TikTok広告で審査落ちしたときの対処法とポリシーを丁寧に解説

TikTok 広告の運用を最近始めたものの、「広告が審査落ちしたけど何が原因か分からない」という方もいるのではないでしょうか。

TikTok 広告にも独自のポリシーが存在するため、「Google 広告や Yahoo!広告では配信できたのに、 TikTok 広告では審査落ちしてしまった」という話も聞きます。

広告が審査落ちしても、場当たり的な対応をせずにきちんと原因を把握して修正することで、余計な時間をかけずに配信を開始できます。

また、媒体独自のポリシーも含め、事前に正しく理解しておくことが重要です。この記事では「TikTok 広告のポリシーで特に注意すべきこと」と「広告が審査落ちした場合の対処法」を解説します。さらに、審査落ちしやすい広告事例も紹介します。完璧と胸を張れるような配信準備をしましょう！

Google や Yahoo! と同様に厳格なポリシーが存在する

Google 広告や Yahoo!広告と同様に TikTok 広告にも、広告配信にあたって守るべき厳格なポリシーがあります。Google 広告や Yahoo!広告のポリシーにもあるような、ランディングページとの関連性を問うものや、禁止や制限がある商材などです。また特徴的なポリシーとして、動画の長さ（5秒未満の動画の禁止）や動画の音声の有無に関する規定があります。

それらを含む TikTok 広告のポリシーは、大きく分けると3つあります。配信できないフォーマットや、配信できない商品またはサービスは分かりやすい内容です。一方で、規制商品またはサービスに関しては、媒体独自の決まりがあるため、ポリシーをよく読み、理解して広告クリエイティブの作成や配信設定をする必要があります。

1. 配信できない広告のフォーマット（広告設定）
2. 配信できない商品やサービス
3. 制限のある商品やサービス

3つのポリシーの中でも、Google 広告や Yahoo!広告にも共通する抵触しやすいポリシーや、TikTok 広告ならではの注意が必要なポリシーを、審査落ちの具体例をもとに紹介します。

1. 配信できない広告フォーマット（広告設定）

以下は、配信できない広告のフォーマットとその例をまとめたものです。Google 広告やYahoo! 広告と共通する項目もありますが、 TikTok 広告のフォーマットに合わせた独自の項目もあるため注意しましょう。より詳細なポリシーについては、公式ヘルプページをご覧ください。

配信できない広告フォーマット	詳細や例
機能していないランディングページへの誘導	・リンク切れやエラーがある ・モバイルに対応していない ・ユーザーの携帯電話に自動でファイルがダウンロードされるページ ・メインコンテンツへのアクセスのために個人情報の入力を促すもの
広告やランディングページに禁止された商品やサービスが表示	・動物や動物を元にした製品（骨、歯、牙を用いた製品など） ・成人向けの性的な商品、サービスなど ・カジノとギャンブル ・タバコ及びタバコ製品 ・偽造と著作権侵害（行為） ・薬物と麻薬道具 ・政治広告 ・不適切な事業、商品、サービス（中絶や葬儀など） ・武器および武器の部品 ※
広告とランディングページの内容の不一致	・見出しやテキスト、画像、動画、コールトゥアクション（CTA）を含む広告クリエイティブ全般での不一致 ・広告では商品／ブランド A を、ランディングページでは商品／ブランド B を表示など
広告見出しと画像や動画内テキストの不一致	・見出しでのキャンペーン内容（◯％オフ）と画像や動画での表示（5,000円割引）の不一致 広告見出しでは「最大50％オフ」と表示されているのに対し、対応する広告画像では「最大30％オフ」と表示されている
広告見出しや文章の誤字脱字や誤った記号の使用	・一般に受け入れられていないつづりまたは文法が使用されているもの ・「かわいい」を「ｶゝゎﾚヽﾚヽ」と表示など
不鮮明・不明瞭な画像の使用	・画像のぼやけやテキストが不鮮明など
5秒未満または61秒以上の動画	・5秒未満または60秒を超える動画を使用
広告に音声が含まれていない／音声が不鮮明	・無音の動画／音声が不鮮明のものを使用
動画の構成比が50%以上静止画	・動画内で使用されている素材のうち、半分以上が静止画
eコマース広告の情報不備	・会社名や連絡先、住所、ビジネスライセンス、現地通貨での価格表示、利用規約、配送情報、プライバシーポリシー、返品ポリシー、返金ポリシーなどがランディングページに記載されていない

また、オーガニックの投稿を広告に引用すると、使用している BGM が著作権侵害に抵触し、ポリシー違反になることがあります。BGM がついた投稿を広告として出稿する場合は、TikTok が用意した商用音楽ライブラリの楽曲に変更しましょう。

ブランドコンテンツに使用する音楽は、商用音楽ライブラリ内のものしか使用できません。 あなた（またはあなたのブランド/広告パートナー）が、商用音楽ライブラリにない音楽を使用するために必要な音楽ライセンス権を取得している場合は、 TikTok Creator Markeplace ではなく、通常の TikTok 動画アップロードの流れでブランドコンテンツの動画をアップロードし、その音楽を使用するために必要な権利を取得していることを確認する必要があります。

引用元：TikTok上のブランドコンテンツ | TikTok ヘルプセンター

2. 配信できない商品やサービス

TikTok 広告には広告フォーマットの禁止事項もありますが、最初から配信が禁止されている（配信できない）商品やサービスも存在します。禁止されている項目に該当する商品やサービスは、広告のテキストや画像に入っているだけでも審査落ちします。自社の商品やサービスが該当しないか事前に確認しましょう。国によって配信できない商品やサービスが異なるので、今回は日本国内に絞ってまとめました。

配信できない商品やサービス	詳細や例
先物、外国為替、P2P 関連商品	・株式の先物取引や外国為替の絡む取引など
クレジットカードのキャッシングサービスや、海外の機関が提供するファイナンシャルサービス	・クレジットカードのキャッシング、海外期間のファイナンシャルサービス（クレジットカードやローン、保険、投資信託など）
処方薬、医療機器、およびオンライン薬局	・医薬品や医療機器など
避妊用具や避妊薬	・コンドームやピルなど
海外の不動産取引	・海外の不動産売買など
ゲームでの換金、リアルマネートレード、または有料ガチャ	・オンラインゲームのアカウントやアイテムなどを現実通貨で取引をおこなうものやゲーム内の有料ガチャなど
ホストもしくはホステスがいるクラブや、メイド喫茶などの風俗	・ホストやホステスのクラブ ・メイド喫茶などを含む風俗など
国内美容外科での豊胸、ホルモン治療、性器治療	・日本国内における豊胸やホルモン治療など
給与前払い（ファクタリング）サービス	・給料日前に従業員が希望日に給与を振り込んでもらえるサービス
海外の医療機関や医療サービス、国内および海外のネット薬局や処方薬	・海外のすべての医療サービス、国内を含むネット薬局や処方箋
高齢者向けの治験	・高齢者向けの治験
基準を満たさない出会い系ビデオチャットサービス	※基準の詳細はお問い合わせください。
生きた動物の販売または引き取り/引き渡し	・ペットショップによる動物の販売や動物保護団体などの引き渡しなど
公営ギャンブル、パチンコ屋、パチンコ機	・中央競馬や地方競馬、競艇、競輪、オートレース、パチンコなど
根拠のない出所/情報に基づいて商品/サービスや少ないリスク、スキル、努力、時間で高いリターンや成功を得られるかのような印象を与えるもの	・攻略法詐欺、在宅ワーク商法など

地域によって配信できる商品やサービスのポリシーが異なります。日本以外への広告配信を考えている方は配信地域のポリシーをよく確認しましょう。

3. 制限のある商品やサービス

配信できない商品やサービスとは別に、配信にあたって特定の条件を満たす必要がある商品やサービスも存在します。広告配信したい商品やサービスが規制対象の商品に該当するかも忘れずに確認しましょう。

規制商品に該当する場合は、それぞれの対応方法が異なります。以下の表は、規制商品と配信するために必要な条件です。

制限のある商品やサービス	配信するための条件
国内の機関が提供するファイナンシャルサービス	・関連する法律の準拠 ・行政機関からの認可などの金融ライセンスを得ていること ・広告主が該当業界の企業や団体に属していること ・広告の配信対象を20歳以上のみにすること
製薬、ヘルスケア、医薬、化粧品、美容製品	・表現において、全て医療法、薬機法、あはき法、または関連する各種業界ガイドラインを遵守すること ※あはき法とは「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」の略称 ・健康食品は栄養補助食品であることを広告で明確に表示する ・必要な注釈記載は、ユーザーへわかりやすく明示する ・医薬品以外の商材で、身体に作用する／作用すると誤認される表現の使用禁止 ・効果効能逸脱表現で、ユーザーへ誤認を与える可能性のある表現を使用しないこと ・医薬品、医療系商材は、広告に表現できる事項が厳しく制限される ・身体に関するコンプレックス表現の使用は禁止 ・いじめや差別を助長する表現は制限される
​出会い系アプリまたはサービス	・18歳以上が対象、条例に遵守 ・過度に性的である、援助交際や不貞行為を言及するのは禁止 ・直接的でなくても暗示させるものも禁止
食品・飲料	・アルコール飲料の場合は20歳以上が対象 ・アルコール飲料広告審査委員会が定めるガイドラインに準拠する
​小売業やショッピング	・ランディングページに、会社名、住所、有効な連絡先、プライバシーポリシー、連絡先、利用規約を記載する
​ゲーム	・18歳以上が対象 ・ギャンブルへの参加や現金を獲得する機会を与えない

審査落ちした際の対処手順

広告が審査落ちしたら、最初に理由を確認しましょう。広告の審査結果は、広告マネージャーの右上「お知らせセンター」から確認できます。

審査落ちの理由を確認したら、問題に応じた対処が必要です。広告が審査落ちした場合の対処法は大きく分けて2種類あります。

1. ポリシーに抵触しているので、該当箇所を編集して再申請をおこなう
2. ポリシーに抵触していないので審査結果に対して異議申し立てをおこなう

1. ポリシーに抵触しているので、該当箇所を編集して再申請をおこなう

ポリシー違反の箇所が確認できたら、広告タブから該当箇所の広告クリエイティブを修正します。広告の保存をすると自動的に審査がかかるので、結果を待ちます。

該当箇所が分かったものの適した表現が見つからない場合は、ヘルプセンターに問い合わせたり、類似商材の広告を参考にテキストを考えてみるといいでしょう。

2. ポリシーに抵触していないので審査結果に対して異議申し立てをおこなう

ポリシーに違反している箇所が広告上に見当たらない場合は、審査結果に対して異議申し立てをしましょう。

審査落ちしている広告の警告マークから「もっと見る」をクリックし、「申し立て」ボタンから再審査の請求ができます。

1つの広告に対する申し立てをする場合でも、広告セットに含まれる広告全てが再審査の対象になります。広告の非表示やブロックなど、ユーザーが否定的なフィードバックをした場合は、現在承認されている広告でもポリシー違反とみなされ、不承認になる可能性があるため注意が必要です。

TikTok 広告ポリシーを理解して、審査落ちの際にも慌てず対応しよう

TikTok 広告も他の広告媒体と同様にフォーマットだけでなく、配信できる商材にも独自のポリシーが定められています。TikTok 広告を最近始めた方や、これから始めようと考えている方は、ポリシーを理解して広告が審査落ちした場合でも焦らずに対処しましょう。

また、ポリシーを読んでもよくわからない場合は、ヘルプセンターからチャットボットやメールで問い合わせることをおすすめします。

審査落ちした場合でも、落ち着いてスムーズに対処し、広告の施策や分析に時間をかけて、広告成果を向上できるよう心掛けましょう。