Web サイトのコンテンツに基づいて広告の掲載対象を設定する動的検索広告(DSA:Dynamic Search Ads)は、主に大規模な EC サイトなどの商品別に広告やキーワードを設定することが難しいサイトで活用される広告です。
Web サイトの情報をもとに、ユーザーの検索語句に関連した広告を自動で作成、配信をしてくれるので、工数の削減にも繋がることも魅力の1つです。
最近では機能のアップデートや強化により幅広い業種で活用でき、徐々に成果のでる広告になってきているのをご存じでしょうか。
この記事では動的検索広告のメリットや設定方法、おすすめの活用方法や注意すべき点について解説します。
動的検索広告(DSA:Dynamic Search Ads)とは、Google 広告で配信できる検索広告の1種で、検索キーワードを登録する代わりに、対象となるページを登録して、動的に広告を配信する方法です。通常の検索広告との大きな違いは以下の通りです。
キーワードを登録して配信する通常の検索広告とは違い、Web サイトのコンテンツ(ページ内容)に基づいて広告が作成、配信されます。
通常であれば広告の見出しと説明文を設定する必要がありますが、動的検索広告では見出しを設定する必要が無く、広告クリック後の遷移先も自動で選定されます。広告の説明文については任意で設定します。
動的検索広告の主なメリットは以下の3つです。これらについて詳しく説明していきます。
通常の検索広告との違いとしても挙げましたが、ユーザーが検索している内容と関連性が高いページに基づいて見出しが動的に生成されます。
これにより、ユーザーの探している情報と関連性が高い見出しで広告を表示することが可能です。また多くの場合、ページのタイトル(<title>タグの内容)が見出しに使われることがあるとヘルプに記載があるため、広告の見出しとして表示されても良いように見直しておくのが良いでしょう。
Google のデジタルマーケティングエバンジェリストである Avinash Kaushik さんのツイートによると、「毎日Google に入力されるクエリ(検索語句)の16%は、これまでに使用されたことがないクエリである。」とのことです。
このように、ユーザーが検索する語句は多種多様であり、毎日のように新しい検索語句が生まれているため、これらを手動で網羅することは不可能と言っても過言ではありません。
しかしながら、動的検索広告であればページの内容を基に広告を配信するため、手動で網羅できなかった検索にも広告を表示できる可能性があり、広告の掲載の機会の増加につながります。
前述したように、キーワードの登録が不要で広告の見出しも動的に生成されるため、通常の検索広告よりもスピーディーに設定することができます。
動的検索広告で必要なものは主に以下の2つしかありません。そのため、時間があまり無い方でも簡単に配信することができます。
例えば、インハウスで業務と広告運用を兼務しているため運用に割ける時間が少ないような方ににはメリットだと言えます。
ここからは、動的検索広告の設定方法について詳しく説明します。もちろん通常の検索広告とは設定方法が違うため、注意しましょう。
まずは「新しいキャンペーンの作成」からキャンペーンを作成します。
キャンペーンの目標を選択し、キャンペーン タイプ「検索」を選び「キャンペーン設定を選択する」まで進みます。
キャンペーン設定(キャンペーン名、配信地域、予算など)の設定が終わったらサイトのドメインとターゲティング ソースを設定します。
広告を作成、配信する際に基となるターゲティング ソースは、ウェブサイトで Google のインデックスに登録されているウェブページが使われます。そのため、基本的には一番上の「ウェブサイトの Google インデックスを使用する」のままで大丈夫です。
インデックスしていないページを対象にしたい場合は、ページフィードを作成し、ターゲティング ソース選択を変える必要があります。ページフィードは指定のテンプレートがあるのでこちらのページよりダウンロードして使用してください。
広告グループの種類は「動的広告」にします。その後、動的検索広告の配信に使用するページを選択します。以下の3つから選択が可能です。
Google 広告の公式チェックリストでは「推奨カテゴリを動的広告ターゲットとして使用する」ことを推奨されていますが、配信に含めたくないページがある場合は「特定のウェブページを対象とするルールを新しく設定します」を選択して、配信に使用するページだけを登録しましょう。
広告の作成で設定するのは「説明文1」と「説明文2」です。商品やサービスの説明を記載しましょう。どちらも半角90文字以内の規定があります。
その他、詳細な設定方法については公式のヘルプを参照ください。
ここまで設定方法を説明してきましたが、実際どのように活用するのが良いでしょうか?
作成方法は分かったが、「どのページを対象にしたら良いのか」「配信する上で注意しなければいけない点はあるのか」と思っている方もいるかと思います。ここから実例も交えながら具体的な活用方法を解説いたします。
昔から動的検索広告は EC サイトで活用するイメージが強いかと思います。動的検索広告も、サイズが豊富な商品や型番で検索需要がある EC サイトで特に効果を発揮します。
例えば、 充電式工具の先端に装着させて使用するビットという工具は用途や形状によって名称が違い、サイズも様々なため「ディープソケット 23mm」といった語句で検索するユーザーがいます。
このようなユーザーにも広告が表示され、その商品詳細ページへ直接遷移させることができることも動的検索広告の強みだと言えます。
他にも「Think with Google」という Google の公式サイトには「U-NEXT」の活用事例が掲載されています。
ユーネクストが本格的に動的検索広告を導入してから、動的検索広告での検索語句の内、新たに発生した検索語句は 50% 以上であり、そのうちの35% で会員獲得(コンバージョン)が発生しました。また、通常の広告に比べ、動的検索広告で発生したクエリのクリック率は 200% と高い数値がでました。
引用元:機械学習を活用して会員獲得数を拡大したU-NEXT|Think with Google
商品の使い方など、俗にハウツーと呼ばれるようなコラムやブログを対象に動的検索広告を配信することで、「〇〇 選び方」のような検索からもサイト流入が見込めます。
例えば、特定の商品の選び方を調べているユーザーを EC サイトのトップページへ流入させても、一定数のユーザーは探している情報が見つけられずに離脱してしまいます。
動的検索広告であれば商品の使い方を解説したコラムやブログへ広告通じて直接流入させることができるため、ユーザーの離脱を防ぐことができ、結果として購入数も増やすことができる可能性があります。
このように、動的検索広告を上手く活用することで人力ではカバー出来ない範囲からのコンバージョンの獲得やサイトへの流入が見込めます。
自動化や機械学習が進んでいる一方で、運用型広告には人が考えた方が効果を発揮できる部分がまだまだあります。動的検索広告も我々運用者が目的を考えた上で適切に使わないと効果を発揮できません。
人が考えるべき部分と機械に任せる部分を見極めて、広告の効果を最大限発揮できるようにしましょう。
マーケティング
2021年5月に広告事業部に中途入社。クライアントの広告運用やマネジメント、オウンドメディアの記事執筆などを約2年経験する。2023年9月よりマーケティング部へ異動。趣味はスマホゲーム、Vtuber、アニメ、競馬、お酒など。
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