Google広告のMCCとは?仕組みやメリット、広告アカウントの紐付け方法まで


2008年からキーワードマーケティングに在籍し、以降10年以上広告運用に携わっている小島です。

突然ですが、みなさんは Google 広告で「MCC」を使っていますか?「使っているけれど、詳しい仕組みや設定方法はわからない」といった方も多いのではないでしょうか。

正直、広告運用の代理店で働く一社員であったり、インハウスマーケターで自分しか広告運用に携わらなかったりする場合は、仕組みや設定方法を細かく把握しなくても良いでしょう。しかし、MCC の仕組みやメリットを理解しておくと、今後組織が拡大していったときに必ず役に立つはずです。

この記事では、MCC の仕組みや通常の広告アカウントとの違い、できること、導入手順を説明します。Yahoo!広告でも MCC の概念はありますが、今回は Google に絞ってお伝えします。

Google 広告の MCC とは?

Google 広告の MCC とは、複数の Google 広告アカウントを1箇所で管理するためのツールで、MCC に登録されていればログイン/ログアウトをせずに広告アカウントの切り替えができます。 

クライアント センター(MCC)アカウントは、代理店などのお客様が、複数の Google 広告アカウントを簡単に管理するためのツールです。MCC アカウントを利用すると、他の MCC アカウントや複数の Google 広告アカウントを 1 か所で管理することができます。

引用元:Google 広告のクライアント センター(MCC)アカウントについて | Google 広告ヘルプ

MCC では登録する Google アカウントごとに権限を設定することができます。権限は5段階に分かれていて、権限によって出来ることが限られています。

画像引用元:Google 広告アカウントのアクセス権について | Google 広告ヘルプ

MCC という1つの箱の中に複数の Google アカウントと複数の Google 広告アカウントを登録し、その箱の中で権限を割り振るイメージです。

例えば、Google 広告アカウント A で管理者になっている人は、メンバーの追加や削除などができます。しかし、Google 広告 B では広告運用者として、標準権限を割り振られているのでメンバーの追加や削除はできません。

この権限を使って Google 広告アカウント A では外部コンサルに、読み取り専用の権限を付与しています。読み取り専用なので、権利者権限で出来たメンバーの追加や削除、標準権限でできたキャンペーンの編集などはできません。

MCC とGoogle アカウント、Google 広告アカウントの関係図

MCC 以外にも複数の Google 広告アカウントにログインする方法がある

実は、複数の Google 広告アカウントにログインする方法は3つあります。

  1. Google MCC
  2. Google アカウントの「マルチログイン」
  3. 1つの「Google アカウント」に複数の「Google 広告アカウント」を紐付け

マルチログインとは、複数の「Google アカウント」をブラウザーのタブやウィンドウを分けて同時に立ち上げて、複数の「Google 広告アカウント」を管理する方法です。

参考:複数のアカウントに同時にログインする | Google アカウントヘルプ

1つの「Google アカウント」に複数の「Google 広告アカウント」を紐付けは、その名の通り、Google アカウントにそれぞれの Google 広告アカウントに権限を与えて管理する方法です。それぞれの違いを、以下に表まとめました。

項目MCCマルチログイン1つの「Google アカウント」に複数の「Google 広告アカウント」を紐付ける 
アクセスできる広告アカウント数際限なし記載なし20
Google 広告アカウントにログインする複数のメンバーの一元的な権限管理不可 ※不可 ※
複数の Google 広告アカウントの内容を一括で表示・編集不可不可
オーディエンスリストや自動化ルールの共有不可不可
複数の Google 広告アカウントの広告費の請求をまとめる不可不可
参考:Google 広告のクライアント センター(MCC)アカウントについて | Google 広告ヘルプ
※各 Google 広告アカウントで管理者権限があれば、個別管理が可能

1つの「Google アカウント」に複数の「Google 広告アカウント」を紐付けている場合は、右上の Google アカウントをクリックすると切り替えができます。

Google 広告管理画面 > 画面右上アカウントのアイコンをクリック

一方で、MCC を利用している場合は、左上の Google 広告アカウント名をクリックすると切り替えができます。

Google 広告管理画面 > 画面左上 Google 広告アカウント名をクリック

そもそも「Google 広告アカウント」とは?

普段何気なく使っている Google 広告アカウント という言葉ですが、実はヘルプなどにも正確な定義は載っていません。

記事内では Google 広告アカウントを「Google 広告を出稿する際の設定やデータなど全てを含めたもの」と定義し、話を進めていきます。

この「Google 広告アカウント」と「Google アカウント」は全く別物です。「Google アカウント」とは、広く Google のサービスを利用する際に使用するもので、多くの場合 Gmail アドレスが ID になります。

  • Google アカウント:Google のサービス全般を使う時に使う ID(アカウント)のことで、通常 Gmail アドレスが ID になる
  • Google 広告アカウント:Google 広告を出稿する際の設定やデータなど全てを含めたもの
Google アカウントと Google 広告アカウントの関係

また、普段私たちは「Google 広告アカウント」のことを「アカウント」と呼んでいますが、正式には「Google 広告アカウント」です。あまり運用に慣れていない方に説明する時は、なるべく正式名称で伝えるのが良いでしょう。

Google MCC 導入によってできること

MCC はセキュリティ面と業務効率化の観点で開発されたものだと考えられます。複数人が共通のパスや ID を使いまわす状況や都度ログイン/ログアウトする煩わしさを防ぐためです。

そして MCC はログイン/ログアウトの煩わしさだけでなく、広告運用者にとってかゆいところに手が届く細かな機能も備えています。ここからは MCC 導入で出来ることを具体的に説明していきます。

以下に、実際の広告運用の流れに沿って、MCC でできることを並べてみました。

  • 一瞬で Google 広告アカウントの切り替えができる
  • Google 広告アカウントごとに権限の設定ができる
  • MCC アカウントで新規の Google 広告アカウントを作成できる
  • 全ての Google 広告アカウントの内容を一括表示・編集できる
  • オーディエンスリストや自動化ルールを共有できる
  • 全ての Google 広告アカウントのアラートなどを一つの画面で確認できる
  • 複数の Google 広告アカウントの広告費の請求をまとめられる

一瞬で Google 広告アカウントの切り替えができる

複数の Google 広告アカウントの切り替えを容易におこなうことができます。Google 広告管理画面の左上にあるアカウント名をクリックし、MCC に紐付いている広告アカウントを選択するだけでアクセスできます。

Google 広告管理画面 > 画面左上 Google 広告アカウント名をクリック

Google 広告アカウントごとに権限の設定ができる

MCC を導入すると Google 広告アカウントごとに、どの Google アカウントにどんな権限を付与するかを決めることができます。

冒頭でも紹介したとおり、広告運用をしない外部コンサルの方は「読み取り専用」の権限を与え、キャンペーンの編集やメンバーの追加や削除はできないまま、キャンペーンの表示やプランニングツールのみが使えるようにすることも可能です。

MCC と Google アカウント、Google 広告アカウントの関係図

MCC アカウントで 新規の Google 広告アカウントを作成できる

通常 Google 広告アカウントを作成するためには、今まで Google 広告アカウントを作成したことがない Google アカウントが必要になります。

しかし、MCC であれば Google のアカウントを新規で作成しなくても広告アカウントを作ることができます。

全ての Google 広告アカウントの内容を一括表示・編集できる

MCC に登録されている全ての Google 広告アカウントのキャンペーン、広告グループ、キーワードを1度に表示・編集ができます。

長期休業などの際に、色々な Google 広告アカウント内のキャンペーンを停止する時などに非常に便利です。

MCC トップ > キャンペーン

オーディエンスリストや自動化ルールを共有できる

MCC に登録されている Google 広告アカウントであれば、オーディエンスのリストや自動化ルール、スクリプトなどを共有できます。

例えば、他の Google 広告アカウントの「コンバージョンした方」のリストを、他の Google 広告アカウントで利用することで、クロスセルを促すような効果を出したりが可能です。

MCC トップ > ツールと設定 > 共有ライブラリ > オーディエンス マネージャー

また、除外キーワードのリストなども共有できるので、運用作業の効率化に繋がります。

全ての Google 広告アカウントのアラートなどを一つの管理画面で確認できる

MCC に登録されている Google 広告アカウントのアラート(通知やお知らせ)を同じ画面内で表示してくれます。

広告の審査落ちやクレジットカードの有効期限などの重要なアラートを MCC の管理画面で一括で見ることができます。

MCC トップ

また、同様のアラートをメールにて受けることもできます。もちろん、各 Google 広告アカウントでも通知メールの設定はできますが、それぞれの Google 広告アカウントで自分の Google アカウントに権限をつけて設定しなければいけないので手間がかかります。しかし MCC であれば、一括でどんなメールを受け取るか設定ができます。

設定方法は、ツールと設定から各種設定をクリックします。

MCC トップ > ツールと設定 >各種設定

次に画面右上にある、通知(このアカウント)の右側の「▼」をクリックします。

MCC トップ画面 > ツールと設定 > 各種設定 > 通知(このアカウント ▼)

その後「通知(全階級)」をクリックします。

MCC トップ > ツールと設定 > 各種設定 > 通知(全階級)

以下の画面で通知が必要な Google 広告アカウントの必要な情報を「すべて」か「重要な通知のみ」に設定すると完了です。

MCC トップ > ツールと設定 > 各種設定 > 通知(全階層)

複数の Google 広告アカウントの広告費の請求をまとめられる

MCC の中にある Google 広告アカウントの広告費の請求(Google からの請求)を1つにまとめることができます。

画像引用元:統合請求について|Google 広告ヘルプ

Google MCC の導入手順

Google MCC の導入はシンプルで、大きく分けると3ステップで完了します。しかし、権限設定や管理の手間があったり、権限次第で必要以上の作業ができてしまったりするので注意も必要です。

  1. Google MCC アカウントの作成
  2. 管理すべき Google 広告アカウントの紐付け
  3. 運用・管理するメンバーの Google アカウントを紐付け

Google MCC アカウントの作成

まずは Google のこちらのページから、Google MCC アカウントを作成します。表示される画面に沿って必要な情報を入力していきます。

Google MCC アカウントの作成

この作業をした Google アカウントが MCC の管理者になるため、今まで Google 広告アカウントを使用していない Google アカウントでログインした状態でおこなってください。

各項目は、以下に入力例を記載します。請求先やタイムゾーン、通貨は必要に応じて変更してください。なお「アカウントの表示名」以外は後から編集できないので注意してください。

  • アカウントの表示名 : MCC の名称を任意の名称で入力
  • Primary use of the account : 「他のユーザーのアカウントを管理する」
  • 請求先住所の国 : 日本
  • タイムゾーン : 日本時間
  • 通貨 : 日本円

入力が完了したら「送信」ボタンをクリックすると完了画面が表示されます。

Google MCC アカウントの作成完了

「アカウントを確認」をクリックして、MCC アカウントが作成できているかを確認しましょう。作成できた場合、以下のような MCC のトップ画面が表示されます。

MCC トップ

管理すべき Google 広告アカウントの紐付け

まずは管理したい既存の Google 広告アカウントを紐付ける方法を説明します。左メニューの設定から、サブアカウントの設定をクリックします。

MCC トップ

サブアカウントの設定画面で左上の、青い「+」マークをクリックし、「+ 既存のアカウントをリンク」をクリックします。

MCC トップ > 設定 > サブアカウントの設定

表示された画面の「お客様 ID を1行に1つずつ入力するか、貼り付けてください」の部分に、管理したい Google 広告アカウントのお客様 ID を入力(もしくはコピーペースト)してください。

入力が終わったら、「リクエストを送信」をクリックしてください。

MCC トップ > 設定 > サブアカウントの設定 > 既存のアカウントをリンク

これで、該当する Google 広告アカウントの管理者にリクエストが飛びます。その Google 広告アカウントの管理者が承認をすれば、晴れて紐付け完了です。

なお、同様の手順で「+ 新しいクライアントセンター(MCC)アカウントを作成」で子 MCC アカウントを作成することもできます。これは MCC という箱の中に更に MCC アカウントを作成するイメージです。

運用・管理するメンバーの Google アカウントを紐付け

最後に、MCC に紐付いた Google 広告アカウントを運用・管理する他のメンバーを招待をします。MCC のトップ画面の上部、「ツールと設定」をクリックし、メニューの中の「アクセスとセキュリティ」をクリックします。

MCC トップ > ツールと設定 > アクセスとセキュリティ

画面上の青い「+」マークをクリックします。「アカウント」で招待したい MCC もしくはその中の Google 広告アカウントを選択します。

MCC トップ > ツールと設定 > アクセスとセキュリティ

その後、招待したい方のメールアドレスを入力し、どのような権限を付与するかを選択した後に「招待状を送信」をクリックしてください。

MCC トップ > ツールと設定 > アクセスとセキュリティ > 他のユーザーを招待

これで招待したい方に「Google 広告アカウントに招待されています」というタイトルのメールが飛びます。招待が承諾をされればユーザーとして追加されます。

Google MCC、是非導入を!

複数の Google 広告アカウントがある場合には、是非導入を検討してみてください。実際に手を動かして設定をしてみると、より理解が進みます。

Google MCC の作成をする機会がなくとも、仕組みや権限を理解しておくと、広告運用の際に少なからず何か役に立つはずです。今後組織が大きくなって自分以外にも Google 広告アカウントを管理する人が複数でたときなどにこの記事をもとに設定してもらえたら幸いです。

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この記事を書いた人

小島 元

小島 元

広告運用 コンサルタント

慶應義塾大学経済学部卒業。2008年からキーワードマーケティングに在籍、 以降10年以上、広告運用に携わる。離脱率の低さに定評があり2008年から 運用を続けているクライアントも多い。趣味は音楽、楽器演奏。依頼を受けて プロのバックを務めることもある。愛知県犬山市出身。

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