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自社の名前やサービスで検索するとライバルの広告が!その理由と対処時のポイントを解説(依頼時に使える文例あり)

ある日、たまたま自社名で検索してみたら、他社の広告が自社の広告の上に。さらに、それがライバルの広告だとせっかく自社名で検索してくれたユーザーや、採用情報を見にきた学生を混乱させてしまう可能性もありますよね。

自分の会社の名前で検索されているんだから、ライバルの広告は見せたくない!」と考えるのは当然ですが、実は意図せず広告を出てしまっているケースもあり、怒りにまかせて対応してしまうと思わぬトラブルにつながることも。

この記事では、

  • なぜライバルの広告が出てしまうのか
  • そもそもルール違反ではないのか
  • どうすれば止めることができるのか

を解説しますので、しっかり対応して機会損失や不要なトラブルを防ぎましょう。

なぜライバルの広告が出てしまうのか

そもそも、なぜ他社名を使用して広告を出稿することができるのでしょうか。

Googleは、キーワードとして商標を使用することについて下記のような広告ポリシーを発表しています。

キーワードとしての商標の使用については、Google の調査や制限の対象となりません。

商標 – Google 広告ポリシー ヘルプ

また、Yahoo! は2019年5月15日、検索広告における商標使用制限についてというページを公開し、商標の使用制限に関する申請受付を開始しましたが、その範囲を下記のように定義しています。

使用制限の範囲
本申請で制限されるのは、検索広告の広告文での使用です。キーワードは、本申請による制限の対象外です。

検索広告における商標使用制限について

つまり、他社名を「キーワード」として登録し広告を出稿することについては、Google, Yahoo! どちらもその使用を制限できないものと定めています。

それでも、「自分の会社の名前を勝手に使われるなんて納得いかない!法に訴えることはできないのか」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

商標をキーワードとして使用することについては、過去に最高裁の判例がなく、地方裁では「商標権侵害」という観点で訴えたものの退けられた判例があります。

一般的に「登録商標」は言葉の使用を全面的に制限する権利ではないことを考慮すると、弁護士を通してライバルへ広告の出稿停止を依頼しても、その訴えが法的に認められる可能性は極めて低いと考えられます。

このように、ライバルが意図的に自社名を使用して広告を出稿しているケースでも、その対処が非常に難しいのが現状です。

しかしながら、私が実際に対応し、多くのケースで広告の出稿を止めることができた方法がありますのでぜひ参考にしてみてください。

どうすれば止めることができるのか

実は、自社名や自社のサービス名でライバルの広告が出稿されているケースの多くが、意図しない広告出稿です。

リスティング広告の仕様上、登録しているキーワードと部分的に一致していると判断されると広告が出稿されてしまうため、たとえば「キーワードマーケティング」という言葉で検索されると、「キーワード」「マーケティング」といったキーワードで登録されている広告が表示されてしまいます。

弊社名で検索すると、関係のないサービスの広告が。無駄なクリック費が発生しています。
さらに、「似ている言葉」まで拡張されることがあるため、キーワードを登録した人ですら想像しなかったキーワードで広告が配信されてしまうことがあります。

また、意図的な広告出稿であっても、他社名でキーワード登録できてしまうのはお互い様なので、紳士協定を申込むことによって広告配信を止めてもらえるケースがあります。

実際に私が紳士協定の申し込む際の手順やその効果をご紹介します。

紳士協定の申し込み

メールまたは電話で、会社名で検索した際に広告が配信されてしまっている事を伝え、キーワードの「フレーズ一致」での除外登録を依頼しましょう。

依頼の際は、下記2点を伝えるようにしましょう。

  1. フレーズ一致で除外して欲しいキーワードの一覧を送る(コピペでそのまま登録できる形式がベストです)
  2. こちらも除外登録する準備があることを伝え、除外対象のキーワード一覧を送ってほしい旨を記載

ポイントは、先方の手間を最大限に減らすことです。

意図や悪意の有無にかかわらず、基本的には、対応しなくてもよいことを善意で対応してもらうわけですから、最大限の誠意と準備、依頼を行うことで、対応いただける確率は大きく変わります。

大事なのはお互いのビジネスに対する「リスペクト」

短期間に何度も催促のメールや電話をしない、繁忙期には依頼しないなどの心遣いも必要です。間違っても、ケンカ腰だったり、訴訟を匂わすような依頼はやめてください(笑)。

実際に、私たちが依頼する際に使用する文例を載せておきますので参考にしてみてください。

株式会社 ◯◯
◯◯様

突然のご連絡失礼いたします。

□□□ のプロモーション担当をしております、
株式会社キーワードマーケティングの◯◯と申します。

貴社がGoogle, Yahoo! に出稿されているリスティング広告につきまして、一部キーワードでの除外設定をお願いしたくご連絡いたしました。

▼ サービスのURL
http://www.example.co.jp/

Google, Yahoo! で「△△△△」と検索した際に、貴社の広告が掲載されておりました。

「□□□」に関しましては、サービスを運営されている株式会社◯◯の登録商標となっており、また、「△△△△」と検索した方が貴社サイトにアクセスしてしまうことで、無駄な広告費がかかってしまうことも考えられます。

つきましては、「△△△△」を含む関連するキーワードの「フレーズ一致除外」をお願いできないでしょうか。(最後に除外いただきたいキーワードの一覧を記載いたしましたので合わせてご確認いただけますでしょうか。)

代理店に委託されているようでしたら、キーワードリストをお渡しいただき、「フレーズ一致除外」と、ご連絡いただけますとご対応いただけるかと存じます。

また、貴社のブランドキーワードについても、弊社側で除外設定をいたしますので、キーワードリストをお知らせいただければと存じます。

突然のご連絡、失礼いたしました。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

<除外登録いただきたいキーワード>
△△△△
△△△△
△△△△
△△△△

紳士協定を申し込んだ結果、どうなったか

弊社内での事例にはなりますが、6割~7割の企業様に対応いただいています。

中には、ライバルの広告を完全排除することができ、広告の成果が良化したケースもあります。

特に、意図的でなく広告が配信されてしまっているケースでは、お互いの取扱い商材がまったく異なることも多く、単純に広告費の無駄になっているが分かり、数日中に対応していただくことが多いです。

そのため、ライバルの広告出稿が確認できたら、まずは紳士協定の申し込みをしてみることをオススメいたします。

そこに本当の誠意があれば、きっと伝わる

自社名の重要性 ~バーガー帝国のヒミツ~

最後に、私が自社名の重要性に改めて気付かされた話をご紹介します。

マクドナルドを世界最大のファストフードチェーンまで成長させたレイ・クロックを描く映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』の中で、マクドナルドの原型となるレストランの経営していた “マクドナルド兄弟” から経営権を莫大な金額で買い取るシーンがあるのですが、特に印象的なのが、その最大の狙いは「名前」であったと発言する場面です。

映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』予告

さらに自伝の中でも、レイ・クロックは繰り返し名前について述べ、「マクドナルド」という名前に人一倍執着していたことが伺えます。

「マクドナルドという名前は独特の響きがあったので、格好な宣伝材料になると思っていた」
「マクドナルドという名前は当たるという直感があった」
「名前はさすがにコピーできない」

『成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝 – 世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者』

企業名そのものがブランドとなり、サービスの「信頼性」や「権威性」を持つことは、世界のトップブランドの多くが示しています。

さらに、運用型広告やSNSの台頭によって中小企業でも多くの人にその存在を示すことができるようになった現代、自社名の重要性はさらに増しています。

リスティング広告においては、社名・サービス名は購買プロセスの終盤に使用される重要なキーワードです。

だからこそ、自社名で検索をされた際には確実に自社サイトへ誘導できるよう、最大限の努力をもって守らなくてはいけないのです。

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記事を書いた人

川手 遼一
川手 遼一

広告事業部 マネージャー

1年半ほどのインターンを経て2016年4月に新卒入社。営業チーム、広告運用チームを経験。BtoC、 BtoB、有形、無形商材問わず50社以上の広告運用に携わる。Yahoo!広告が好き。趣味はオーディオ、読書。

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