
実店舗ビジネスにおいて、Web 広告の成果を左右するのは「いかに商圏内のユーザーへピンポイントに届けるか」です。
かつて自社で運用経験がある方でも、現在の Web 広告に最新の配信ロジックを正しく反映できていないと、意図しない地域に広告が出てしまうなど、予算を無駄にしてしまうリスクがあります。
本記事では、100店舗以上の実店舗ビジネスに携わってきた経験を活かし、Google・Yahoo!・Meta などの主要媒体における地域ターゲティングの仕組みから、具体的な設定方法、そして役立つ注意点を解説します。ぜひ、設定している地域設定を見直しながら読み進めてみてください。
地域ターゲティングとは、特定の国や都道府県、市区町村、あるいは指定した地点からの半径を指定して広告を配信する機能です。
実店舗型スクールや飲食店などのローカルビジネスにとって、この設定は単なる「絞り込み」ではなく、ユーザー1人当たりがサービスや商品を利用している期間内に企業にもたらす「LTV の高い顧客に予算を集中させるための戦略」といえます。
地域ターゲティングは、ユーザーが実際に店舗に訪れる可能性があったり、お客様のところに直接出向いたりするサービスにおすすめです。
具体的には以下の業種になるため、自社のサービスが地域ターゲティングをすべきか確認してみましょう。
適した地域ターゲティングをおこなうことで、以下のメリットがあります。
地域ターゲティングをおこなわずに広告を配信すると、ターゲットではないユーザーから広告がクリックされ無駄な広告費をかけることになります。
商圏外のユーザーを配信対象から排除し、来店可能性の高い層に絞ることで費用対効果を高められます。
どの商品やサービスでも、地域ごとに広告の配信量をコントロールしたいということがあるかと思います。
例えば、同じ東京都内でも店舗の近くにいるユーザーには特に強く配信したり、逆に店舗から若干離れているが商圏内にいるユーザーには入札比率を調整ことによって、地域ごとに配信の強弱をつけることができます。
| ターゲット | 入札比率 | 入札額 |
|---|---|---|
| 店舗近くのユーザー | +30% | 130円 |
| 店舗から離れたユーザー | -50% | 50円 |
そのほかにも、広告配信をおこなったのちに地域別のレポートを確認して、成果が出ている地域に予算を多く投下するのも効果的です。

店舗が複数ある場合は、地域ごとに広告文やランディングページを出しわけられ、ユーザーに対して「自分事化」を促す情報提示ができます。
例えば、渋谷区に住んでいたり、よく訪れたりするユーザーが「イタリアンレストラン」と検索した際には、広告文に「渋谷のイタリアンレストラン」と入れたうえで、リンク先として住所やアクセス情報のある店舗ページ(ランディングページ)が表示されます。
主要な広告媒体はほぼ全て地域指定に対応していますが、設定できる「粒度」に違いがあります。
自社のサービスや配信したい地域などを加味しつつ、どの媒体で地域ターゲティングを使った広告を配信すべきか、確認しましょう。
| 媒体名 | 設定可能な単位 | 特徴 |
|---|---|---|
| Google 広告 |
|
検索意図と場所をセットで捉える。 精度が最も安定している。 |
|
Yahoo! 広告
※検索広告のみ |
|
日本国内のサービスのため、 日本の地名や境界線の判定が比較的正確。 |
| Meta 広告 |
|
プロフィールに登録された「居住地」データがあるため、精度が高い。 |
| LINE 広告 |
|
利用頻度の高さから、日常的な移動経路や 滞在場所に基づいた判定が行われる。 |
| TikTok 広告 |
|
狭い範囲よりは、県単位などの広い認知に 向いている。 |
ここからは実際に管理画面で地域ターゲティングを設定する方法を説明していきます。
どの媒体も、地域ターゲティングを設定するキャンペーンを選択し、地域を紐づけていくようなフローです。設定方法に大きな違いはありませんが、細かな仕様は異なるので、媒体ごとに設定方法を確認しておきましょう。
設定したいキャンペーンを選択したうえで、「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」内の「地域」をクリックします。

さらに青い鉛筆マークを選択すると、ターゲティング設定ができる画面に移ります。

都道府県や市区単位でターゲティングをおこないたい場合は「住所」、特定の中心地点から半径でターゲティングをおこないたい場合は「範囲」をそれぞれ選択しましょう。

「住所」を選択した場合は、入力箇所に「東京都」や「渋谷区」といった地域名を入力します。指定した地域が町や村単位など細かすぎると、指定自体がおこなえないので注意が必要です。

「範囲」を選択した場合は、特定地点の住所を入力し、半径を指定します。半径は100m単位で指定でき、最小範囲1kmから設定可能です。

Google 広告のキャンペーン設定では、地域ターゲティングに設定する地域をどのように定義するかを以下の2つから選択することが可能です。
指定した地域に実際にいる人、その地域をよく訪れる人、またはその地域に関心を示した人が対象で、
指定した地域に物理的にいなくても広告が表示されます。
例えば、配信エリアを「東京」にしている場合は北海道にいるユーザーが「東京 ●●(サービス名)」と検索すると、東京に関心があると判断され、広告が表示されることがあります。
指定した地域に実際にいる人、またはよく訪れる人が対象で、その地域に物理的に関わりのあるユーザーに限定して配信されます。

注意点として、Google 広告は「所在地やインタレスト」を推奨していますが、実店舗への来店を目的とする場合は「所在地」に設定することをおすすめします。
理由は、遠方に住んでいて来店する可能性が低いユーザーに広告費を払ってしまう「無駄クリック」を防ぐためです。
管理画面上から設定したいキャンペーンを選択し、画面左側のタブ「地域」から「編集」をクリックします。

地域の設定方法を選択する画面に切り替わるので、ここでは「地域を指定して配信」を選択しましょう。検索窓から地域名を入力し、画面下部から希望する地域の「配信」を選択します。

2025年9月から実装した、半径ターゲティングの場合は、検索窓から中心地点となる住所を入力し、赤枠箇所から「半径を指定する」を選択し、半径を入力しましょう。
先ほど紹介した Google 広告では100m単位ですが、Yahoo! 広告は1㎞単位で設定が可能です。

Yahoo! 広告でも地域ターゲティングの「ターゲット対象」を2つから選択できます。選択する際にはGoogle 広告と同じく、基本的に媒体推奨ではなく、確実にユーザーにリーチする「ユーザーの所在地」に設定することをおすすめします。

管理画面上から設定したいキャンペーンを選択し、広告セット内で「オーディエンス」内、「地域」を選択します。

地域を選択する画面が表示されるため赤枠の検索窓に任意の地名を入力しましょう。

地域を追加するとデフォルトで半径指定されるため、「▼」マークから「該当市区町村のみ」を選択することで、指定した地域のみ配信される設定ができます。

半径指定の場合は、「地域を一括で追加」を選択しましょう。

地域タイプは「住所」を選択し、中心地点の住所を入力し、青いボタン「地域を統合」から次に進みます。
ただし、半径を指定する際には、特定の距離(1㎞や5㎞、8㎞、16㎞、25㎞、40㎞、48㎞、64㎞、80㎞)しか選択できないため、注意が必要です。
細かく半径を設定する方法は後ほど説明します。

表示された住所に問題がないことを確認し、「地域を追加」をクリックします。

半径を細かく変更したい場合、住所の「▼」マークを選択し、赤枠箇所から希望の範囲を入力します。半径は Google 広告同様、100m単位で指定でき、最小範囲1㎞から設定可能です。

ここまで、Google 広告と Yahoo! 広告、Meta 広告の地域ターゲティングの設定方法をご説明いたしました。
地域ターゲティングをうまく活用することで、費用の無駄を抑えて効率的な広告配信ができますが、配信するうえで特に注意しておくべき点が3つあります。
設定方法の紹介で説明した通り Google 広告や Yahoo! 広告のデフォルト設定では「その地域に関心を示しているユーザー」も含まれます。
実店舗の来店を目的とする場合、「その地域にいるユーザー」に絞る設定への変更をおすすめします。
例えば、指定地域のすぐ外側にいるユーザーや、移動中のユーザーには、ターゲット外であっても広告が表示されてしまうケースがあります。
また、通信環境やタイミングによっては、配信データにズレが生じ、狙いたいユーザーにうまく配信されないケースがあることも念頭に置きましょう。
入札戦略で自動入札を導入している場合、地域ターゲティングによる入札比率調整が適用されないケースがあります。
「この地域は+20%」と細かく設定していても、自動入札では配信量も全て媒体の AI が最適化するため、手動で設定した数値は無効になってしまいます。
これは地域だけでなく、性別や年齢の調整も同様ですので、知らずに設定を詰め込みすぎないよう注意しましょう。
今回、地域ターゲティングの設定方法を中心に解説いたしましたが、一度設定すれば完了というものではありません。
商圏の変化やユーザーの行動データに合わせて、常に「継続的な調整」が必要です。
配信後は、管理画面の「地域レポート」から都道府県・市区町村ごとの CPA(顧客獲得単価)を確認しましょう。「この地域はクリックは多いが成約に至らない」という場所があれば、その地域を「除外設定」することで、広告費の鮮度を保てます。
「なんとなく出している広告」から「狙った商圏を確実に獲る広告」へと進化させ、店舗集客の最大化を目指しましょう。
広告運用 コンサルタント
東京都八王子市出身。前職ではフィットネス業界に特化したWeb広告運用に従事し、データ分析に基づいた集客最大化の提案に携わってきた。趣味はお酒、温泉、映画鑑賞。休日は温泉でリフレッシュする一方、マンガは『ONE PIECE』などの王道ジャンプ作品を愛読。映画の伏線回収やマンガの考察にはついつい熱くなってしまう、分析好きの一面も持っている。
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