マーケティング

データドリブンとは?重要性やマーケティングにおける活用の流れをわかりやすく解説

2008年からキーワードマーケティングに在籍し、以降10年以上広告運用に携わっている小島です。

今回はマーケティング一般に使われている「データドリブン」という言葉について解説します。

このデータドリブンという言葉、マーケティング業務などに携わっている方なら一度は聞いたことがあると思います。しかし、何となく意味は把握しているものの、あまり意識せず使っている方も多いのではないでしょうか。

細かい内容などは専門書に譲るとして、ここでは実務者が読んで理解できるようにデータドリブンの意味や必要性、実際の使用シーンなどをお伝えしたいと思います。

なお、Google 広告で「データドリブンアトリビューション」というコンバージョンのアトリビューションモデルがありますが、ここではそちらの説明ではなく、一般的な「データドリブン」について扱います。

データドリブンとは

データドリブンとは、データに基づいて意思決定、行動することを指します。ドリブンは英語の「driven」、つまり drive の過去分詞で「○○に突き動かされた」という意味になります。

プログラミングをしている方だと「イベントドリブン」という言葉でお馴染みだと思います。これは「○○をクリックしたら△△する」のように、クリックというイベントをトリガーとして、PC に何らかの動作をさせることです。これと同様にデータドリブンは「データをトリガーとして意思決定をする」ことを指します。

データドリブンの重要性

データドリブンは、主に以下の3つの視点から重要だと言われています。

  • 集めたデータを分析することで、より多い気付きを得ることができる
  • 説得力のある説明ができる
  • 再現性のある行動が取れる

ここからは、それぞれの視点について詳しく解説していきます。

集めたデータを分析することで、より多い気付きを得ることができる

ビジネスにおいては、継続して改善をおこなっていくプロセスが重要になります。

その際に重要かつ難しいのは、改善すべき点や改善方法の仮説を立てることです。ですが、仮説のアイデアはそう簡単には見つかりません。

そこで、過去の実績の数値データを集計し分析した結果が、仮説のアイデアを見つけ出す重要な手がかりとなります。まさに「データは宝の山」なのです。

昨今のデジタルマーケティングでは、個々のお客さまの嗜好に対して、集めたデータをもとにピンポイントにモノやサービスを届けることが可能になっています。こうした細やかな対応も、データを収集するからこそ可能になるのです。

説得力のある説明ができる

ビジネスでは多くの人の協力が必要不可欠です。社内に限らず社外の方にも協力を仰がなければならないケースが多いでしょう。

協力を得るには、施策内容の説明が不可欠です。その際「なぜこれをやるのか」という根拠をしっかりと説明し、納得してもらうことで、協力を得やすくなります。

納得していただける根拠とは「客観性」のある根拠です。そして客観性のある根拠の最たるものとして、定量的に計測できる数値のデータが挙げられます。

例えば Web サイトにあるコンタクトデバイス(電話番号やフォームへのリンク)の設置位置について、「過去のテストでは、この位置に設置した方が20%コンバージョン率が高くなりましたので、この位置で設置します」と説明すれば納得してもらいやすくなるでしょう。根拠なく、ただ「ここに設置してください」とだけ言われては、納得感は薄くなってしまいます。

客観的なデータによる根拠とセットで説明をすることで、説明説得力を増すことができます。その結果、より多くの人の協力を得ることができるようになるでしょう。

再現性のある行動が取れる

ビジネスでは経験がものを言う局面が多々あります。経験というものは属人性が強く、「A さんにはできるが B さんにはできない」というケースが多々発生します。

しかし、データに基づいた知見があれば属人性は薄まり、施策の再現性が高まります。別の方が同様の施策を用いて効果を出せる可能性が高まるのはもちろん、同じ人が別の案件で同様の施策を用いる場合にも、データによる具体的な実績例があるので、失敗する確率を減らせます。

つまりデータドリブンによって、ビジネスのプロセスでの属人性が減って再現性が高まり、成功する確率が一気に高まるのです。

データドリブンでのマーケティングの流れ

データドリブンでのマーケティングは以下の4つのプロセスを経ておこなわれます。

  1. データの収集
  2. データの加工
  3. データの分析
  4. 意思決定と共有

以下で、この4つのプロセスを順に見ていきます。

1. データの収集

特にインターネット上でのビジネスの場合、何らかの施策をおこなえばデータは自然と収集できます。しかし何も考えずにデータを収集していると、意思決定をおこなうために必要なものが集まらず、結果的にデータ収集の期間が無駄に終わることもあります。

また、収集したデータが膨大になりすぎて、その後のプロセスが困難になる可能性もあります。最近の PC は性能が良くなってはいますが、データが膨大になると処理速度が遅くなり、通常よりも分析に時間がかかってしまうこともあります。

データを収集する前には、これから何を検証したいのかの仮説を立てたうえで必要十分なデータを収集すべきです。できればその後のデータの使用形式を意識して収集できれば理想的だといえます。

検索のしやすさを考えて名前を「氏」と「名」に分けて収集する、計算することが前提であれば必ず半角数字で集めるといったように、データを使用する場面を考えて整えて収集したいところです。

2. データの加工

多くの場合、収集したデータはそのまま分析できないような形になっており、原則として検証したい仮説に沿ってデータが比較しやすいよう加工する必要があります

例えば客単価を比較するのに、データ内に消費税抜の金額と税込の金額が混同していると、正しい知見が得られません。この場合は、金額を税抜か税込のどちらかに合わせる必要があります。

データベースが整備されている環境であればよいのですが、Excel などにデータが「集まっているだけ」の状態では、データ形式なども含めて十分注意して加工する必要があります。

予算が許せば、Tableau などの BI(Business Intelligence:ビジネスインテリジェンス)ツールを導入して、データの可視化をしやすくするのもよいでしょう。

3. データの分析

データの加工が完了したら、分析に入ります。原則として、最初に立てた仮説が正しいかどうかを主眼として分析していきましょう。

その過程で、今まで気付いていなかったデータ間の相関に気づくこともあります。こういった気付きは次の仮説を立てる際に重要になりますので、できる限りデータを俯瞰して見るようにしましょう。

4. 意思決定と共有

データの分析で当初立てた仮説を検証したら、立てた仮説が正しかったかどうかの判断をします。

もし仮説が間違っていたと分かれば、仮説に基づいておこなった施策を元に戻します。仮説が正しいことが分かれば、その仮説を関係者と共有して今後の知見として活用していきましょう。

そして次の仮説を立てて施策を実行し、再びデータ収集のフェーズに戻るという流れで改善を繰り返していきます。

データドリブンの注意点

データドリブンは定量的な数値データを利用するため、自分にも周囲にも強い影響力を持ちます。そのため導き出された結果を盲目的に信じてしまいがちですが、どんな素晴らしいデータでも複雑怪奇な現実を完璧に表すことは不可能です。

ここでは、ビジネスをデータドリブンで判断していく中で注意すべき点を2つピックアップします。

データドリブンをおこなう際は取得データに限界があることに留意

「事実は小説より奇なり」といいますが、現実の世界はさまざまな現象が複雑に入り乱れています。ビジネスはそんな現実の世界の市場でおこなわれるものなので、データから想定できない事象の影響を受けています。

実際にデータドリブンをやってみると、現実のさまざまな事象が絡むことによる分析の難しさに気付きます。

ある施策を実行して仮に売上の数値が変化したとしても、背景にある事象まで考慮すると、その施策が良かった悪かったと言い切るのは実際のところ難しいのです。

例えば、ある施策をおこなっているのと同時期に、たまたま競合が大きなキャンペーンをやっていたり、たまたま台風が来てしまったりすると、施策の良し悪しに関わらず売上が一気に落ちたりしてしまいます。このように、集積したデータでは予測できない特別な事象によって、たちまちデータは引っ張られてしまうのです。

特別な事象の影響を多大に受けたデータからは、施策の良し悪しを判断できなくなります。

そのため、こういった特別な事象を定性的に考慮したり、適切なデータ収集期間を設けたりする知恵がどうしても必要になってきます。データには限界があり、全てがデータ通りに再現される訳ではないため、データから重要な要素を読み取ることが求められるのです。

ただ、こうした知恵は経験を積めばだんだんと身についていきます。その過程で注意すべきは、あくまでデータを重視し、定性的な思い込み排除する姿勢を保つことです。

データドリブンでの過去の成功体験に必要以上に縛られない

もう一つの注意点は、データによって裏付けられた過去成功体験に拘り続けると失敗する可能性があるという点です。

この点は「再現性のある行動を取れること」というデータドリブンの重要性と矛盾しますが、競合や市場は常に変化していくものなので、過去に成功した方法でもうまくいかなくなることもあるのです。

データドリブンに限らず、成功体験に縛られると現実を見失います。自虐的な表現になってしまいますが、常に過去の自分を疑う姿勢は持っておく必要があります。

ただ一方で、ビジネスはスピードが重要視されます。過去にデータドリブンで得られた知見を毎回検証していては前に進めません。データで意思決定をおこなうとスピード感のある意思決定ができますが、一方で未来が過去と同じ結果になる保証はないので、定性的に判断することも求められます。

常に過去の成功体験を疑いつつも、上手に成功体験を利用して前に進んでいくことが重要です。

データを信じて、バランスよく前に向かおう

注意点で述べたように、データドリブンも実際にやってみると「これでよいのか」という疑問が湧いてくると思います。それでも、データを信じて前に進む勇気と折れない心が必要なのです。

インターネットの時代が来る前は、使えるデータは非常にわずかでした。その頃は経験や実績がものすごく重要で、結果「村の長老」のような人が一人勝ちしていました。村の長老の言うことが外れていても、結果を示すデータも少なかったので、批判されるような機会も少なかったのです。

そこからすると、データが豊富にある現在は非常に民主的であると言えます。誰でもこの豊富なデータを使って成果を出すチャンスが与えられているのです。

データを信じて突き進み、知見と経験をつけてバランス感覚を磨いていくことが求められていると私は思います。頑張って前に進んでいきましょう。

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記事を書いた人

小島 元
小島 元

広告運用 コンサルタント

慶應義塾大学経済学部卒業。2008年からキーワードマーケティングに在籍、 以降10年以上、広告運用に携わる。離脱率の低さに定評があり2008年から 運用を続けているクライアントも多い。趣味は音楽、楽器演奏。依頼を受けて プロのバックを務めることもある。愛知県犬山市出身。

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