運用型広告

リスティング広告の効果を疑っている方へ。運用のコツ3つと費用対効果がいい理由を解説

2008年からキーワードマーケティングに在籍し、以降10年以上広告運用に携わっている小島です。長年、広告運用に携わっていると、リスティング広告の効果について以下のような質問を受けることがあります。

  • リスティング広告は本当に効果があるのか
  • リスティング広告は他の広告と比べて効果が高いのか
  • リスティング広告の運用で効果を高める方法はなにか

売上を上げるために Web 広告を掲載するので、確実な効果が見込めるものを使いたい気持ちは十分わかります。そのため、この記事ではリスティング広告が Web 広告の中でも効果が高い理由や、運用する際に必要な考え方を解説します。

リスティング広告の効果が高い4つの理由

リスティング広告は Web 広告の中でも効果が高く、安定した成果が見込める広告です。その理由は大きく分けてユーザーと市場、競合、媒体要因の4つがあります。

  1. ニーズが顕在化しているユーザーに広告を配信できるので、コンバージョン確度が高い(ユーザー要因)
  2. 不況でも右肩上がり(市場要因)
  3. 競合がいても成果が上がりやすい(競合要因)
  4. 新しい広告の登場にもリスティング広告は負けなかった(媒体要因)

ここからは、それぞれの理由を詳しく解説します。

1. ニーズが顕在化しているユーザーに広告を配信できるので、コンバージョン確度が高い(ユーザー要因)

リスティング広告は、ニーズが顕在化しているユーザーへ広告配信ができるので、コンバージョン獲得がしやすい広告です。

リスティング広告は、ユーザーが検索した語句にもとづき表示される広告です。ユーザーが何をしたいか、何がほしいか(ニーズ)が明確になっている場合が多く、ユーザーが求めているタイミングで広告が表示できれば、クリックやランディングページへの遷移、コンバージョンの確率が高まります。

2. 不況でも右肩上がり(市場要因)

リスティング広告を含む運用型広告は、不況の影響を受けづらいのも特徴です。2009年の世界的不況「リーマンショック」や2011年の「東日本大震災」のときでさえ、日本の広告費の中でも運用型広告の広告費は右肩上がりでした。

参考:日本の広告費|電通 の資料をもとに作成

リスティング広告の発展は「検索」をする人が増え続けたことがプラスになっていると考えられます。インターネット環境の整備やスマートフォン、タブレットなどのデバイスの普及が後押ししています。現在、携帯電話やスマートフォン、パソコン、タブレットを8割以上の世帯が保有しているというデータからも、検索できる環境が整っていることが伺えます。

画像引用元:デジタルで支える暮らしと経済「情報通信機器の世帯保有率」|総務省

SNS の普及による「若者の検索離れ」と聞くと、検索する人の減少にともない、リスティング広告の効果も下がるのではと思う人もいるかと思います。しかし、長年リスティング広告の運用に関わっている一運用者としては、今なお「検索される回数」は増え続けていると感じます。

3. 競合がいても成果が上がりやすい(競合要因)

リスティング広告は、参入障壁が低くすぐに始めやすいため、競合企業も広告を配信しているケースが十分にあり得ます。競合が入ってくると、クリック単価の上昇やコンバージョン率の低下などが起こると考えられます。

しかし、知恵や工夫次第で競合がいても成果を上げることはできます。例えば、コンバージョンしやすい時間帯や地域で配信量を増やし広告費全体のバランスを取ったり、広告文でターゲットを絞ってコンバージョンの可能性が低い人からのクリックを抑えつつ目標 CPA に近づけたりなど、できることは無数にあります。

資金力がある企業だけが勝つのではなく、ユーザーのニーズにあった商品やサービスを提供し、リスティング広告を通してお客様にその魅力を伝えられる企業が勝つのがリスティング広告なのです。

4. 新しい広告の登場にもリスティング広告は負けなかった(媒体要因)

リーマンショック以降、Web 広告は多種多様になりました。特にサイトに来た方をターゲティングする「リマーケティング/リターゲティング」は効率が良く、あっと言う間に広く普及した広告です。

また、さまざまな SNS の誕生にともなって、新しい広告も登場してきました。中でも Facebook 広告は、実名登録前提という性質上、ユーザー情報が詳細でターゲティングの精度が高く、効果が出る広告として人気になりました。

しかし、こうした新しい広告媒体やターゲティング方法が登場しても、リスティング広告は堅調に成長してきました。電通が発表した2021年から2022年の「インターネット広告媒体費の広告種別構成比」によると、インターネット広告費全体の伸びとともに、リスティング広告(検索連動型広告)の伸びも顕著です。

画像引用元:インターネット広告媒体費の広告種別構成比 |2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

この点からも、さまざまな広告と比較しても、リスティング広告は効率面で決して引けを取らないことが分かります。

リスティング広告の運用でおさえたい3つのコツ

競合相手との競争が激しくなったことなどから、リスティング広告も10年前のように簡単に成果が出る時代ではなくなっています。しかし誰でもできる3つのコツさえおさえれば一定の成果は見込めます。

  1. 売上規模の拡大か、利益効率重視かを決める
  2. 本当にコンバージョンしやすいキーワードで広告を表示させる
  3. 管理画面のコンバージョン数と実際の数値を両方確認する

もちろん競合に勝つには、ビジネスの種類や状況によって千差万別なので、常に PDCA を回していくことが必要です。まずは3つのコツを理解して、自社にあった方法を見つけてください。

1. 売上規模の拡大か、利益効率重視かを決める

リスティング広告で成果を上げるためには、売上規模の拡大か、利益効率重視かを決める必要があります。なぜなら売上規模を大きくすることと、利益効率はほとんどの場合、相反関係にあるからです。リスティング広告に限った話ではありませんが、広告投資には「収獲逓減の法則」が働きます。

広告運用における収獲逓減の法則とは、ある一定水準までは、投下された広告費に比例してコンバージョンなどのリターンが増加するものの、限度を超えると伸び悩むというものです。

コンバージョン数と広告費における「収獲逓減の法則」のイメージ

本来なら売上規模を拡大しながら利益を増大させたいと考えるのが一般的ですが、競合とのオークションによって、クリック単価が上昇し、その上昇ペースがコンバージョン数の増加ペースを上回ると収穫逓減の法則が起こります。そのため、売上規模を拡大するのか、利益効率重視かを決める必要があります。

売上規模の拡大を狙うと決めたら、許容できる上限の CPA を設定した上で広告予算を組み、大胆に広告投資をしていくべきです。ディスプレイ広告など他の広告メニューも検討する必要があるかもしれません。

一方で、広告にかけられる予算が少ない場合などは「利益効率重視」の策をとっていきましょう。利益効率重視の場合、厳密に上限の CPA を設定し、コンバージョンを取りやすい利益に繋がるキーワードを見極めて調整しましょう。

2 .本当にコンバージョンしやすいキーワードで広告を表示させる

実際にコンバージョンしやすいキーワードは限られています。売上規模の拡大を狙う場合でも、利益効率を重視する場合でも、原則としてこれらのキーワードに対してしっかりと広告表示をさせることが重要です。

当然のように聞こえますが、現在はしっかりと表示させるのが難しい状況にあるのです。

マッチタイプの「完全一致」を設定していも、拡大して広告表示されるためです。実際に管理画面で検索語句(検索クエリー)を確認すると、完全一致で登録していても相当拡大されて広告表示されていることがあります。

また、業種によっては広告が表示されにくいキーワードも存在します。

例えば、医療系のキーワードは、病院が広告主でもある程度表示されますが、広告媒体のポリシーにより鍼灸院や薬局は広告表示されないこともあります。検索ユーザー保護の観点からそうなっていると推察できますが、これにあてはまると、コンバージョン獲得が非常に難しくなることもあります。

さらに、自動入札が標準になっているため、「気づいたら違うキーワードに予算が寄せられている」ということがよく起こります。

例えば、スマートフォンから電話での問い合わせをコンバージョンに設定し、「コンバージョンの最大化」を選択している場合、電話番号が誤ってクリックされると、実際には着電していなくてもコンバージョンとしてカウントされてしまいます。

そして「実際には着電されていないキーワード」へ広告費が振り分けられてしまい、本来コンバージョンを取れていた重要なキーワードの広告表示が抑えられてしまうこともあるのです。

こういったケースがあるため、リスティング広告を運用する場合、実際に広告が表示されているキーワードを管理画面でチェックし、本当にコンバージョンしやすいキーワードで広告が表示されるように除外登録などで調整をおこなう必要があります。

3. 管理画面のコンバージョン数と実際の数値を両方確認する

言うまでもなく、管理画面上のコンバージョン数は重要です。しかし管理画面だけに頼り切った運用をしていると、実は成果が出ていなかったなどの問題が発生します。管理画面のコンバージョン数と実際の注文数・問い合わせ数がズレていないかを確認する必要があります。

Cookie 規制が厳しくなり、コンバージョン計測に関する問題の発生は増加傾向にあると考えられます。Google や Yahoo! など各メディアもコンバージョン数を推定するなどの技術を使ったさまざまな対策をしていますが、昔と比較すれば計測の難易度は格段に上がりました。

また、前述の例のように、スマートフォンからの電話番号タップをコンバージョンにしている場合は、ミスタップがコンバージョンとして計測されてしまう問題も発生します。

もしかしたら、管理画面上のコンバージョン数が少ないキーワードやメディアの方が、実際に成果が出やすい場合もあるかもしれません。必ず管理画面のコンバージョン数と実数値の両方を確認しましょう。

Web 広告を始めるなら、まずはリスティング広告

ユーザーのニーズに答えることができるリスティング広告は、非常に効果が高く安定した広告です。

Web 広告を始めるならおすすめのリスティング広告ですが、Google 広告だけに出稿している方をよく見かけます。設定のしやすさ、予算の関係、管理画面上でのコンバージョンの確認しやすさ、またはメディアを絞る必要がある、といった理由があるのかもしれません。

可能であればぜひ Yahoo! 広告や Microsoft 広告、Amazon 広告などの媒体でもリスティング広告を出稿してみてください。管理画面上でのコンバージョンの確認が難しくても、Google 広告と同等、もしくはそれ以上の効率で注文・問い合わせを獲得できる場合もあります。

そして、時代の影響を受けにくいリスティング広告が今後大きく変わることがあっても、リスティング広告の出稿・運用で培った知識・経験は、しっかりと新しい技術にも応用できると私は信じています。

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日々広告を運用している広告運用者がシミュレーションを作成し、商材に合った媒体や配信メニューをご提案します。運用開始後は、東京本社と九州佐賀支社の分業体制により、ミスのない安定した運用とすばやい施策立案・実行を可能としています。

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記事を書いた人

小島 元
小島 元

広告運用 コンサルタント

慶應義塾大学経済学部卒業。2008年からキーワードマーケティングに在籍、 以降10年以上、広告運用に携わる。離脱率の低さに定評があり2008年から 運用を続けているクライアントも多い。趣味は音楽、楽器演奏。依頼を受けて プロのバックを務めることもある。愛知県犬山市出身。

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