運用型広告

AIとともに質の高いコピーを生み出すには?広告コピーの作成の5ステップを解説

更新日:2026.06.26

広告運用を始めたばかりの方や、代理店に入って間もない方にとって、キャッチコピーの作成は最初にぶつかる壁のひとつです。「センスがないから書けない…」と感じている方も多いのではないでしょうか。

最近では生成AIが普及し、「AI に任せれば一瞬で解決するのでは?」と試された方も多いと思いますが、そのまま広告に採用できるかというと微妙…という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、AI で「成果の出る」キャッチコピーを作るには、センスではなく「手順」と「情報の与え方」にコツがあります。本記事では、キーワードマーケティングが実践している「一次情報を活用したクリエイティブ作成法」をベースに、AIを優秀なアシスタントに変え、短時間でたくさんの良質なコピーを生み出す具体的なステップをご紹介します。

そもそもなぜ「いい感じのコピーを作って」では失敗するのか?

AI を使って失敗する最大の原因は、「指示(プロンプト)が抽象的すぎる」ことにあります。

たとえば、AI に「学習塾の広告コピーを良い感じに作ってください。」とだけ指示したとします。この指示にはターゲットも訴求ポイントも含まれていないため、AI は以下のような一般的な表現でコピーを返すしかありません。

  • 「一人ひとりに寄り添う個別指導」
  • 「今なら入塾金0円キャンペーン実施中!」
  • 「第一志望合格への最短ルート」
  • 「キミの“わからない”を“できる”に変える」

これらのコピーは間違いではありませんが、競合がひしめく業界の場合「誰の、どんな悩みに刺さるのか」が不明確なため、どのサービス、商品にも当てはまる内容となってしまいます。

広告コピーに必要なのは、キラリと光るセンスではなく、「ターゲットが抱える具体的な悩み」への的確な回答です。

ChatGPT に「いい感じのコピーを作って」と指示した場合の返答

AI を活用する3つの大きなメリット

広告のコピーなら、商材やターゲット、コピーの判断基準などご自身で理解されていると思うので、「自分で考えたほうが早いのでは?」と思うかもしれませんが、AI をコピー作成に取り入れることは大きなメリットがあります。

  • 5分で10案できるため、圧倒的な時短になる
  • マンネリ化の打破できる
  • 精神的なハードルが下がる

短時間でたくさんのコピー案ができるため、圧倒的な時短になる

広告のキャッチコピーを考えていると、白紙の画面を前に1時間経ってしまった……という経験はないでしょうか。AI を活用すれば、 ゼロから1案をひねり出す作業が、たくさんの案から良いものを選んでブラッシュアップする作業に変わります。浮いた時間は、より本質的なマーケティング戦略の立案に充てられます。

マンネリ化の打破できる

自分一人で考えていると、どうしても過去の成功パターンや使い慣れた言い回しに偏りがちです。AI は、自分とは異なる切り口や言葉の組み合わせを提案してくれるため、「その視点はなかった!」という発見が生まれやすくなります。テストの幅が広がり、新しいターゲットに刺さるコピーに出会える確率も高まります。

精神的なハードルが下がる

「センスがないから良いコピーが書けない」という苦手意識は、クリエイティブ制作における大きなブレーキです。AI を「優秀なアシスタント」として使うイメージを持つことで、「ゼロから良いコピーを作る」というプレッシャーが「AI の案をより良く調整する」に変わり、初心者でも前向きに取り組めるようになります。

成果を出すための広告クリエイティブ作成準備5ステップ

では早速 AI を使って広告コピーを作成していきましょう!と言いたいところですが、AI を使いこなして良質なコピーを作成する前に、まずはキーワードマーケティングが実践している、成果を出すための準備段階を押さえていきましょう。

質の高いキャッチコピーは、ひらめきから生まれるのではありません。キーワードマーケティングでは、5つの手順に沿って、「顧客への深い理解」を言葉に変換して広告コピーを作成しています。実際の作成は AI が行うため、今回は準備段階である1から3を特に詳しく解説します。

  1. セグメント分けとターゲティングの決定
  2. ターゲットのニーズや不安、不満の定義
  3. ニーズに対する回答を作成する
  4. 顧客ニーズへの回答をキャッチコピーに変換(AIが代わりに行う)
  5. AI 生成後、広告コピーの選定・ブラッシュアップをする

1.セグメント分けとターゲティングの決定

まずは市場を「年齢」「性別」といった属性(セグメント)に分け、「誰に」届けるか、ターゲティングを明確にします。セグメントをできるだけ細分化した後、広告対象となるセグメントを選択してターゲットを決定しましょう。

今回の場合だと以下のような形になります。

  • セグメント: 年代、勉強目的、勉強時間など
  • ターゲット: 部活動に入っていて、勉強時間が1時間以下の高校3年生
学習塾を例にセグメント分けとターゲティング選定をした場合

2.ターゲットのニーズや不安、不満の定義

ターゲットが決まったら、その人が日常で感じている「不安や不満」を深掘りし、ニーズを洗い出していきます。

ここで重要なのが、不安・不満は想像だけで書かず、実際のアンケートや Yahoo! 知恵袋、X(Twitter)の投稿内容、口コミなどの「1~1.5次情報」を参考にすることです。

▼ターゲットの不安・不満

  • 限られた1時間で何をすればいいのかわからず、結局英単語を眺めるだけで終わってしまう
  • 机に向かうまでのハードルが高く、スマホを触っている間に貴重な時間が溶けていく
  • 今の勉強法が正しいのか確信が持てず、時間を無駄にしている気がして怖い

▼ターゲットのニーズ

  • 「これだけやれば合格できる」という優先順位が知りたい。
  • やる気に頼らず、自然と勉強が始まる「仕組み」や「きっかけ」が欲しい。
  • 「このやり方なら間に合う」という根拠のある自信が欲しい。

3.ニーズに対する回答を作成する

先ほどの2.で「不安や不満」に対する「ニーズ」の洗い出しができたかと思うので、自社の商品やサービスが提供できる「回答(解決策)」を用意します。

ターゲットのニーズ ターゲットのニーズに対する回答
「これだけやれば合格できる」という
優先順位が知りたい。
合格から逆算し、今やるべきことだけに
絞った学習指針を示す
やる気に頼らず、自然と勉強が始まる
「仕組み」や「きっかけ」が欲しい。
心理的・物理的なハードルを下げ、
迷わず机に向かえる仕組みを整える
「このやり方なら間に合う」という
根拠のある自信が欲しい。
過去のデータや明確な根拠に基づき、
成果が出る道筋を証明する
ターゲットのニーズと回答

このように、顧客のニーズに対する明確な答えを作ることが、コピーの核になります。

ここまでの1.〜3.の「誰に何を伝えるか」という設計図をしっかり準備すれば、センスに関係なく質の高いコピーが量産できるようになります。

4.顧客ニーズへの回答をキャッチコピーに変換

ここからは生成 AI を活用して顧客ニーズへの回答をキャッチコピーに変換する段階です。具体的に AI へどのように指示を出せばよいのかと迷われるかもしれませんので、今回プロンプトのテンプレートを準備しました。

広告運用が初めての方でも、以下の構成をコピペして必要な情報を埋めるだけで、即戦力のコピーが生成できますので、ぜひご活用ください。

【前提条件】 あなたはプロのWeb広告運用者です。 以下の【商品情報】と【顧客ニーズ】をもとに、ターゲットユーザーの心に刺さる広告キャッチコピーを10案作成してください。ターゲットニーズに対する解決策は必ずキャッチコピーに反映してください。

【商品情報】
・商品名:◯◯
・商品特徴:◯◯

【ターゲット情報】
・ターゲット:◯◯
・ターゲットの不安/不満:◯◯
・ターゲットのニーズ:◯◯
・ターゲットニーズに対する解決策(回答):◯◯

【出力ルール】
・媒体:◯◯広告
・キャッチコピー形式:「です・ます」「体言止め」など様々なパターンで作成

入力する際には商材や聞きたい内容に沿って調整が必要ですが、先ほど紹介した1.から3.の手順にそって入力するだけなので、シンプルな作業で十分です。

プロンプト入力方法

実際に、先ほどの「学習塾」を例に上のプロンプトを使ってMeta用の広告文を出力してみました。

【前提条件】 あなたはプロのWeb広告運用者です。 以下の【商品情報】と【ターゲット情報】をもとに、ターゲットユーザーの心に刺さるキャッチコピーを10案作成してください。ターゲットニーズに対する解決策は必ずキャッチコピーに反映してください。

【商品情報】 ・商品名:キーマケ学習塾
・特徴: わかったつもりになりがちな集団授業ではなく、自学自習による「自力で解ける力」の育成を徹底した学習塾。市販の参考書から志望校合格に必要なものだけを厳選した「参考書ルート」を作成し、迷う時間をゼロにして今日やるべき課題を明確に指定し、 1週間の宿題の成果を「確認テスト」で数値化し、正答の根拠を講師に口頭説明できるまで深く理解させることで、限られた1時間でも着実な定着を約束する。偏差値30台やE判定からの「逆転合格」に特化したノウハウを持つ。

【ターゲット情報】
・ターゲット:部活動に入っていて、勉強時間が1時間以下の高校3年生
・ターゲットの不安/不満: 「限られた1時間で何をすればいいのかわからず、結局英単語を眺めるだけで終わってしまう」
・ターゲットのニーズ:「これだけやれば合格できる」という優先順位が知りたい。
・ターゲットニーズに対する解決策(回答):合格から逆算し、今やるべきことだけに絞った学習指針を示す

【出力ルール】
・媒体:Meta広告用
・キャッチコピー形式:「です・ます」「体言止め」など様々なパターンで作成

「学習塾」を例に Gemini にキャッチコピーを考えてもらった結果

より1~1.5次情報を生かした作成術について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

▼詳しくはこちらで解説

5.AI 生成後広告コピーの選定・ブラッシュアップをする

AI がたくさんのコピー案を出したあとは、人の目で「選ぶ」作業は欠かせません。AI で出力されたキャッチコピーが、「ターゲットからずれていないか」や「ニーズに対する解決策になっているか」という点で確認しましょう。

また、AI を使っても、どうしても微妙なコピーや日本語に違和感があるコピーが出力されてしまうことがあるため、微調整は必ずおこないましょう。

例えば、先ほどのキャッチコピーの1案目では「今のあなたに必要な勉強がわかる。合格から逆算し、迷う時間をゼロにします。」というキャッチコピーが生成されました。

この場合だと1行目が断定口調で、2行目は「です / ます」調になっているため、語尾を整えるだけで、一気に「人間が書いた信頼できるコピー」に仕上がります。

AI を業務で利用する際の注意点

AI は非常に便利なアシスタントですが、業務で利用する際には、セキュリティやコンプライアンスの観点から絶対に守るべき注意点があります。特に広告制作の現場では、知らず知らずのうちに重大なリスクを冒してしまう可能性があるため、以下の2点は必ず守りましょう。 

  • 会社に許可されていない AI ツールは使わない
  • 顧客情報や機密情報は安易に読み込ませない

会社に許可されていない AI ツールは使わない

システム管理部門や会社の許可を得ずに、個人の判断で無料のAIサービスやアプリを業務で利用することは厳禁です。このように、企業側が把握・管理していないITツールやAIサービスを業務に利用することを「シャドーIT(シャドーAI)」と呼びます

管理されていないツールは、入力したデータがAIの学習素材として二次利用されたり、サービスの脆弱性によって情報漏洩を引き起こしたりするリスクが非常に高いため、必ず会社が指定・推奨するツールを利用するようにしましょう。

顧客情報や機密情報は安易に読み込ませない

AIに指示を出す際、ターゲット分析のために自社の顧客アンケートや会員データ、あるいは社外秘のプロジェクト情報などをそのまま入力してはいけません。 

どうしても顧客情報や機密情報を扱う、あるいはそれらを参考にしたデータ分析をAIに行わせる場合は、以下の対応が必須となります。

  • データのマスキング:個人名、会社名、電話番号、具体的な金額などの「機密情報」は、あらかじめ別の文字列(「A社」や「ユーザーX」など)に置き換えるか、削除してから入力する。
  • オプトアウトの確認:利用しているAIツールが「入力したデータをAIの学習に使用しない」という設定(オプトアウト)になっているかを必ず確認する。

「これくらいなら大丈夫だろう」という安易な気持ちが、企業の信用を失墜させる重大なセキュリティ事故に繋がります。AIの利便性を最大限に活かすためにも、正しいルールと安全な環境のもとで活用していくことが大切です。 

AI によるコピー作成の質は顧客理解とプロンプトへの落とし込みで決まる

広告初心者の方が、AI を使ってスムーズにキャッチコピーを作るためのコツは、「キーマケ流の5ステップ」で情報を整理し、具体的にプロンプトへ落とし込むことです。

AI は魔法の杖ではありませんが、正しい情報を与えれば、あなたの代わりに何十パターンものアイデアを出してくれる「優秀なアシスタント」になります。

まずは、今抱えている案件の「ターゲットの悩み」と「解決策」を書き出してみてください。そして、今回紹介したプロンプトを ChatGPT や Gemini、Claude などの生成AI に入力し、10案出してみることから始めてみましょう!

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