運用型広告

CPFとは?LINE・Facebook・Twitter(X)で効率良く見込み顧客を獲得する広告メニューも紹介

秋元 航平

マーケティング

秋元 航平

2023.10.30

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SNS でオーガニック投稿をしていると、エンゲージメント率(いいねやコメント、シェアなど)を高めるために数多くの施策を考え、実行していると思います。エンゲージメント率は、ユーザーに自社の商品やサービスに興味をもってもらい、何かしらの反応を得ることで増加していきます。そのために日頃から見込み顧客の創出を意識して、施策を実行していかなければいけません。

オーガニック投稿のみで、フォロワーやファンが増えれば良いですが、上手くいかずに手こずってしまう人もいると思います。そこで広告でファンやフォロワーを獲得するために、この記事では、将来のお客様である「見込み顧客」になるユーザーを獲得するために注目したい指標「CPF」の概要と各媒体における、見込み顧客を効率的に獲得する広告メニューを紹介します。

CPF とは?

CPF とは、SNS の自社アカウントに好意や興味を持って、ファンやフォロワー、友だちになってくれたユーザー(見込み顧客)1人あたりの獲得単価を意味します。SNS 広告を配信する際に注目したい指標の1つです。

LINE では Cost Per FriendFacebook では Cost Per FanTwitter(X)では Cost Per Follow と名称は異なりますが、意味は同じです。

例えば LINE では、基本的に企業アカウントを友だち追加しているユーザーに対して情報発信をします。そのため、見込み顧客の増加は友だち追加したユーザーの数で計ることができます。企業は友だち追加してくれるユーザーの獲得を目的とした広告配信をおこなうため、成果は友だち1件あたりの獲得単価である Cost Per Friend で評価します。

LINE、Facebook、Twitter(X) で使用されている CPF の名称と概要は以下の通りです。

媒体 英字の正称 日本語での正称 詳細
LINE Cost Per Friend 友だち獲得単価 友だち1件あたりの獲得単価
Facebook Cost Per Fan ファン獲得単価 Facebook ページに対する「いいね!」、フォロー、リアクション1件あたりの獲得単価
Twitter(X) Cost Per Follow フォロー獲得単価 フォロー1件あたりの獲得単価
Twitter や Facebook、LINE での CPF の定義

コスパ良く見込み顧客を獲得することで、コンバージョン施策にも好影響

広告配信において、もっとも重要視されている目標は「売上の増加」です。この目標を達成するために、売り上げに直結する指標であるコンバージョン数やコンバージョン獲得単価に注目して広告を運用しているといった企業がほとんどではないでしょうか。

しかし、コンバージョンするユーザーを生み出すには、まず見込み顧客を創出しなければなりません。見込み顧客を創出するには、まず企業そのものや提供する商品、サービスについて知ってもらい興味を持ってもらう必要があります。このような、見込み顧客の獲得を狙った施策の結果について分析する際に役立つ指標が CPF です。

CPF は、自社に興味を持ち繋がったユーザー、つまり見込み顧客を獲得した単価です。実施した施策で見込み顧客をどの程度効率良く獲得できたかを確認できます。CPF が安ければ安いほど、見込み顧客を効率良く獲得できたことになります。

目標の「売上の増加」を達成するためには、見込み顧客を増やすことが重要です。見込み顧客は商品や企業に対して興味を持っているユーザーのため、商品購入のような売上に繋がるコンバージョンアクションを起こす可能性が高いからです。

しかし、獲得した見込み顧客がすぐにコンバージョンするわけではないため、コンバージョンを目標に置く広告配信とは別の施策として、フォロワー/フレンド/ファン獲得施策を実施するようにしましょう。売上の増加を見据えながらも、あくまで見込み顧客を効率的に獲得する施策として、CPF を目標に設定しましょう。

各媒体の CPF の詳細と、見込み顧客の獲得に特化した広告メニュー

CPF が見込み顧客の獲得を目的とした施策において重要な指標であることは、先ほど説明した通りです。ここからは Twitter(X)、Facebook、LINE の3つの媒体を取り上げ、それぞれにおける CPF の定義と、見込み顧客の獲得に適した広告メニューについて紹介します。

LINE の CPF は Cost Per Friend

LINE における CPF は「Cost Per Friend」の略で、LINE 公式アカウントの友だち獲得単価を指します。

LINE では一般ユーザーや公式アカウントを「友だち」として追加できます。友だち追加すると、メッセージのやり取りやタイムラインの共有が可能になります。企業の公式アカウントをユーザーが友だち追加すると、企業が発信する情報を受け取れるようになります。

企業が運営する公式アカウントは、メールマガジンのようにお知らせやセール、イベント情報を配信したり、クーポンを配布したりしています。

公式アカウントが発信する情報の例として、新製品や割引キャンペーンの情報が挙げられます。メッセージ機能で、これらの情報を受け取ったことのある方も多いのではないでしょうか。友だちになっているユーザーが、企業からの情報発信を通じて情報を得ることで、商品購入やお問い合わせのような売上に繋がるアクションを起こすかもしれません。

つまり、LINE における見込み顧客は友だちになっているユーザーで、友だちが多ければ多いほどビジネス拡大の可能性が高まるのです。そこで CPF をなるべく抑えつつ、友だちの数を増加させる LINE 広告メニューを紹介します。

友だち追加

LINE 広告の「友だち追加」は、LINE アプリ内に広告を配信する広告メニューの1つで、友だち獲得を目的にした広告配信が可能です。

LINE 広告のオーディエンスセグメント配信やオーディエンス配信などのターゲティング機能を用いて、LINE アプリのトークリスト上部や LINE NEWS などに広告を配信できます。そのため、見込み顧客となるユーザーに効率的にアプローチしながら友だち追加を促し、友だちになったユーザーと1対1のコミュニケーションを取りながら顧客化できる点がメリットです。

広告配信面は「トークリスト」、「LINE NEWS」、「LINE VOOM」、「ホーム」の4種類で、フォーマットに沿ったクリエイティブを入稿することで、各配信面に自動で広告が配信されます。

課金方式は友だち追加ごとに広告費が発生する課金制度(CPF)と、インプレッション数によって広告費が決まるインプレッション課金(CPM:Cost Per Mille)の2種類があります。入札方法を手動入札にした際はどちらかを選択でき、自動入札にした場合は友だち追加ごとの課金になります。

LINE 広告の友だち追加配信面イメージ
画像引用元:LINE 広告の友だち追加 予算の立て方から効果的な運用方法を解説 | LINE for Business

LINE 広告の「友だち追加」は広告費の下限が決まっていないため、低予算から始められます。適切な予算は獲得したい友だち数と友だち獲得単価の相場を掛け合わせることで算出できるため、自社の目標にあわせて設定しましょう。

友だち獲得単価は100円台~200円台になるケースが多いため、配信開始時は250円程度で想定するとよいでしょう。相場を踏まえた想定値のため、単価が上下することを念頭に置いて運用しましょう。もし相場よりも高い単価になっている場合は改善の余地があるはずなので、配信クリエイティブやターゲティング設定などを見直しましょう。

友だち追加の配信効果を高めるポイント
画像引用元:LINE 広告の友だち追加 予算の立て方から効果的な運用方法を解説 | LINE for Business
「LINE 広告の友だち追加」と「LINE 公式アカウントの友だち追加広告」は異なる

LINE 公式アカウントの友だち増加を目的としたアプローチは2つあります。1つは先に紹介した LINE 広告の「友だち追加」、もう1つは LINE 公式アカウントの「友だち追加広告」です。

どちらも友だち追加を目的とした機能ですが、広告アカウントを経由する点と、使用できるターゲティングが異なる点の2つが大きな違いとして挙げられます。

LINE 広告の友だち追加では「オーディエンス配信」が使用できるため、既存の友だちに似ているユーザーや、自社商品を購入する見込みのあるユーザーに配信できます。

一方、LINE 公式アカウントの友だち追加広告では、年齢や性別、興味関心カテゴリを用いたターゲティングは利用できるものの、オーディエンス配信は利用できません。LINE 公式アカウントの「友だち登録」は手軽に配信できる点が、LINE 広告の「友だち追加」は自社に興味がありそうなユーザーに狙いを定めて配信できる点がメリットだといえます。

LINE 広告の友だち追加LINE 公式アカウントの友だち追加広告
特徴コンバージョン見込みが高い友だちを増やせる幅広いターゲットに対して手軽に広告出稿できる
ターゲティング既存の友だちやコンバージョンデータを活用した「オーディエンス配信」が可能
※デモグラフィックターゲティングも可能
年齢、性別、地域、興味関心などの属性情報からターゲティング可能
費用任意で上限予算、課金タイプ(友だち追加ごとの課金、インプレッション課金)を選択可能
出稿方法LINE 広告の管理画面LINE 公式アカウントの管理画面
LINE 広告の友だち追加と LINE 公式アカウントの友だち追加広告の違い
引用元:LINE 広告の友だち追加 予算の立て方から効果的な運用方法を解説 | LINE for Business

Facebook の CPF は Cost Per Fan

Facebook における CPF は「Cost Per Fan」の略で、Facebook ページのファン獲得単価を指します。Facebook では、ページをフォローしているユーザーを「ファン(Fan)」と呼びます。

Facebook ページの「いいね!」

ページをフォローしていると、そのアカウントの投稿や最新情報がファンのフィードに表示されるようになります。企業は Facebook ページの投稿を通してファンに対して情報発信することになり、販売を促進することができます。

Facebook ページの上部にある「いいね!」ボタンをクリックすると Facebook ページをフォローすることになるため、Facebook ページの「いいね!」獲得数を伸ばせば自動的にファンも増やせます。

ただし、「いいね!」の後にフォローを外されることもあるため、必ず「いいね!」の数とフォロワー数が必ず一致しているとは限らないので注意しましょう。

ページに「いいね!」すると、自動的にそのページをフォローすることになります。これにより、そのページの最新情報がフィードに表示される場合があります。

引用元:Facebook ページを「いいね!」・フォローする | Facebook ヘルプセンター 

Facebook ではページへの「いいね!」が多いほどファンの増加に直結します。つまり、ファンを獲得するためにはユーザーに Facebook ページを見てもらう必要があるのです。そこで、Facebook ページの「いいね!」を効率的に獲得し、CPF をなるべく抑えながらファンを増加させる広告メニューを紹介します。

ページへの「いいね!」広告

Facebook ページの「ページへの『いいね!』広告」は、Facebook 内に広告を配信する広告メニューの1つで、Facebook ページへの「いいね!」の獲得を目的にした広告配信が可能です。

コアオーディエンスやカスタムオーディエンスといった Facebook 広告のターゲティング機能をすべて使うことができるため、潜在的ニーズを持ちながらも自社や商品について知らないユーザーや、自社のファンに似ている準顕在層のユーザーなど、さまざまな見込み顧客にアプローチできます。

広告の配信面は「フィード」と「検索結果」で、画像のみの形式と画像とテキストを組み合わせた形式の2種類で配信されます。課金方式はページへの「いいね!」獲得ごとに広告費が発生する課金制度と、インプレッション数によって広告費が決まるインプレッション課金の2種類があり、広告設定を進めると選択できます。

ページへの「いいね!」広告の配信プレビュー

LINE 広告と同様、広告費の下限は決まっていません。予算は通常の広告配信と同様、1日の予算か通算予算のどちらかを選択できます。設定予算は獲得したいファン数とファン獲得単価の相場から想定できますが、単価の相場はターゲティングによって差が出る傾向があります。

例えばメールアドレス類似など既存の顧客データを元にしたターゲティングでは200円台〜300円台となり、興味関心ターゲティングだと500円台〜1,000円台になることがあります。獲得単価を抑えたい場合は、顧客データを活用したターゲティングを利用してみましょう。

Twitter(X)の Cost Per Follow

Twitter(X)における CPF は「Cost Per Follow」の略で、フォロー獲得単価を指します。Twitter(X)ではお気に入りのアカウントやユーザーを「フォロー(Follow)」し、フォローしたアカウントの投稿をタイムラインで見るのが一般的な使い方です。

企業アカウントの場合、新製品やイベント、キャンペーン情報などを投稿し、フォロワーに情報発信しています。投稿の拡散を目的としてよくある手法としては、フォロー&リポスト(リツイート)やフォロー&ポスト(ツイート)などが挙げられます。

例えば、フォロー&ポスト(ツイート)の手法には、投稿しているアカウントをフォローしたうえで指定のハッシュタグを付けてポストしたユーザーに、抽選でプレゼントを送るキャンペーンがあります。このキャンペーンには、ユーザーが参加することで新規のフォロワーが増え、さらにはそのフォローしてくれたユーザーのフォロワーにもポストが閲覧されるので、情報が波及しやすいという特徴があります。以下のようなポストを見たことがある方もいるのではないでしょうか。

フォロー&ツイートのキャンペーン例

キャンペーンに限らず、フォロワーが多い程、いいねやリポスト(リツイート)などのリアクションも多く獲得できるため、更なる認知拡大も期待できます。Twitter(X)にも LINE や Facebook 同様、フォロワーを効率良く獲得できる広告メニューがあります。

フォロワー獲得広告

Twitter(X)の「フォロワー獲得広告」は、Twitter(X)内に広告を配信する広告メニューの1つで、アカウントのフォロワー獲得を目的にした広告配信が可能です。「タイムライン」や「おすすめユーザー」、「検索結果」など、X(Twitter)内のさまざまな配信面に広告が配信されます。

また、Twitter(X)広告のターゲティング機能をすべて使用できるため、属性やキーワード、カスタムオーディエンスなどのターゲティングを活用してフォロワー獲得に繋げることができます。

フォロワー獲得広告は、「広告用ツイート」と「フォロワーカード」と呼ばれる、プロフィールとフォローのボタンを組み合わせた四角いカードが一緒に表示され、ツイートの下部には広告を意味する「プロモーション」の表記が追記されます。

Twitter のタイムラインや検索結果に表示されるフォロワー獲得広告

広告費の下限は決まっておらず、低予算から始められます。適切な予算は獲得したいフォロー数とフォロー獲得単価の相場を掛け合わせることで想定できるため、自社の目標にあわせて設定しましょう。

フォロー獲得単価は40円~100円程度になるケースが多いため、まずは100円程度で算出するとよいでしょう。あくまでも相場を踏まえた想定値のため、目標フォロー数を下回るようであれば、配信クリエイティブやターゲティング設定などを見直しましょう。具体的な広告設定などは以下の記事を参考にしてください。

Twitterのフォロワー獲得広告とは?特徴や設定方法コツを紹介

Twitter フォロワー獲得広告とは、まだフォロワーになっていないユーザー且つ、広告配信をおこなうアカウントに関連度が高いユーザーに対してフォローを促し、フォロワーを増やす目的で使う広告です。特徴や設定方法をまとめたので、フォロワー増加を狙う際にいかしてみてはいかがでしょうか。

Friend,Fan,Followを効率良く獲得しよう

広告配信の最終的な目的は「企業の売り上げを上げること」にほかなりません。しかし配信を継続していると、次第に顕在層の獲得が難しくなり、見込み顧客と呼ばれる潜在層へのアプローチをする必要が出てきます。今回紹介した Twitter(X)、Facebook、LINE の広告は、いずれも潜在層へのアプローチに役立つものです。

見込み顧客の獲得のために認知を広げようとすればするほど、諸々のコストがかかってくるため、できるだけコスパ良く見込み顧客の獲得をしたいものです。商材との相性を加味して媒体を選定し、CPF に注目しながら見込み顧客を獲得していきましょう。

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記事を書いた人

秋元 航平
秋元 航平

マーケティング

2019年4月に新卒で入社後、研修を経て運用チームに配属。toB、toC等の案件を担当した後、セールスチームに異動となる。趣味はお笑いと観賞(研究?)と謎解き。特に好きな芸人は東京03とバナナマン。

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