内の未成年保護”について

また、媒体ガイドライン以外にも、青少年インターネット環境整備法や景品表示法で未成年者への広告配信が法的に整備されています。さらに2026年6月現在、16歳未満の子供の個人情報保護が強化される個人情報保護法の改正も検討されています

そのため、媒体ガイドラインや、国内の法律、情勢的にも未成年を狙った過度な消費を煽る表現は問題視されやすく、炎上リスクに繋がります。未成年者に向けた配信をおこなう際には、先ほど挙げたトラブル発生や炎上リスクを念頭に置き、広告配信をおこなっていきましょう。

参考)
個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しについて
【こども家庭庁】- 青少年インターネット環境整備
【消費者庁】 – 景品表示法

【媒体別】未成年への広告配信とターゲティング例

ここからは実際の広告媒体、ターゲティングを例に出しながら、未成年に向けて配信する際におすすめ媒体やターゲティングを紹介します。

【媒体別】年齢ターゲティング可否早見表

主要な媒体(Google 広告や Yahoo! 広告、Microsoft 広告)や Meta 広告などの SNS 広告を例に紹介します。

  • ✖→17歳以下への年齢ターゲティングができない
  • △→17歳以下への年齢ターゲティングができるが、制限あり
  • 〇→17歳以下への年齢ターゲティングができ、制限もない
媒体名おすすめの広告目的(認知/獲得)17歳以下への年齢ターゲティング可否
Google 検索獲得
Google ディスプレイ(YouTube 含む)認知 / 獲得
Yahoo! 検索獲得
Yahoo! ディスプレイ認知 / 獲得
Microsoft 検索獲得
Microsoft ディスプレイ認知 / 獲得
Meta認知 / 獲得
TikiTok認知
年齢ターゲティング可否早見表
※「おすすめの広告目的」項目は、あくまで配信実績から類推する例です。

ほとんどの媒体で未成年者への年齢ターゲティングが規制されてはいますが、ターゲティングを組み合わせることによって未成年者と思われるユーザーに配信できることもあります。

ここからはターゲティングの組み合わせを詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

2026年7月6日追記:LINE 広告については LINE ヤフー広告 ディスプレイ広告への移行に伴い、17歳以下への年齢ターゲティングが不可能になりました。

未成年者(17歳以下)への年齢ターゲティングが確実にできる媒体(Meta 広告、TikTok 広告)

年齢でターゲティングし、明確に17歳以下へ配信が可能な媒体は以下3つとおりです。

  • Meta(各種制限あり)
  • TikTok

それぞれで設定可能な年齢とターゲティング方法を下記にまとめているため、ぜひ参考にしてください。

媒体名年齢推奨ターゲティング
Meta 広告下限:13歳
上限:17歳
年齢ターゲティング範囲に未成年を含む場合は
設定不可
TikTok 広告下限:13歳
上限:17歳
興味関心
ハッシュタグインタラクション

まずは Meta での広告配信がおすすめ

商材やサービスにはよりますが、利用ユーザーの多さや画像、動画両方で配信が可能な Meta がおすすめです。ただし、ほかのターゲティングの組み合わせができなかったり、配信面の機能の都合上、広告の配信に制限がついてしまうことがあります。

そのため、Meta であまり成果が出なかった場合に TikTok への配信を考えてみてもよいと思います。

媒体名 おすすめ理由 注意点
Meta 広告
  • 利用者が多く、年齢層が広い
  • 詳細なターゲティングが可能
未成年を含む場合、配信に制限あり
TikTok 広告
  • 若年層へのアプローチに強み
  • 興味関心の項目が幅広い
動画+テキストのみ(画像不可)

未成年者(17歳以下)への年齢ターゲティングが規制されている媒体

多くの広告媒体で17歳以下への年齢ターゲティングの規制があったとしても、ターゲティングの掛け合わせで未成年者に配信することができる媒体があります。

その中で、おすすめの媒体は以下の3つです。

  • 各種検索広告(特に Google 広告)
  • GDN(YouTube 広告含む)
  • Apple Ads

それぞれでおすすめのターゲティング設定を下記にまとめているので、ぜひ参考にしてください。

媒体名 年齢設定 おすすめターゲティング
(興味関心、属性 など)
各種検索広告 範囲設定なし
もしくは不明含む範囲設定
キーワードによる
ターゲティング
Google ディスプレイ
(YouTube 広告含む)
不明+ほかの年齢を除外
※未成年は「年齢不明」として
 判定されるため
カスタムセグメント
Apple Ads すべて キーワードによる
ターゲティング

検索広告や Apple Ads では各検索エンジンや App Store 内の検索でターゲットが調べそうな語句を設定して配信します。

例えば、アパレル系の広告を未成年に配信したい場合は、「10代 ファッション 流行」など商材に関連度の高い語句と年代の組み合わせといったキーワードを設定すれば、ターゲットユーザーに広告を配信できる可能性は高くなります。

▼検索キーワードの決め方については以下で詳しく解説!

【弊社の新人研修を公開】リスティング広告のキーワードの選び方(基礎編)|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

広告運用代理店が、新人研修で教える「リスティング広告のキーワード選定方法」をお伝えします。リスティング広告を配信したいけど、どんなキーワードを選べばいいかわからない方にとって必ず手助けになる内容になっています。選定方法は、順を追ってやれば誰でもできるので、まずはこの記事を参考にキーワード選定をおこなってみてはいかがでしょうか。

また、YouTube をはじめとした Google ディスプレイ(GDN) での配信では、カスタムセグメントというターゲティング機能によって、検索したキーワードや閲覧したウェブサイト、インストールしたアプリによってターゲティングするなどユーザーが起こした行動に関してターゲティングができます

ただ、どの配信も、未成年者のみを対象とした配信ではないので注意が必要です。

媒体名 おすすめ理由 注意点
各種検索広告 キーワードや配信設定で、柔軟にアプローチできる 設定次第で意図しない
キーワードへも配信される
可能性がある
GDN
(YouTube 広告含む)
膨大な Google の配信面を活用し、認知から獲得まで幅広く狙える 配信ネットワークによって、
詳細なターゲティング制限あり
Apple Ads App Store 内の配信面と、アプリのダウンロード履歴を用いたターゲティングができる アプリ専用の広告媒体のため、
アプリ以外の商材は配信不可

配信前に要チェック!未成年向け訴求のポイントと注意点

ここまで、ターゲティングを紹介しましたが、同じくらい配信する広告の内容、訴求にも注意が必要です。

ここからは、未成年により受け入れられやすい、関心が得やすい広告はどのようなものなのか、2つのポイントに沿って紹介します。

  1. 広告は「動画&タイパ」を意識!
  2. インフルエンサーを活用して信頼感 UP!

1.広告は「動画&タイパ」を意識!

未成年へ広告を配信する際には動画広告がおすすめです。

大学生向け学習管理 SNS「Penmark」を運営する株式会社ペンマークによる調査では、「動画と静止画ではどちらが印象に残りますか?」という設問に対し、約半数が「動画広告」が印象に残ると回答しています。

さらに、NTT ドコモのモバイル社会研究所が行った調査によると、10代の男女では約7割のユーザーが「動画を倍速視聴することがある」と回答しており、動画クリエイティブは有効なものの長さや内容、構成に工夫が必要です。

2.インフルエンサーを活用して信頼感 UP!

また、インフルエンサーの存在も、未成年へのプロモーションにおいては重要です。

消費者庁の商品やサービスの購入を検討する際に「決め手となる情報源」によると、「信頼する著名人やインフルエンサーが勧めた商品であれば信用できる」と回答した10代後半は32.2%に及び、ほかの年代に比べ広告や PR で商品を購入することに抵抗感が低いという結果が出ています。

そのため、広告クリエイティブにインフルエンサーを起用したり、PR 投稿を広告として配信したりする手法もおすすめです。

信頼する著名人やインフルエンサーが勧めた商品であれば信用できると回答した割合
画像引用元:令和6年版 消費者白書│消費者庁

【参考】未成年者のほうが広告からの購入に抵抗がない?

ユーザーの中には、少なからず広告に嫌な印象を抱き、広告からの購入、問い合わせをしにくい人も一定数いると思われます。ただし未成年者は、ほかの年齢帯よりも広告からの購入に対して抵抗が少ない傾向にあります。

一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の調査によると、Web 広告への信頼度は20代、30代に次いで高く、otalab による調査でも、ほか年代に比べ広告や PR で商品を購入することに抵抗感が低いという結果が出ています。

特に10代が広告をクリックすることの多い媒体として、Instagram、X、YouTube を挙げており、クリックの理由としては、芸能人、有名人の起用や商品利用、友達からの口コミはあれど、圧倒的に「広告をみて気になったから」が多い結果となっています。

そのため、効果的に関心を引くことができれば、ほかの年代よりも Web 広告による認知促進や CV 獲得などを狙えます

10代 普段の利用アプリと、広告を意識的にクリックすることの多いアプリ
画像引用元:10代の印象に残るアプリ広告のジャンルとは?購買に繋がりやすい商材を徹底比較!│株式会社マイナビ

ターゲティングの組み合わせで商材特性やフェーズにあわせた配信設定を

今回紹介した媒体はあくまで代表的なものですが、17歳以下のユーザーへピンポイントに広告を配信するのであれば、10代が比較的多く使用している BeReal 広告や Studyplus 広告といった媒体も有効な選択肢となります。

また、商材や狙いたいターゲット層によっては、本人へ直接アプローチするだけでなく「未成年者の保護者」をターゲットに据えて配信をおこなうことで、間接的に未成年者の顧客の獲得も期待できます。

未成年向けマーケティングについて、規制がおこなわれ思ったような配信が難しいこともありますが、今回挙げた以外にも多様な媒体や手法が存在します。自社の商材特性やフェーズに合わせて、ぜひ最適な配信設定を模索してみてください。

お困りごとはまずはご相談ください。広告に限らず、認知やPRなど幅広い施策提案が可能です。

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記事を書いた人

羽田 涼
羽田 涼

広告運用 コンサルタント

2025年入社。北海道出身。前職では、Web広告のコンサルタントとして新規提案から実装、改善施策の提案など一気通貫で従事し、Web広告の基礎や運用方法について学ぶ。趣味は、ドライブ、銭湯、ダンス、アニメ・映画・音楽鑑賞など様々。昔、ドラマのエキストラやMVのダンサーとして出演した経験あり。

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